私は高校生の時、サッカー部でした。全国レベルの強豪校だったのですが、ある時新しい監督が赴任してきました。(ちなみに上からたしか6-7軍ある巨大部活で、私自身レギュラーメンバーに入れるようなレベルではありませんでしたが😅)

 

事前に有名な監督と聞いており、高校生ながらにどんなおもしろい練習が始まるのだろうと着任を楽しみにしていました。

 

しかし、新監督から命ぜられた練習は極めて地味でつまらないものでした。赴任から半年間、練習の開始30分間は必ずその地味でつまらない練習から始まりました。ボールも使わないそれをしながら、これで本当に自分たちはサッカーがうまくなるのだろうか、チームは強くなるのだろうかと疑問の気持ちで一杯でした。

 

しかし、そんなモヤモヤとは裏腹に、チームはどんどん勝てるようになりました。自分たちが強くなっていく実感がありました。

 

どんな練習だったと思いますか?

 

リフティング?パス練?走り込み?筋トレ?

 

違います。

 

 

それは、、、、

 

ストレッチ

 

でした。

 

サッカー部じゃなくてもやりそうな、その地味な練習を続けて、半年後には部員みんなの柔軟性は飛躍的に上がり、膝を伸ばしたままペタッと地面に手のひらが付く者がほとんどになりました。

 

当時ストレッチの重要性や、それによってサッカーが強くなるメカニズムはわからないままやっていました。今になって考えると、体の可動範囲が広がる、体幹バランスが良くなる、怪我が減るなど、これまた直接サッカーにつながるとは思いづらいですが、しかしスポーツマンにとってはどれも絶対的に最も大切で、その重要性を理解している人だけが一流の道を歩める、と思えるような効果があったのではないかと考えています。

 

その経験から得た学びが「基礎こそ奥義」です。基礎を大切にすることで、最高の結果につながり、常人には到達できない偉業を成し遂げるための一番の近道になると思うようになりました。

 

その経験から、当社では例えば仕事の基礎、つまり3S(整理・整頓・清潔)を徹底するようにしています。徹底とは、以下のような内容です。

 

  • 言葉の定義を決め、揃える。
    • 整理:いらないものを捨てること
    • 整頓:物の置き場所を決めて表示すること
    • 清潔:徹底的に磨くこと
  • 整理・整頓は各拠点で月に2つずつどちらかを必ず何かしらを実行する
  • 清潔は社内で掃除をする場所が各拠点ごとに細かくリストアップされており、そこを毎日1人15分掃除する


色々なお店に行った時にトイレが汚いお店や、BGMにこだわりを感じないお店、不要なものが目につくお店は、基本を大切にできていないかもと思い、それだけで自分の中のリピート率が下がることがあります。

 

基本を大切にする。人としての基本は、礼儀や挨拶と言えると思います。規則正しい生活、栄養のあるものを食べる食生活なども基本中の基本といえますね。

 

さらに仕事に例えていうと、基本を大切にすることで良い仕事ができるというロジックは、一見つながりにくいと思います。机の上をきれいしておくと、なぜスーパーエンジニアになれるのか。(もちろん絶対条件みたいな話ではありません)論理的には、その因果関係に何段階かあると思います。しかし、なぜだかきっとつながっている気がするというのもわかる方は多いと思います。こういうことに直面した時に「東洋医学的だなぁ」と思えて、今の仕事に携われていることがより楽しく感じられます。