月曜日に、職場の若い同僚が、5階のプリンターが壊れたと言ってくる。
「本当に壊れたのか?」
「電源を再度入れても復旧しないときはコールセンターを呼べという表示が出て、再投入したけれどだめでした。」
「ふーん。どこの会社のプリンター?」
「キャノンだと思います。」
「キャノン?5階にキャノンなんてあったっけ?本当にキャノンか?思いますって何だよ。」
「いや。確かにアルファベット5文字でしたし、僕の目にはCANONというアルファベトが読めました。」
「じゃあ、間違いなくキャノンだろ。」
「99.9%の確率でそうです。」
「0.1%はなんなんだよ!」
後で確認したらリコーだった。
「あのなあ。」
「でもアルファベット5文字だったし、Cが入っていたから。」
「エプソンでも、キャノンでも、リコーでもみんなアルファベット5文字だ。なんだよ。Cが入っていたって言い訳は。」
「いや。えーと。あはは。」
「あははじゃねえよ。」
火曜日の午前中に休みをとった。母の年金に関わる様々な処理をしながら、近くにある保健所でHIVの検査をしてもらった。
それこそ99.9%の確率で陽性になることはないと思っていたけれど、昨日のこともあったし、少しは不安だった。
保健師さんはとても丁寧で親切だった。
もちろん結果は陰性だったけれど、HIV検査を受けるたびに、これまでの人生を振り返って反省をする。これからは堅実な人生を歩みたいと思う。
木山泰嗣という弁護士の書いた「小説で読む民事訴訟法」(法学書院)を読み終わった。
確かにわかりやすい。こういう本を大学時代、民事訴訟法の勉強をする前に読みたかった。
もちろん、小説形式にはなっているものの、登場人物にはっきりと個性をもたせることができているわけでもなく、ストーリーはこれ以上はないほどに凡庸だが、別に小説に主眼があるわけではないので、これで十分に完成していると思う。
確かに自分自身、実際に法廷を見たことは一度もなかったなあ、と反省をしながら読んだ。
弁論主義の3つのテーゼ。未だに記憶してるのに、不要な知識になってるよなあ。
そんなことを思って少し苦かった。
週末はまた実家に帰った。
お墓の掃除をしたり、母の携帯電話の解約をしたり、まだまだすることは多い。
春の日差しでとても暖かく、外で掃除していても凍えることはなかったが、一気に花粉症の症状が進んだ。
「桜の花が咲く頃には、きっと家に帰れるよ。」
病室で僕と姉は母にそう言っていた。
そろそろそういう季節になってきたなあ、と思った。