「あなたの持っているライターが10回つづけて火がつくか賭けませんか。もし、火がついたらキャディラックをあげる。そしてもしつかなかったら、あなたの左手の小指をいただきたい。」
そんな小説があると、中学生の頃、北杜夫のエッセイで読んだことがある。

ライターを買うたび、この話をいつも思い出していた。


あなたに似た人
僕は酔っぱらうたびにライターをどこかに置き忘れてしまうので、ライターはたくさん買ったのだ。
今でこそ、タバコを吸わなくなったが(それでも1年間に1箱分くらいは吸う)、昔はかなり吸っていた。


ライターを買うたびに、10回連続で、と試してみる。
ターボライターが現れるまで、10回連続で火がついたライターは、ほとんどなかった。

ジッポは強風のなかでもつくはずなのに、僕のジッポは軽く吹いただけでも、たいてい消えてしまった(ちなみに、ジッポという名前は、ジッパー(ファスナー)を気に入っていたジッポの創始者が、ジッパーに近い名前で、ということでつけたらしい。)。


連休後半も実家に帰った。
部屋の掃除もせず、したのは今回もメダカの水槽の掃除だけだった。
それ以外の時間は眠っているか、本を読んでいた。


なんとしても、この連休中には桐原書店の「総合英語 Forest」という英文法の本を読み切るつもりだった。
飽きたときのために、漆原友紀の「蟲師(むしし、むしという字は虫を3つ、森という字のように書く。表示できないパソコンのために念のため)」(講談社)という漫画5冊と、ロアルド・ダールの「あなたに似た人」(早川書房)も用意した。


フォレスト

そして、当然のことながら(他の人はどうだか知らないが、僕にとっては必然)、英文法の本を1ページ読み進める前に、漆原友紀の「蟲師」を5巻まで一気に読んでしまった。


ムシ師1

ムシ師2

ムシ師3

ムシ師4

ムシ師5


中学生の頃、「マンガ少年」という月刊誌(だったけ?)があって、僕はよく買って読んでいた。
この雑誌には手塚治虫の「火の鳥」が連載されていた。
スケールの大きな漫画が多く、ますむらひろしの「アタゴオル物語」なども載っていた。


火の鳥


アタゴオル物語

この「アタゴオル物語」は他の漫画とは違う感じがして、いつも読むたびに不思議な世界に連れ出されるような気がしていた。
一人の作家が、これだけ何もかも現実と違う世界を描けるというのがまだ理解ができていなかったせいかもしれない。


大人になってからそんなことないなあ、と思っていたけれど、この「蟲師」で久しぶりに「アタゴオル物語」を読んだときと同じ感覚を味わった。
全然、違う世界の話なのだけど、妙なリアリティをこの漫画からは感じるのだ。
作者は、この世界に住んでいるのかな?という気がした。


それから、英文法の本を読み始めた。
途中、退屈で何度も投げ出しそうになったけれど、その度に「あなたに似た人」の短編を一つずつ読んで気晴らしをした。


ロアルド・ダールの本を探しに本屋に行くと、彼の本は児童書の欄にあることに気づく。「チョコレート工場の秘密」などは映画化もされた。
その彼が、こんなに毒のある話を書いていたなんて、少し驚きではある。


チョコレート工場の秘密
冒頭のライターの賭の話も、この「あなたに似た人」のなかの短編「南から来た男」だった。
結末を知り、長年の謎が一つ解けたような気がした。

本当につらかったけれど、「総合英語 Forest」もようやく読み終わった。

これから英検準1級の勉強を始めることにする。
試験日は6月10日。
時間がないことに焦るが、例によってなかなか勉強する気にならない。

間に合うのだろうか?