先週の日曜日は新宿にいた。


新宿通りを歩きながら、新宿通りってこんなに狭かったんだっけ?と思った。
記憶ではもっと広い道路のように感じていた。


紀伊国屋書店の一階にはファストフードのファーストキッチンが入っている。

「まだ、あるんだ」懐かしく、苦い思いがする。


17歳の頃、この店で食事をした後、ヨリオという友達と店の砂糖を撒き散らして出てきたことがある。

店を出ようとしたら、女性の店員が後ろから追いかけてきて「お客さん」と声をかけられた。
「なんだよ。」

振り返ってにらみつけた。

「これ、忘れ物です。」
笑顔の店員が差し出した忘れ物を受け取って、僕はとても気まずい思いをした。
ヨリオも苦笑いをしていた。

そのとき僕は「もう誰も得をしないバカなことはやめよう」と思ったのだった。


伊勢丹の前には救急車が止まっていた。
路上に鮮やかな赤い血溜まりができていた。
怪我人は救急車のなかにいるのかどこにも見えず、何があったのかもわからない。
考えてみたら、外で血溜まりを見るなんて初めての経験だった。
何人かの人が伊勢丹の上の方を見上げていた。
「落ちたのかな?」とも思ったけれど、どういうことかはわからなかった。


友達と会って、新宿バルト9という映画館に行った。
聞いたことのない映画館だったが、それも当たり前で今年の2月9日にオープンしたばかりだという。


そこで「幸せのちから」という映画を観た。


幸せのちから

映画のなかでウィル・スミスが上司に仕えている姿を見ると、サラリーマンという職業が人から輝きを奪うのを実感できる。

MIBやアイ、ロボットでの彼は輝いていた。

MIB

アイ、ロボット

今回の映画でも、彼が走っている姿は美しいが、上司の無理な注文を我慢して聞いている彼の姿には、哀しさを感じる。
彼のような俳優には、反抗心のある自由な役を演じてもらいたいと思う。
映画としてはまあまあだった。


夕食はケンズ・ダイニングに行って、コース料理を食べた。
ガーリックの利いたサザエの料理はとても美味しかったが、肉料理は鶏だったので大したことはなかった。


その日のうちに長野にまた戻ってきた。


畑村洋太郎の「直感でわかる数学」「続 直観でわかる数学」(どちらも岩波書店)を読み終わった。


直感でわかる数学

続直感でわかる数学
今まで、一般向けの数学の本としては、矢野健太郎のエッセイなどが面白かったが、畑村さんの本はより数学に挫折した人向きになっているのが特徴だ。


上の桁からする筆算など、画期的だと思った計算方法には目を奪われたが、実際に仕事で使ってみたら、繰り上がりのたびに式が続いてしまい、使えないことがわかった。
円の面積を出すのがπ×r×r(rは半径)でなく、0.785×D×D(Dは直径)の方が簡単だという説も、本当にそうかなあ?と疑問に感じた。


僕にとってよかった話は6÷0が無限大になってしまう理由だとか、マイナスとマイナスをかけるとなぜプラスになるのかとか、数学も法律と同様に、最初に直観で結論を出して、あとから理屈立てをするのだ、ということを知ったことだ。


「ハナから」の「ハナ」は韓国語の1の意味だとか、タイのバンコクというのは外国人の付けた名前で本当は「クルンテープ・マハーナコーン・・・(あと5行くらい続く)」という名前なのだという蛇足もまあまあ面白かった。


マイナスとマイナスをかけるとなぜプラスになるのかは、僕が今まで聞いた説明の中でもっともわかりやすく、「そうなんじゃないかなあ」と以前から漠然と思っていた答えがはっきりしてとてもよかった。
この部分だけでも読んでみる価値はあると思う。


英検2級に合格した。
面接試験は35点満点で34点だった。


次は準一級。
今、英文法の本「総合英語Forest」(桐原書店)を読んでいるけれど、退屈で退屈で。
でも、3月中にはすべて読んでしまいたいと思う。


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