コンビニでビールを買っていたら、ザ・フィーリングの「ヘリコプター」という曲が流れていた。

今年の夏、ザ・フィーリングはよく売れていた。

大衆受けするポップスで、僕は歌うやつも聴くやつもどうかしていると思っていたんだけど。


ザ・フィーリング

彼らのアルバムを実は僕も買ってしまい(どうかしてたから)、誰も評価しない(本当に!)彼らの「ストレンジ」という曲ばかり何度も聴いていた。

歌詞は底が浅いけれど、後半の駆け下りてくるキーボードの美しい音色はいつまでも心に残る。

俺に言わせてもらえば、彼らの「ソーン~君でいっぱい」や「ヘリコプター」こそ何で評価されるのかさっぱりわからない。


ストレンジ


人生を掘り下げるな。

人は君に、地に足をつけた生活をさせたがる。

もし君が舞い上がると、引きずり下ろされる。


みんな自分たちは変わっていると思っている。

だったらどうして君は恥ずかしいなんて思うの?

みんな自分たちは人と違うと思っている。

だったらどうして君は恥ずかしいなんて思うの?

僕たちは君のことが好きだ。


人は君を見たいように見る。

人は君を評価し、憎み、こづき回し、愛そうとする。

人は何でも自分たちに都合がいいようにするものだ。



本当は仕事をしなければならないのだけれど、そんな気には全くなれないので、週末は実家に帰ることにする。


実家では昼から寝転がって、ユーモアSFの傑作集だという「グラックの卵」(ハーヴェイ・ジェイコブス他、国書刊行会)を読む。


グラックの卵
SFの短編集なのだが正直いって全然面白くない。

「モーニエル・マサウェイの発見」だけは素晴らしく「ギャラハー・プラス」がまあまあだったくらいで、後はいったい何を基準に選んでいるのかさっぱりわからない。

抱腹絶倒作が勢揃いなんて広告文には書いてあるけれど、そんな作品は一つもなかった。


本を読んだ後、知り合いの人と昼神温泉にある「十字屋」という喫茶店に行き、ホットケーキを食べる。

姉が小さな頃から「十字屋のホットケーキ」が好きだったせいで、僕も何度か付き合わされたことがある。

バターを塗り、たっぷりとシロップをかけて食べる。

懐かしい味がした。


新しいスキー靴も買った。

昨年、友達からもらった高価な(7万円くらい)アトミックのスキー靴は僕には少し小さかったので、買い直すことにしたのだ。

4万円くらいでちょっと高かったけれど、いいのがあったので思い切って買ってしまった。


日曜日には長野に戻ってきた。


職場に行こうとも思ったけれど、そんなガッツはどこにもなかった。

で、明日からの僕に頑張ってもらうことにした。


秘書検定の結果がネットでわかるので調べてみる。

よかった。合格していた。

依頼していた解答も送られてきていたので、自己採点をする。

理論は9割近くできていたけれど、実技は7割前後だった、

実技でも6割を切ると落ちるので、危ないところだった。


試験中にとても悩んだ会議でペットボトルと紙コップを1人に1つずつ置くにはどうしたらよいかという問題は、結局、ふたをしたままのペットボトルの隣に、口を上に向けた空の紙コップを置いておく、という当たり前のものが正解だった。

よく考え抜いた人(天才)とど素人は同じ解答を選ぶのものだ。

中途半端な知識で中途半端に考えた奴だけが間違える典型的な問題だった。


その他マナー問題では、問題集と本番の試験とで正解肢が違うものが3問ほどあって、当然のことながら僕はそれらすべてを間違えた。

例えば問題集では、弔電を打つときに上司に、社名や肩書きを入れるかどうかなどということは、常識的なことだからわざわざ聞くな、と書いてあるのだが、本番の試験では、それは聞いていいことになっていた。

よくわかんない試験だな、と思った。


僕はこれ以上、秘書検定の試験を受けるつもりなんてさらさらないけれど、1級を受かるような人は大抵の場合、仕える上司よりも常識を知り、礼儀正しく、優秀なことが多そうな気がする。

それでも秘書は補佐役に徹しなければならない。

決断力を持ってはいけないことになっているのだ。


僕は受かる可能性もないし(面接で「べつに」「(うる)せーな」「まあね」「ふざけるな」のどれか言いそう)、受かっても補佐役に徹することができないし、で二重の意味で無理だな、と思う。


カレンダーを見たら来週の週末は12月。

またジョンの月がやってくる。

コンビニの曲も「イマジン」に替わるんだろう。

ジョンレノン