土曜日の朝から石川県の橋立というところに日帰りでカニを食べに行った。
片道300キロ近くあり、当然のことながら運転時間も片道4時間くらいかかる。
女性を2人連れていた。
俺はどうも女性が複数の旅というのが多くて、なかなか1人の女性を連れての旅ということがない。
あまり自覚はないが、悲しい旅だという人がいてもおかしくはない。
長野は晴れていたが、天気予報で北陸は雨の予報が出ていた。
天気が悪いんだろうなあ、と思いながら家を8時30分頃に出発した。
「雨、大丈夫かなあ。」
「大丈夫。私、晴れ女だから。」
先輩の女性が、まかせなさい、というように言う。
その人の旅行日程と、低気圧は全く無関係だと言いそうになるが、僕もようやく大人になってきたので、そういう大人げないことは言わない。
「じゃあ、大丈夫ですね。」
小布施のPAから高速道路に乗り、蓮台寺のPAで一休みしただけで、一気に片山津ICまで走った。
途中、パラパラと雨が散っていたが、大降りにはならなかった。
日が途中で明るく差すこともあり、そんなときには虹が見えた。
「確かに晴れ女っているのかもしれないな」と思ったりした。
車のなかで、先輩の女性が好きだという山下達郎のCDを聴いていた。
僕は今まで山下達郎の曲をまともに聴いたことがなかった。
聴いていると、たまらなく恥ずかしくなってくる。
例えば、「ラッキー・ガールに花束を」という曲は、「運命をLover 感じるよ今 君に会えたのは Desnity」なんて歌詞で、それを妙に粘り着く歌い方をされるので、とても素面では聴いていられない。
サビは「真っ白な未来へ 連れて行っておくれ」で、歌われるたびに、「(勝手に)いってらっしゃい」って言いたくなる。
以前からカニを食べに行こうと、その2人の女性とは話しをしていた。
でも、そんなに休みも取れないし、今しかないなあ、ということでカニ食べ旅行に行くことにしたのだった。
週末、母親の面倒を見ることができなくて、そのことだけは、実家の母親や姉に、申し訳がないような気がしていた。
目的地は石川県の橋立にした。カニが美味しいと聞いていからだ。
でも、なかなか予約が取れなくて、唯一予約が取れたのが山本屋というお店だった。
午後1時30分からと予約していたのだが、山本屋に到着したのが午後12時30分だった。
店の前から携帯電話で連絡をする。
「1時30分から予約していたものですが、思ったよりも早く着きそうなので、早く行ってもいいですか?」
「いいですよ。大丈夫です。」
「っていうか、もう着いちゃっているんですけど、もう行っちゃってもいいですか?」
我ながら、俺はなんてバカな発言をしているんだと思うが、仕方がない。
店の入り口からもうカニの美味しそうな匂いがしていた。
僕たちは、一番安いコースで注文をしていたので、あまり期待はしていなかったけれど、食事をする場が個室だったので、テンションがあがった。
↑山本屋の窓から見える日本海。写真が下手なので、写真で見ると実につまらない。
香箱カニ、刺身の盛り合わせ、ブリ、茹でたズワイガニ、焼いたズワイガニ、カニ雑炊などたっぷりと食べた。
茹でる大きなカニは、調理前にまだ生きている状態で見せてくれる。
橋立のタグが付いていて、口から泡を吹いていた。
↑茹で上がったカニ。「で、それで何?」「それだけ。」俺が撮ると見た人の想像力をかき立てない写真になってしまう。
僕は、おなかがいっぱいで動けなくなるほどに食べた。
個室だったので、ぐったりと横たわってみたりもした。
食べ終わって、勘定を済ませてから、一緒に行った先輩の女性が「おみやげにカニを買って帰る」というので、3軒ほど隣のお店に買いに行く。
値段がびっくりするほど高い。カニ1杯が最低でも1万5千円ほどする。
値段の高さに驚いていると、「これから時化てくるから、この1.5倍くらいにまで値段が上がる。まだ安いよ。」とお店の人は言う。
「橋立のカニってこんなに高いのかあ。」
目の前に並んでいるカニを見ながら、今日、自分たちが、食べた料理を足していく。
「俺たちの、払ったお金じゃ足りないね。」
「お店、赤字だったんじゃない?」
「そうかもね。」
そう言えば、最初に山本屋のおねえさんが「漁が不漁のときは、カニの価格も上がるんですよ。それでも、約束してしまったことですから。」と(そのときは)意味不明なことを言っていたなあ、と思い出す。
結局、先輩の女性は500円のカニせんべいを買って帰ることにしたみたいだった。
午後3時30分頃に出発し、片山津ICから高速に乗る。
安宅PAという小さなPAで一休みして、それから休みも取らずに車を走らせる。
新潟県の新井PAの辺りで、突然、車のアラームが鳴った。
なんとまさかの燃料切れだった。
ガソリン満タンでスタートしたのに、まさか1日で使い切ってしまうとは。
新井PAから一般道に降りて、ガソリンスタンドを探して、改めてガソリンを満タンにした。
そしてそれからまた高速に乗って、長野まで帰ってきた。
長野に着いたのは午後7時30分頃だった。
喫茶店で3人で軽くケーキを食べながら、話をした。
「これ、2人からのプレゼント。」
小さな包み紙を渡される。
「ここで開けていい?」
「だめ。家に帰ってから開けて。」
家に帰ってから、開けると、なかにガソリン代+αくらいのお金が入っていた。
そんなのいいのに、とは思ったけれど。
なんか、こういう心遣いができる人っていいよなあ。って思った。
土曜日の夜、別に必要もないのに、睡眠導入剤を飲んでみた。
翌朝、効きがいつまでも残っていて、延々と眠り続けるんじゃないかと思った。
不必要に飲んじゃいけないんだなってことがよくわかった。
そんなわけで、日曜日はほとんど寝て過ごした。
商法のテキストは何とか読み終わったけれど、溜まったままの洗濯物や、勉強予定だったテキストを見つめるたびに、ダメ人間になった気がした。

