総務省の電子申請システム広報ポスターが職場に貼られている。
「インターネットで申請できるなんて、便利だねえ。」ってポスターに使われているのが泉谷しげる。
「おまえが政府広報なんかしちゃダメだろ。反権力だろ。基本的なスタンスは。」
怒りながらポスターを見ていたら、別の課の女の子に「何を見てるんですか?」と声をかけられた。
「アイドルが広報するのは許せるけど、泉谷は許せない。」と説明をする。
「きっと考え方が変わったんですよ。」
そうその子は笑って去っていく。
確かにロックが反体制だなんて感覚がもう古いのかも知れない。
GRAYだって、表現の自由を認めない中国の首相とにっこり笑って握手をしている。
矢沢永吉だって、「あったまいいね。ソニーのブルーレイ」なんてCMやってるけど、頭がいいなんてことに価値を認めてたっけ?
頭なんて悪くていい。熱く生きろって言うのが彼のメッセージだったように思うけど。
「きっと考え方が変わったんですよ。」
そうかも知れない。俺が変わらなすぎなのかも知れない。
俺もいろいろと考え方を変えなくてはいけないのだとも思う。
近々受ける試験も、何の予定もなく、週末はほとんどベッドの上で過ごした。
ときどき、映画の脚本を作りはじめて、すぐに挫折する。
人はどこまで怠惰になれるかの実験をしているみたいだった。
本を読み、パソコンでチェスをして、あとはDVDで映画を観ていた。
上映時間200分もあり、以前から持っていたけど、いつ観るのか自分でも不思議だった「ゴッド・ファーザー パート2」をようやく観た。
それもほとんど記憶がないほど昔観ただけだ。
真に豊かな人生とは何なのか。
頂点に立つ者の孤独をこれほどまでに感じる映画もないだろう。
この映画の本当の意味を知るのには、僕はまだ何年かかかりそうな気がする。
その一方で、もっと前に観るべき映画でもあったようにも感じる。
こういう映画は、何年もかけて、人生の節目に観るべき映画のように思う。
上映時間167分のこれまた長いデ・ニーロの映画、「グッド・シェパード」も観た。
CIAの誕生から、そこで官僚として人生を捧げた男の苦悩が描かれている。
「誰も、決して信じるな。」
誰もが秘密を持たされ、人には言えない過去を持つ。
無実の者を殺し、罪のある人間に目をつぶった過去が。
全力で上手に仕事をこなした結果、彼はいったい何を得たのか。
国家とは、仕事とは、そして人生とは何なのか。
いい映画だとは思うけれど、誰もがいいという映画でもない。
人には薦めづらい映画ではある。
ソリッド・シチュエーション・スリラー(特定の状況下でのスリラー?)の傑作と言われている「SAW2」も観た。
アイデアの鮮やかさは素晴らしいが、僕にはあの映像はどうもむかつき、気分よく観ていられない(もちろん、気分よく観られるやつは少数だと思う。そのように作ってあると言われればその通り)。



