立花容疑者が逮捕されましたね。
なんか最近、何をやりたいんだろう?と思って見ていたんですが・・・。
何が問題だったのか?
「真実相当性」とは?
立花さんは、問題発言した発言をしたこと自体は認め、自分の発言が(結果的に)嘘だったことを認めています。ただ、本人が主張するのは「真実相当性」。
「真実相当性」は昨年「文●」さんとMさんが報道内容をめぐって争ったニュースで、テレビが多用していましたが、「発言をした内容が真実と足る、相当な理由があったこと」を指します。
「真実相当性」が認められるステップとしては、次の手順があるそうです。
①発言内容の「真実性」
まず大前提として、発言内容が正しいことを証明します。内容が正しいと認められれば、誹謗中傷でもない限り問題になりません。
今回は「間違えていた」と認めているので、この段階は証明できなかったことになります。
②「真実相当性」の証明
①が証明できなかった時に、「発言時点では、内容が真実だと信じるに足りるだけしっかり調査した」ことを証明することになります。具体的には・・・
1)調査・取材の相当性・・・情報源が信頼できるか、反証の実施、反論機会の提供、憶測の排除など
2)表現方法の相当性・・・断定的表現をしない、過度にあおる表現
3)手続きの相当性・・・反論内容の紹介、過ちだったら速やかに認める
今回「真実相当性」はあったのか?
これは様々な意見があるのが承知のうえで、私見を述べさせてもらいます。
1) 情報源は通常、一般には公にしないのでここについては触れないでおきます。ただ、「反論機会の提供について」は「いや、訴えてくればいいじゃない」というスタンスだったため、これが反論の機会の提供」になるのかは謎です。さらに選挙活動期間前後にあっても相手を委縮させる状態にあり、「反論の機会を与えなかった」ことにはならないでしょうか。
2)確かに、彼の発言内容は「~だと聞いている」など、言葉のうえでは断定的な表現をしています。ただし、自宅に押し掛けての選挙活動など、過度にあおっているように思えますし、言葉のうえではOKだったとしても行動が断定的であったように思います。
3)これは素直に認めていますね。
資料が少ないので情報源や取材の相当性があったどうかに言及するのは違うと思いますが、(素人考えですが)表現方法が適切だったのか、というところには謎が残ります(私は、あれだけの行動はセ適切だったと思います)。
立花さんの政治手法
この部分はネット記事の完全な受け売りですが・・・。
ターゲットを絞り、徹底的に叩く
恐らく初期の「NHK」への姿勢からそうだったように思いますが、「ターゲットを決め、徹底的に相手を叩く」手法が特徴にあげられるそうです。そういわれてみると、訴訟だのとなんだのと割かし物騒なことが多いですよね、彼(主観ですが)。
SNS戦略
まあ、これは言うまでもないでしょう。彼の発信は多くの「信者」によって切り抜かれ拡散していき、発信力を得ています。
「法的には問題ない」スタンス
選挙ポスター、2馬力選挙など、「法律上は問題ないから」ということでさまざまな物議を醸していますね。
立花さんの原点と双極性障害
彼の政治の原点とは?
彼について興味を持ったとき、本人の発信動画を何本か見ました。そのうちの一本で、政治家活動の原点を語ったものがありました、それによると・・・。
①彼は元NHKの局員。
②不正を内部告発したことにある。
③あるときから、NHKは民放と何ら変わらない放送局になってしまったと嘆く
④マスコミの裏事情(ある民間企業の支配下にある、らしい)を暴露。
どうやら、NHKに代表される既存の「マスコミ」(=オールドメディア)に対する強い憤り、だから象徴的に「NHKをぶっ壊す」なわけで、単に受信料云々の論点以上に、メディア全体に対する不信感から、そこへの不信が原点だったんですね。
立花氏は双極性障害
いっぽう、立花氏は自ら双極性障害であることを公表しています(だからこのブログで取り上げているんですが)。
確かに、過激な言動などを見ているとそういうところもあるのかなぁと思って見るところもあります。
もちろん、それが行動に対する免罪符になってはいけないわけですが。
SNSで彼が可哀想に感じること
彼の発言を探す際、はっきり言って邪魔だと思うのが、彼の信者による「切り抜き動画」の存在です。立花さんの発言の一部を切り取って「立花さんはこう言っています」動画の数々で、本人の直接の発信になかなかたどり着けないんですね。
そして、やっぱりなと思ったのは文脈上は言っていないことを「立花さんはこう言っています」と発信している動画が散見されました(具体例は忘れた)。もちろん、彼らのほうが付き合いが深いので僕の解釈が違うように思いますが。
まとめ
名誉棄損罪の成立について
いちばんの注目点である「今回の件は名誉棄損罪に当たるのか」については、僕は「成立してほしい」と思っています。「情報源や調査が適正だったか」どうかもそうですが、「表現の相当性」において行き過ぎがあるのではないか、と思うからです。
今回の問題の本質は、ここにあるのではないでしょうか?
どこまで彼が意図していたものかは知りませんが、それで選挙結果が変わったことはさておき、誤った情報から行き過ぎた威圧的な選挙活動で相手に恐怖感を与え、ひいてはひとりの人間を死に追い詰めたことは事実です。仮にそれが真実だったとしても、あの選挙活動は正しいものだったのか。
そしてその背景には一人のインフルエンサーの発信が、その信者の「切り抜き」の拡散で一気に過熱する可能性がある(別に拡散や過熱そのものが悪いわけではないですが)。その点、強い発信力のある人間に、その点を立ち止まって考えうようにする法的根拠として、今回の事例が影響を与えてほしい、と思います。
双極性障害がもたらす言動
もうひとつ立花氏の行動として、「自分と同じ行動の欲求」であり、「自分の価値観の強要」がみられることが悪く影響したんだと思います。政治家は政治をおこなうことが本質であって、意見の異なる相手とどう対峙するか、などは多様な考え方があってしかるべきものです。それを、「訴えればいい、おれはその覚悟でやっている」という「自分がこうだからお前もそうしろ」というのは(自分も陥りがちですが)やはり病的なものなのかな、と思います。
誰か周囲にブレーキをかける人がいればよかったのですが、「信者」が火に油を注ぎその極端な言動が是とされる雰囲気を作り上げられてしまったのが、不幸の始まりだったののかもしれません。
今回の件で学ぶべきこと
今回の件で学ぶべきこととして、以下の点があげられrます。
①SNSでの発信力が強ければ強いほど、自分の発信が意図せず増幅され、思いもよらない行動や結果を生んでしまうことに注意する必要があること(正しいと信じって言っていることでも、その表現方法を誤ったものに導く可能性)
②双極性障害の特性として「自分のスタンスは正しく、相手もそのスタンスをとるべき」という考え方に陥りやすいため、自分でもその考えに陥ってないか立ち止まって考えるとともに、支えている人間もブレーキーをかけてあげる。
③支持している人の言動であればあるほど、それを切り抜いて発信する際、「それは発信者の意図が正しく伝わるか」に留意すること
私も発信力は小さいですが、気にかけていきたいところだと思っています。