三年前に単身上京してきた、若干20代半ばの女の子。
おっとりしていて、天然ボケな雰囲気を漂わせる笑、無邪気という言葉がとても似合う人でした。
彼女は、来る日も来る日も練習と勉強に励んでいました。
最初はなかなか伸びない彼女。それでもいつも明るく前向きに努力を続けました。
いつからか社内の仲間たちからの見え方が変わっていきました。「彼女は、教えれば言われたことを言われた通りに必ず、やる。彼女ができるようになるかどうかは、100%教え方の問題だ」と。
100%ってことないでしょ、そう思う人がほとんどだと思いますが、こと彼女に限っては、言ったら本当に必ずやる。だから、100%伝える側の責任。
当然、そんな彼女はぐんぐん成長していきました。遅くまで残って仲間と練習をする姿も何度も見ました。
勉強会手当という、外部の勉強会への参加費を会社が負担するという制度は、社内で1-2を争う勢いで活用していました。毎回よく学んでることが伝わるレポートを全社に共有してくれました。
お客様にも彼女のファンがどんどん増え、予約がほとんど取れなくなっていきました。
ある時、スタッフルームで泣いている彼女に、どうした?と聞いたら、お客様のつらいお話を聞いていたら気持ちが伝わってきて自分も大泣きしてしまったとのこと。
社内の表彰式でも、オープニングの動画が流れただけで、もう彼女だけが泣いている、毎回そんな感じだったので、お客様の件も不思議ではありませんでした笑
彼女の実力を示す事実として、彼女の施術を受けて鍼灸師の道に入ったお客様の数は5人もいます。ちなみに、鍼灸師になるには、学校に3年間通って国家試験受けて、合計300-400万円くらいかかります。
時に僕が間違えた経営判断をしても、正面から否定するわけではなく、でも自然と気づきを与えるように、私はこう思います、といって笑顔でまた施術に入っていくのでした。
自然と管理職の立場に就き、当然部下からも慕われる、上下関係を感じさせないような上司になりました。
そんな彼女から、結婚するために地元に帰らなければいけないという話しが上がってきました。
上司が、カリスタには君が必要だから申し訳ないが、時期だけ相談に乗ってくれないかと話しをしたら、「私をそこまで必要としてくれるなら、延ばします」と即答で会社側の要望を受け入れてくれました。
そして、退職の時期が刻一刻と近づいてくるにつれ、彼女は寂しいと涙を流すようになりました。私たちも胸が一杯になることが増えました。
広島での就職先は見つかったの?と聞くと、お友達に聞いたり、自分でも探して見学行ったりしてますとのこと。
でもやっぱりカリスタがいい、そう言ってくれました。
私は、これまであまり感じたことのない、心の揺れのようなものを感じました。
広島かぁ。
はっきり言って、、、何もわからない。。
でも、もし彼女のためになるならと、もはや後先あまり考えずに、広島店の出店を検討するよと伝えたら、彼女は驚きつつも、ちゃんと考えたいので時間をくださいとの返事。
彼女が望まないなら、無理してやる必要もないし、ゆっくり考えていいよと伝えました。
両親も交えて話し合いたいと言われ、ご両親も上京。もしカリスタとしてやるなら、会社としてはこんなあんなサポートができる、でも、本人がやりたいかどうかを一番大切にしたいとお伝えしました。
彼女は、またさらに深く悩みました。
そして、1か月くらい経った後、「前田さん、お話があります」と連絡。
世の社長が一番ドキドキする、あの決まり文句、必殺お話があります、が来た。
「やっぱり広島でカリスタをやりたいです」
本当に嬉しかった。ものすごい嬉しかった。
しつこいですが、彼女とこれからも一緒にやっていけることが心から嬉しかったです。
彼女から、
「3ヶ月に一度東京に来て全社会議に参加したい、
みんなに会いたい、それはできますか?」
と言われ、もちろんと答えました。
すぐにプロジェクトチームを組みました。WEB、備品、ネット回線、電話回線、決済、銀行口座などなど。
声をかけたみんなが、快く動き出してくれて、広島店が一気に現実化していきました。
そして、先週広島に出張へ。
広島の新卒内定者の子も一緒に合流して物件を見て回りました。
結果、繁華街の紙屋町からほど近い、高級感あふれる物件が見つかりました。
あと1ヶ月で彼女が広島に帰ることを考えると、また胸があつくなります。
なんだろう、どちらかというと、これまでの彼女への感謝の想いですかね。
でも、多少距離はあっても、同志としてこれからも一緒にやっていけることを心からうれしく思います。
そんな彼女が店長の「カリスタ広島店」が12月にオープンします。
https://www.cali.jp/hiroshima/
皆さま、カリスタ広島店をどうかあたたかく見守ってください。
よろしくお願いします。