監督・脚本 西川 美和
音楽 モアリズム
出演 松 たか子
阿部 サダヲ
田中 麗奈
鈴木 砂羽
安藤 玉恵
木村 多江
猫背 椿
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松たか子、阿部サダヲという意表を突く組み合わせ、
婦唱夫随で結婚詐欺という意表を突く設定。
 
脚本は、その経緯を観客に納得させるべく、工夫はしています。
 
松たか子扮する里子と、阿部サダヲ扮する貫也君夫婦。
小さいながらも飲み屋を営み、それなりに繁盛させて、
ようやく5周年を迎えたその日、
ふとした不注意で店は丸焼けになってしまいます。
10年間の苦労が水の泡。
 
それでも、生きて行かなくてはならないわけで、
再起を期すふたりが、結婚詐欺を思いつくきっかけは……
 
鈴木砂羽扮するキャリアウーマン。
上司と不倫していますが、彼女なりに大人の恋という自負はあったのかも。
ところが上司が事故で意識不明の重体になり、
病院に駆け付けた彼女は、
家族の壁に阻まれて、彼との面会も許されず、
挙句、彼の弟という人物から手切れ金を渡されます。
 
みじめですよね。
思いっきりみじめな彼女と、
健気に働く里子を前に、再就職もままならず、思いっきりみじめな貫也君が、
最終電車が出てしまった後の駅のホームで偶々出会います。
 
偶々出会ったふたりが、偶々の勢いで一夜を過ごし、
偶々の思い付きで、手切れ金が彼女から貫也君の手に。
 
大金を手に、里子の元に駆けつける貫也君、
里子には、偶々出会った昔馴染みが用立ててくれたと説明するのですが、
そんな嘘は簡単に見破られ、
この時の松たか子の怖~い顔といったら(;一_一)
しかし、ここで里子、女から金を騙し取る、という奥の手を思いつくのです。
 
貫也君は、決して完璧な男性である必要はない。
むしろ、自分の弱点をあからさまにさらけ出すだけでいい、
女の人生にちょっと彩りを添えてあげて、
その報酬としてお金をいただく。
 
という里子の結婚詐欺哲学は見事。
 
かくて、妻のリードで結婚詐欺は順調にはかどり、
窓からスカイツリーが見え、白木の一枚板のカウンターのある割烹、
という夫婦の夢のお店の開店資金は着々と溜まっていくのですが……。
 
猫背椿扮する、ウェイトリフティングでオリンピックを目指す女性、
木村多江扮する、ハローワークに勤める子持ちの女性、
と付き合うあたりから貫也君、嘘と真実の境目があいまいになり、
里子との間にも軋みが生じ。
 
この物語、どこに着地するんだろ?
物語にのめり込むよりも、途中から、それが気になり始めたのですが、
ごく良識的と言っていい結末に、いささか不満。
 
意表を突くコンビの意表を突く設定で始まったのだから、
もっとぶっ飛んだ結末があっても良いんじゃないの???
 
観客の総合評価が3・65点と低めなのも、その辺りに原因があるかも。