土曜日はTどんの結婚式だった。
Tどんも結婚相手も福島の人なので、福島まで行かなくてはならない。


福島まで行ったら、福島の街を探検に行こうと思っていたのだが、福島駅周辺のビジネスホテルはどこも満室で、それではせめて大宮に泊まろうと思ったのだけれど、大宮のビジネスホテルも満室だった。
それで、長野から日帰りで行くことにした。


新幹線の予約に、インターネットで切符が買える「えきネット」を初めて使ってみた。
路線を選びつつ購入しようと思っていたのだが、長野から大宮までの新幹線と、大宮から福島までの新幹線をどうやったら連続して購入できるのか、今ひとつよくわからない。
いったん購入してから割引料金になっていないのに気がついて、やっぱり取り消そうと思って取り消したら、それだけで手数料が300円もかかってしまい、ひとつの予約もできないうちにこれかよ、と情けなくなった。


最終的には、乗るべき新幹線を完全に決めてから、「2列車の乗り継ぎ申込」というところから入って購入をした。購入できた後も、これはみどりの窓口で普通に購入するよりも少しは料金的に得になっているのだろうか?と思ったが、計算するのが面倒だったのでやめた。一応、一般旅行業務取扱主任者の試験も合格はしているので、鉄道の運賃計算は過去には何問も解いたが、今覚えているのは、鉄道の運賃計算は面倒くさいということだけだ。


結婚式では、Tどんにテーブルスピーチも頼まれていた。「うん、わかった。テーブルスピーチは、酔っぱらってからやるスピーチだから、読み原稿は作らないよ。」なんてお気楽に答えていたけれど、そうはいっても、と思いながら読み原稿を作った。作っているうちに、Tどんも優秀な奴だよなあ、って改めて思った。


朝は8時30分頃に家を出て、長野駅に向かった。みどりの窓口に並んで切符を受け取ろうと思ったら、「券売機で受け取らないと割引になりません」ということだったので、券売機の方に並び直した。


随分と親切な係員が券売機のところにいて、使い方を説明してくれる。理解してから、これは便利だということがわかった。券売機で受け取ったら700円の割引になった。そうか、券売機で受け取らせれば、みどりの窓口での業務量が減るからなあ、とそのインセンティブの持たせ方にも納得した。すでに300円の手数料は余計に払っているから、僕は差し引き400円の得をしたことになる。


行きの新幹線のなかで、僕は従兄弟が貸してくれた山崎正和さんの「劇的なる日本人」(新潮社)をずっと読んでいた。そして、大宮で乗り換えた東北新幹線のなかでとうとう読み終わった。久しぶりに本をきちんと読んだなあ、と思った。後半になって、「日本への手紙」という章に入ってからは、ずっと潜水して70年代という時代のなかを泳いでいたようなそんな気がした。


この本の文体について、従兄弟は「美しく硬質な文章」と表現をしていた。僕はムダを削って彫り込んでいくスタイルの文体に、どこか武道を感じていた。美しく鮮やかに切り込む姿は、ときとして正確さを犠牲にするものだということもこの本を読んで実感した。考えどころが多く、いろんなことをこの1冊の本から学ばせてもらった。それから、俺も大学時代、法律の基本書をこの本を読むくらいの熱意で読んでいればなあ、と思った。


福島駅で新幹線を降りて、結婚式場の用意してくれたシャトルバスに乗る。先に乗っていた女の子がアルファベットの歌を歌っている。「ABCDEFG、HIJK」まではきちんと歌えるが「LMN」はどうしても「NNN」になってしまう。駅から結婚式場までは1本道だが、距離はかなりあった。


結婚式場について、着替えようとしたら更衣室が3人分しかなくて、着替えることができなかった。友人達に久し振りにあったが、礼服のまま会場に来たらしく、ジーパン姿の僕を見て「そのまま結婚式に出ればいいだろう」と言う。そういうわけにもいかないので、それからしばらく待って、更衣室が空くのを待ち、なんとか礼服に着替えることができた。


久し振りに会った友人達だが、相変わらずかなりの毒舌だった。周りの人の目もあり、「もう大人なんだから」と誰かが注意すると「年を取っただけで、大人になったわけじゃない」なんて言い返すのを見て、「なるほどなあ。確かに」って思った。いつの間にか、もうみんな結婚をしたようで、結婚していないのは、もう俺といわき市の友だちだけだった。
「もう結婚できないんじゃない?」そう言われたが、確かにそんな気もしているところだ。


結婚式は式場にある教会で行われた。


My Kiasu Life in JAPAN-church

Tどんはなかなか体格がいいが、初めて見る奥さんになる人も少しふくよかだった。
でも、その大きさが教会に合っていて、バランスが取れてきれいだった。「このくらいの新郎新婦の大きさが、教会の場合には適正なのではないか」と思った。小柄な人は、やっぱり日本式の方がいいと思う。


その後、花びらを新郎にかけたり、風船を飛ばしたり、熊の人形がパラシュートにぶら下がって落ちてくるのを取ったりと、まあ結婚式らしいことをした。
噴水が上がり、炎が吹き出すセットを見て「これはすごいのか、すごくないのか、よくわからないな」と友人に言うと、即座に「すごくないだろ」と言うので笑った。


My Kiasu Life in JAPAN-fountain
▲奥の黒い筒からは炎が出る。噴水はもう少し豪華なときもあった。


披露宴の会場に新郎新婦が入場してくるとき、音楽が「桃太郎電鉄」だったので笑ったけれど、それが桃太郎電鉄というゲームソフトの音楽だとわかった人は少なかったようだった。俺は当然、わかる。


「昼に飲むビールはアルコールがまわるなあ」なんて友人と話していたら、突然、ビデオカメラを持った人が来て「1人ずつ、祝福の言葉を」なんて言われる。「末永くお幸せに」なんて超つまらないコメントをしてしまった。酔ってきたのか、気の利いたコメントを考えられない。


友人代表のテーブルスピーチのときには、もうかなり酔っていたので、読み原稿を作ってきて大正解だった。福島の方々からヤジを飛ばされたが、それも面白かった。反応はよくわからなかったけれど、それなりに受けていたようでよかった。


○×クイズなど、僕の友人達はやたらと強く、ベスト4のなかに3人も入っていた。1位から3位までが商品で、4位は罰ゲームのカラオケだった。カラオケ好きな友人が4位をしっかり取って、新郎と「乾杯」を歌った。こういうところをキチッとできるのがすごいと思った。カラオケを歌った友人は、明日から仕事で韓国に行くらしい。


結婚式が終わる頃には大分暗くなっていた。式場のシャトルバスに乗って、福島駅に向かった。


福島駅にあるイタリアンレストランで2次会があった。Tどんと奥さんは本当に仲が良さそうだった。見ていて微笑ましかった。こういうぴったりのカップルっていうのも、あるんだな、と思った。
桃太郎電鉄は、今では奥さんの方がTどんよりも強いらしい。
8時30分まで飲んで、Tどんと新婦に挨拶をして別れた。2人は店の外まで出て見送ってくれた。
それから友人とも別れて、新幹線に乗って、長野まで帰った。家に着いたときには、もう日曜日になっていた。


翌日の2日酔いは大したことはなかった。今から考えると、福島や大宮で飲まなくて、本当に正解だった。思ったよりも疲れていて、日曜日はほとんど寝て過ごした。


フレデリック・フォーサイスの「アフガンの男 下」(角川書店)を読み終わった。


My Kiasu Life in JAPAN-afgan

アメリカの刑務所に囚われていた囚人になりすまして、アフガンのテロ組織に潜入した男の物語だ。潜入した男がどこに行ってしまったのか、西側諸国がわからなくなってから読むのが楽しくなってきた。ただ、ラストは残念だった。


世の中には、実際にこういう人知れず努力をし、命を捨てざるを得ない人生を生きている人がいるんだろうなあと思い、またそういう人に感謝をしたいと思った。ただ、本としては面白みが今ひとつという感じではあった。


***おまけ***


カリフォルニアのクリスのフェースブックに載っていた写真。
イングルウッドは黒人やヒスパニック系が多く、貧困層が多いことで知られている。


My Kiasu Life in JAPAN-shuttle

▲スペースシャトル・エンデバー、イングルウッドで一晩過ごした後。


もちろん、ジョークの写真なので、本気にしないように。