金曜日は職場の送別会だった。
送別会の規模は30名ほどの小さな会だ。僕は幹事で司会をした。
餞別を渡したり、誰がどのくらいの間勤務して、どこに転勤になるか報告をする。
準備をしながら送別会のルールってのもいろいろとあるんだな、と思った。


今までいた観光や土木関係の世界は、飲み会で早めに座の雰囲気が砕けるものだが、女性が多いせいか、会そのものは落ち着いた雰囲気だった。
会場も料亭で、床や階段が磨き込まれていて、滑りそうなほどだった。
働いている人は皆、上品な着物姿で、こういう世界もあるんだなあ、と思った。


一次会で帰るつもりだった。
最後に料亭の人にあいさつをして外に出たら、「僕と飲みたい」と前から言っていた、中途採用の人が僕を待っていたので、一緒に飲みに行った。
飲み始めると、どうして俺は無意味に元気になるのだろう?
代行がつかまらなかったせいもあって、結局4時まで飲んでいた。
帰りの車のなかで本当に俺はバカだと思った。


翌朝、まだ酔いが覚めきらないうちにクリーニングに行ってスーツを出したりした。
それから2日酔いのだるさで、夕方頃までダラダラと過ごしていた。


「17歳のカルテ」のDVDを最後まで観て、演技はどの女優もすごいと思ったけれど、共感はできなかった。


My Kiasu Life in JAPAN-girls interrupted

My Kiasu Life in JAPAN-girls interrupted2

My Kiasu Life in JAPAN-girls interrupted3

それでも主人公の女の子が境界性人格障害で苦しんでいるのを見ながら、俺も昔は世間ってものになじめないって思いを持っていたよなあ、と思い出した。
高校の頃、学校に行かずに図書館に行ったり、午後の授業は全部サボったりしていたけれど、あの頃の感覚を僕はもうほとんど忘れてしまった。
反体制と言っても雰囲気だけで、ではどういう体制ならおまえは満足できるんだ?と正面から聞かれたら何も答えられなかったあの頃。
甘えていたといえばそれまでだけど、それなりにきちんと悩んでいたように思う。
あの頃の感覚を捨ててしまったことは、人生全体から見ればよかったことだろうけれど、少しさびしいような気がするのも事実だ。


僕にとって2日酔いの一番きつい症状は自己嫌悪に陥ることだ。
本当に心の底からテレビ番組が嫌いだけれど、テレビを見続けるってことはそんなに難しいことじゃない。
テレビを見ていると、時間を効率よく無駄にできる。
俺は何をやっているんだと自問する。
フィギュアスケートのキム・ヨナは毎日10時間の練習を積んでオリンピックに向かったそうだけど、おまえは30分、テキストを読むことすらしないじゃないか、とまともな自分が僕を責める。


日曜日は完全に回復していたけれど、なかなか勉強は進まなかった。


午後は3時から三菱に車を持って行って、点検とタイヤの履き替えをしてもらった。
2時間ほどかかるというので、その間、マンガ喫茶でテキストを読んで時間をつぶした。
気づいたら、うたた寝をしていた。なにやってるんだよ、俺は。


車は洗車もしてもらい、車内もきれいになっていた。
タイヤの履き替えはサービスしてくれるのだという。
「親切だなあ。」
本当にそう思ったので、そう言った。


せっかくのフリーの土日だったのに、俺はろくな過ごし方ができなかった。
大して難しくもない民法のテキストを50ページほど読んだだけだ。
キム・ヨナは1日10時間も…。


「うるせーな。」
高校時代の感覚が、少し戻ってきたような気がした。