僕は「サザエさん」が嫌いだ。
小学生の頃から嫌いで、あのアニメを観て楽しかった思い出がない。
いつも納得がいかない思いになる。
特にカツオが大嫌いで、ずる賢くて責任を取らない姿を見ては腹が立つ。
「こいつ卑怯なんだよ。」
のび太のようなダメな子やハックルベリー・フィンのような悪ガキ、それから出来杉くんのような優等生たちとは友達になれそうな気がするのだが、カツオだけは苦手だ。
つい先日、仕事の延長でマンガの話しになった。
「サザエさん」が好きだという女性の上司に少し頭に来てしまい「やっぱり、女の描く男ってのは魅力がないんですよね」などとつい本音を言ってしまった。
言ってしまった直後に「まずい」と思った。
「マスオさんなんか素敵じゃない。いいわあ。」
「そうですか?マスオのヤツもどうかと思うんですよ。根性なしで。俺はどうも苦手なんですよね。」
地雷の上でついツイストを踊ってしまう悪いクセが僕にはある。
さんざん文句を言った後、あきれ顔の上司の顔を見て少し反省をして、最後は「つい、へんなこと言っちゃってごめんなさい。サザエさん。いいマンガです。僕大好きです。」と大嘘をつきながら上司の部屋を出た。
6月1日の0:00までに、100ページ以上の資料を入力して、ネット経由で提出をしなくてはならなくて、金曜日の夜はずっとパソコンに向かっていた。
週に6時間だけ、僕の仕事を手伝ってくれる人がいる。
深夜に職場に1人残って彼女の入力した分もチェックしていたら、かなりミスがあった。
多かったのは、カンマと小数点の打ち間違いで、確かに数字の意味がわからずに入力していれば、そういうこともあるだろうなあ、なんて思っていたんだけど、3桁ずれちゃうからなあ。
トホホって感じだ。
「手洗い調査」という項目が「手荒い調査」になっていたり、「償却費」が「焼却費」になっていたのには笑った。
金曜日の夜だけでは終わらなかったので、土曜日にもまた仕事に行った。
残りはわずかだったので、2時間ほどで入力を終了し、ネット経由で資料の提出をした。
なんとか間に合うことができて、ホッとして、帰りにビールを買って来て飲んで、チーズの料理なんかいっぱい作って食べていたら、それだけで2キロ近く太った。
日曜日は、東京で仕事だった。
朝、7時10分に家を出て、東京から新橋を経てゆりかもめに乗ってイベント会場へ。
一生懸命働いて、長野に帰ってきたのは午後8時過ぎだった。
本当に5月は休みがなくて、ゴールデンウィークがあったのに、結局4日しか休めなかった。
カラーコーディネーターの試験が迫っているのに、何も勉強ができていない。
仕事のせいばかりではないんだけれど、もう少し時間があったらなあって思う。
1週間かけて、DVDで映画「ミスト」を観た。
街がある日突然に霧に覆われ、知能の低い昆虫型エイリアンに襲われる、という映画だ。
随分と評価が高い映画なんだけど、俺にはさっぱりだった。
昆虫型エイリアンだって気づいた時点で、日本人だったら電気を暗くすると思うんだよ。
虫が灯りに寄ってくるなんて常識だし、空襲時に目標にならないように灯火管制をした歴史を持っている民族だからなのかな?
ところが、この映画では、「あ、昆虫型エイリアンだ」って気づいてわざわざ避難先のスーパーマーケットを明るくするんだよ。
「何やってんだよ。」
その辺りの感覚が僕にはわからない。
また、昆虫型でないタコの触手型エイリアンというのがいて、こいつは鉄製のシャッターには体当たりするけれど、窓ガラスには体当たりしないという不思議なヤツだ。
「なんでなんだろう?バカなエイリアンだなあ」って思う。
大ピンチ、という時点で「生け贄」が必要だってわめき出すおばさんがいるんだけど、それに乗っかる人が多いというのもよくわからない感覚だ。
でも、人殺しを煽っている人がいて、それに従っている人がいる場面では、反撃は、実際に殺害をしている人ではなく、煽っている人間にするべきだ、という理屈はよくわかった。
この映画のウリである「衝撃の結末」というものを僕は誤解していて、何がどうなったのか、次元をつなげるとはどういうことなのか、何を失敗したのか、その成功と失敗の全貌が明らかになることだと思っていた。
ところが、最後まで、どうして霧がかかったのか、そしてどうして霧が晴れたのか、エイリアンはやっぱりバクテリアにやられたのか、等々の説明は全くなし。
この映画は「人間の本性を描いている」なんて意見が多いけれど、観ながら「えー?なんでそうなるの?」って疑問ばかりが先走ってしまったので、僕は結局、この映画の意味論にまでたどり着くことができなかった。
僕は不合理なシーン展開を観ると、どうも思考がそこに捕らわれてしまうみたいだ。