相変わらず、飲み会が多い。幹事長などとあまりありがたくもない仕事も任されてしまう。


先日は50名ほどの飲み会をセットした。全員を飲み会の会場までバスに乗せ、そしてまたバスに乗せて帰さなくてはならない。


「めんどくさいなあ」などと幹事と話しながら行程をセッティングをする。50名ほどの飲み会だが、女性は1名しかいない。参加者数をまとめている際、その女性からのキャンセルが出た。


ますますやる気がなくなり、「中止にしちゃう?」なんて幹事と話していたけれど、そういうわけにも行かず、泣きながらセッティングをした。


挨拶や乾杯の依頼、締めの挨拶の依頼、会場担当者との折衝、席の配置、バスの手配など、名前だけ幹事長なのにやることは意外とある。飲み放題に生ビールがないなどと苦情を受ける。本当に面倒くさい。こういうことをなぜか任されてしまうのが悲しい。そして、それでもなぜかできちゃう。なんで俺ってできちゃうんだろ?悔しい。


もっとも、今回の飲み会では失敗もあった。帰りのバスに乗せるはずだった1名が、トイレに入っている間にバスを出発させてしまった。


実は以前にも、まったく同じ状況で、1名置き去りにしてしまった。
今回、またトイレに入ってるんじゃないだろうな?と疑問を持ちながらも、確認しなかった。


幸いにして、前回の置き去り者は野球部の元キャプテンでマラソン愛好家、今回もジョギング大好き男だったので、助かった。


野球部の元キャプテンは翌日「職場は目の前に見えているのに、結構、遠くて驚きました。」と言っていたが、今度の男は「意外と近くで楽勝でした。」と少し自慢げだった。


次回からは、飲み会後、会場のトイレから職場まで走って帰るというレースでも企画しようかと思った。


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日曜日は朝5時30分に起きた。部下が6時30分頃に迎えに来てくれた。
管内のある地区で草取りをすることになっていて、僕たちも手伝いとして呼ばれた。


太陽が照りつけるなか、おばちゃん達と延々と草むしりを続ける。
途中でお茶をくれたり、飴をくれたり、おばちゃん達は明るく親切だった。


「ちょっと汚いのは、刈っちゃっていいから。でもおばちゃん達は刈らないでね。」なんてことを言う。


こういう草むしりは手伝っても、あまり感謝をされないものだが、今日はとても感謝をされて、疲れたけれど気分がよかった。


「来年も来てね。」なんて言われる。来年、俺はどこで何をしているのだろうかと、一瞬考えたが、人事課が考えることなど僕がわかるはずもなかった。


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ヴィンセント・ギャロ監督・主演の「バッファロー’66」をDVDで見た。


baffalo66
http://youtu.be/1duitd-N1Us


あまりに古くさい演出をしているので、てっきり60年代の映画だと思っていたら、90年代の映画だった。映画好きの人たちの評価が高い映画で、僕はこれがいい映画なのかと「ふーん」と思いながら見た。


baffalo661

主人公の男は最悪だ。嘘つきで貧乏で無礼で賢さもない。そして運もない。そんな最悪の男が母親に、電話で「妻を連れて帰る」と言ってしまい、近くにいた女性を拉致する。


baffalo662

その女性が(きれいな人なんだよなあ。アダムス・ファミリーの娘役だそうだ。そういわれれば、確かにそうだ。)、この男を愛するようになるという映画なんだけど。俺は今まで生きてきたなかでそんなことなかったし、なんだか俺にはピンと来なかった。おとぎ話過ぎるように思った。


ちなみに日本版キャッチ・コピーは「最悪の俺に、とびっきりの天使がやってきた」らしい。確かにそんな映画だった。この最悪な男のどこに女が惚れたのかがわからない。


意外なのはこの映画が女性にも支持されていることだ。結局最後まで、俺にはよくわからないことがわかった。この映画も女心も。


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もし、過去に読んだ本のうち、最も人生に影響を与えた本は何かと聞かれたら、僕は最終的にはヘルマン・ヘッセの「デミアン」(新潮文庫)だと答えるだろう。


demian

もちろん、筒井康隆、椎名誠、村上春樹なども影響を与えたに違いはないけれども、「デミアン」が僕に与えた影響とはレベルが違いすぎる。


僕は高校時代、かなり精神的に追い詰められていた。自分がどう生きたらよいかわからなかった。それに勉強しなくてもできた中学時代と違って、高校時代は成績が上がらず、落ちこぼれになっていた。僕は成績が下がった驚きのあまり、ますます勉強から逃げ出してしまっていた。


そして、僕は逃げ道を図書館や本屋に見いだして、それこそ片っ端から本を読んでいた。雑誌を段ボール単位で買ったこともある。でも雑誌のなかに救いはなかった。悪あがきだった。ときどき、僕は自殺することも考えていた。人生に意味を見いだせなかった。人類って気持ちが悪い生き物だなんて考えていた。自分もそうだと気づいて愕然としたりした。


東京出張の際、バスの時間が来るまでの間、僕は新宿の京王デパートの7階にある啓文堂書店で時間をつぶしていた。もちろん気象予報士の勉強をしなければならないことはわかっていたから、喫茶店にでも行ってアイスコーヒーでも飲みながら、勉強するべきだったのだろうけれど、どうもやる気が湧かなかった。


それで、本をつらつらと眺めているうちに、何十年ぶりかで、ヘルマン・ヘッセの「デミアン」(新潮文庫)を手に取った。高校時代に初めて読んだとき、僕はこの本に救われた気がした。僕は、主人公のシンクレールのような気分でいた。


友人にもこの本を薦めた。彼はこの本に出てくるエヴァ夫人が気に入ったようだった。デミアンの母のエヴァ夫人は、シンクレールの心を読む。彼の思いは常にエヴァ夫人に響く。当時の僕は、毒舌家だったけれど、エヴァ夫人のような本当に自分を理解してくれる女性を求めていたので、彼の言うこともよくわかった。


そして、そんな女性は世の中のどこにもいないことを、僕は当時、知らなかった。そんな女性にいつか出会えるのではないかと思ったが、存在しないのだから会いようがないことを僕は知らなかった。


しばらく迷ったけれど、もう一度この「デミアン」を読んでみようと思ってレジに向かった。軽い文庫本だけれど、高校時代の思い入れがあるせいか、硬質な重さを感じた。


読み始めて、驚いたのは、かなり難解な小説だということだった。高校時代はスラスラと読んでいた気がしていたので、もっと気楽に読めるものかと思っていた。年を取ると枝葉末節にも注意を払ってしまうせいなのか、なかなか読みすすめることができなかった。


しばらく読んでいるうちに、面白いことを発見した。高校時代、僕はシンクレールの視点でずっと本を読んでいたけれど、今の僕はもうシンクレールではなかった。僕はデミアンに共感した。長いこと、僕が心の中で思っていたのは、デミアンになりたいということだったのだと理解をした。


デミアンのように孤独に、静かに、よい人間だが、誰にも気に入られようと努めず、賢く、超然としていたい。他の人と圧倒的に違っていたい。


この本は、また個人が自分の内面に対峙することの重要性も示している。明言はしていないが、悟りの勧めでもある。外的な成功よりも内的に真の自分自身となることが大切だと。


読み終わった今、僕はまたひとつ大きな階段を上ったような気がした。もちろん、このような本は人には薦めない。でも、僕にはとても意味がある本だ。中身はほとんど忘れていたけれど、高校時代からずっと、僕には大切な本だった。



***おまけ***


統計の第9回目のテーマは「標準偏差」。


事例)野球チーム『DPC』の9人の仲間が集まってそれぞれの年収を確かめた。Aさん400万円、Bさん500万円、Cさん500万円、Dさん600万円、Eさん600万円、Fさん600万円、Gさん700万円、Hさん700万円、Iさん800万円だった。


この事例をつかって「標準偏差」を出す。


(1)9人の年収を全部足して合計を出す。


400+500+500+600+600+600+700+700+800=5400


(2)合計を人数で割って平均値を出す。


5400÷9=600


(3)9人の年収それぞれから、平均値を引き、それを2乗する。


(400-600)^2+(500-600)^2+(500-600)^2+(600-600)^2+(600-600)^2+(600-600)^2+(700-600)^2+(700-600)^2+(800-600)^2


さらに計算する。


=40000+10000+10000+0+0+0+10000+10000+40000=120000


(4)合計を人数で割る。


120000÷9=13333.333…


(5)正の平方根を求める。


√13333.333…=115.47…


〈解答〉115.47万円



〈余計なお世話の解説〉


1 標準偏差とは
標準偏差もデータの散らばり具合を知るための指標だ。標準偏差も絶対平均も分散も求めたいと思っているものは同じだ。平均値から、データが、平均どのくらい離れているかを知りたい。


単純にデータから平均値を引いたものを合計すると、0になってしまう。それは、野球チーム「DPC」のAさんのように、平均値以下の人がいて、そこから平均値を引くとマイナスになってしまうからだ。


要は、マイナスがあるから不便なわけだ。


絶対平均では全てのデータから平均値を引いたものを絶対値化させて(プラスにして)足し合わせた。そして、足し合わせたデータを個数で割ることにした。


分散では、全てのデータから平均値を引いたものを2乗することで、マイナスに関係なく計算できるようにした。そして、2乗したデータを足し合わせて個数で割る。そうすると、2乗したデータの大小で、平均値からの距離がわかるという仕組みになっている。


もっともこの分散の状態では、まだ2乗した状態なので、数が大きくて扱いにくい。そこで正の平方根を求め、平均値から、データが、平均どのくらい離れているかを知ることとした。これが標準偏差だ。


stdevp1
今回、9つのデータの標準偏差が115.47万円、そして平均は600万円だった。
600万円に115.47万円を足すと、715.47万円。また、600万円から115.47万円を引くと484.53万円になる。


理論上は、この484.53万円から715.47万円のデータのなかに、この9つのデータの68%が含まれることになっている。つまり、平均値に標準偏差を足した数と、減らした数の間に、全データの68%が含まれるということだ。


さらに、標準偏差を2倍すると230.94万円になる。600万円に230.94万円を足すと830.94万円。まら、600万円から230.94万円を引くと369.06万円になる。


理論上、この369.06万円から830.94万円のデータのなかに、9つのデータの95%が含まれるということになっている。つまり、平均値に標準偏差の2倍を足した数と、減らした数の間に、全データの95%が含まれるということだ。


平均値±標準偏差 → 全データの68.27% (約2/3)
平均値±2×標準偏差 → 全データの95.45%(約19/20)


こういった便利な機能があることから、平均や標準偏差はさまざまな統計で利用されている。


2 標準偏差を求めるエクセルの式
B3のセルからJ3のセルまでに数値を入れ(データが9つの場合)、STDEVP関数を使えば、一発で出すことができる。
   =STDEVP(B3:J3)



stdevp2

3 標準偏差を求める数式
分散を求める数式の正の平方根を求めれば、標準偏差が計算できる。書かなくてもいいくらいだけど、一応、手順を示しておく。


(1)まず、平均値をAとする。
   A=Σ(X)/N
Xはデータで、Nはデータの個数。


(2)データから平均値を引き、2乗したあと、合計する。
   合計=Σ(X-A)^2


(3)これをN個というデータの個数で割ると分散が出る。
   分散=Σ(X-A)^2/N


(4)さらに分散の正の平方根を求めれば、それが標準偏差だ。
   標準偏差=√(Σ(X-A)^2/N)


(次回の予告)
次回は変動係数。標準偏差はグループの個性を把握するのには適している。でも、桁が違う2つのグループ間のデータの散らばり具合を比較するのには適していない。


例えば、セリエAの選手の年収の散らばり具合とJ3の選手の年収の散らばり具合を標準偏差では較べられない。セリエAの選手は桁が大きすぎるので、標準偏差は必ずJ3の選手よりも大きくなってしまう。


このような場合でもグループ間のデータの散らばり具合が比較ができるように使うのが変動係数だ。


そして、この変動係数が診療情報管理士で出る統計の計算式のゴールになる。これ以上の計算式は診療情報管理士の試験では出ないだろう。そして、この変動係数の説明を最後に、しばらく統計の解説を中断する。


そろそろ本格的に僕が気象予報士の勉強を始めるから。