4年ほど前まで使っていたパソコンを売りに行った。
モニターは17インチ。
ちょうどそのくらいの大きさのモニターを実家で使うコンピューター用に欲しかったので、流用して使おうと思っていたのだけれど、富士通のそのモニターは、ピンの形状が特殊で流用ができない。
富士通のモニターのピンの形状を、通常の15ピンに変換する器具は存在するが、1万数千円かかる。
それだったら、新しいモニターを買った方がいいと誰もが思うし、僕ももちろんそう思う。


古いパソコンの売値はモニターも併せて、100円だという。
「100円だったら、手続きなんていいよ。適当に捨ててくれれば。」
「それがダメなんですよ。警察がうるさくて。それと、このパソコンの入っていた段ボールと発泡スチロール。お客さんの方で捨ててください。」
手続きにあれやこれやの手間暇をかけて、100円をもらう。


段ボールを大きなため息をつきながら台車に載せていたら、気の毒に思ったのか「いいですよ。段ボール。特別に、こちらで処分します。」と言ってくれた。


それから新しいモニターを買うために、モニター売り場に行く。
最近の新しいモニターは左右に不必要に長く、エクセルには向いているが、ワープロソフトでは、扱いづらい。
電気店で眺めていても、俺が必要としている、正方形に近いモニターはもはや売っていない。世の中は俺の意志とは無関係に動いていくものだよな、ということを感じるのは、こんなときだ。
結局、一番安い1万2千円の18.5インチのモニターを買った。僕にはこのくらいでちょうどいい。


先日、職場の女の子に、ボーナスで何を買うか聞かれたけれど、考えてみると欲しいものなんてもう、そんなにないな、と思う。
今、僕が必要としているものは、愛と時間と学力だけど、どれも売っていないし、売っていたとしても高くて手に入らない。
さびしい話だなあ、と思うけれどそれも仕方がないことだ。


土曜日には大きな会議があって、朝の通常通りの時間から仕事だった。
僕は市民会館の大きな会場でキューを出す係だった。
「はい、1分前です。30秒前です。3、2、1。始めてください。」
「はい。OKです。」
ほぼ1日、こんなことをいろんなところでしゃべっていた。
別に大した仕事じゃないけれど、ほかにもいろんな人からいろんなことを頼まれたりしたので、結構忙しかった。


思ったよりも疲れていたのか、仕事を終えて、長野から車で2時間ほどかかる実家に帰る途中、何度も睡魔に襲われ、サービスエリアで仮眠を取りながら帰った。


実家で母を見舞う。
声は元気そうだったけれど、頭が痛いと言って頭に冷えピタを貼って寝ていた。
「気の毒だなあ」と思うけれど、何もしてあげられない。
「私は大丈夫。」
そういうけれど、あまり大丈夫じゃなさそうな顔をしている。
母の健康も俺のボーナスじゃ買えないしなあ、と母を見ながら思った。