M1:職場のメンタルヘルスケアってどういう実態? | ゴリィ【オルゴールアーティスト・カラーセラピスト・防災士】

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総合エンタメ発信サイト「ゴリィの轟RADIO」の主宰をする「ポンコツ人間」ゴリィのブログです。思ったことを色々とつづっていきます。

今日から、「メンタルヘルス・マネジメント」の学習内容と、僕の精神崩壊に至るまでのことを照らし合わせ、書き留めていきます。

 

 

僕の精神が本格的におかしくなりだしたころ、所属していた会社にはパートさんだけでも1200人ほど、全体でも1600人ほどの大所帯でした。正社員は100人くらい。これで大きなグループ会社のひとつ。女性が9割以上を占める会社でした。

 

 

2007年の国の調査によると、「仕事に悩み・ストレスがある人」は約58%、2012年は約61%と、多少の誤差はあれ少しずつ増えている状況です。

 

そして、2012年の国の調査ですが、ストレスの内容は、①職場の人間関係、②仕事の質、③仕事の量、④会社の将来性、⑤仕事への適性、の順で職場への不安やストレスが多いそうです(女性だけは④と⑤が逆)。

 

 

ここで僕の話。2005年までほぼノーストレスでした。ボーナスが貯金になり(クソ安かったがw)、借金もなく、信頼できる上司と仲間に囲まれ、当たり前の会社員生活でした(残業も当たり前、でも全然苦ではなかった)。ただ、先輩が「給料の安さ」と「会社の将来性」に自信がなくなり転職していく、というのは毎年のようにありました。

 

転機は2006年。会社の「派閥争い」のようなことが始まりました。まず、信頼していた上司がそのために外れ、次に親会社に同じ役割の部署が2つでき、正反対のことを言われ、新しくできた方からは高圧的に叩かれました(僕が何かやったわけではない)。

 

ここで、2つの問題が起こりました。ひとつは上司が外れたことによる「②仕事の質」「③仕事の量」、そして露骨な派閥争いによる「①職場の人間関係」「④会社の将来性」。特に③はひどく、露骨な派閥争いが始まったあたりからの月の労働時間は240時間(残業80時間)を超え続け、8月頃には残業が120時間に達しました。

 

結果、「虚血性心不全」で救急車で搬送され、岩手から親が呼ばれる、という状況に陥りました。

 

 

再び統計の話。

 

誰かが心の病を起こすと、その人の作業効率は落ち、その分は周囲の負担になるので、生産性が落ちるだけでなく、職場の雰囲気も悪くなります。

 

2011年に厚生労働省は「地域医療の基本方針となる医療計画に盛り込む疾病」として、次の5つを上げています。これが、「五大疾病」とする方針を打ち出しています。

①がん

②脳卒中

③急性心筋梗塞

④糖尿病

⑤精神疾患

 

 

さて、③「急性心筋梗塞」(=心臓疾患)と④「糖尿病」(とんでもない異常値)で2か月入院中も、会社に呼び出されて穴が開かないようやっていましたが、正式に退院してからは職場の雰囲気がガラリと変わっていました。陰湿ないじめで2人うつ病になり休職、そしてそれに責任を感じた僕も双極性障害。役員が介入する事態になり、いじめをおこなった社員は異動、この状況を放置していた上司も異動(異動を拒否して退職)。

 

なんにせよ、職場の人間関係と、会社の派閥争いという理由で僕は③④⑤(④は以前からあったかもしれない)、他2名の社員が⑤を患うという悪循環になってしまったのです。

 

職場環境の悪化を悪化を放置していると、悪いことしか起きません。

 

 

 

2013年の調査によると、メンタルヘルス不調で1ヶ月以上の休職をした人がいる会社は10%ですが、1000人以上の企業となると90%が該当しています。

 

自殺者数に目を向けると、1998年(大手金融機関の破綻が相次いだ年)から2011年まで毎年30,000以上、2012年からは減少していますが、2019年の時点で19,000人亡くなっています。東日本大震災の死者、行方不明者に匹敵するレベルです。

 

 

2009年に「管理部門は原則親会社に吸収」ということで、所属が親会社に変わりました。再び信頼できる上司と仲間と一緒に気持ちよく仕事させてもらいました。

 

変わってしまったのは「東日本大震災」。経験したことのないようなことに僕に限らず全員が手探りで目の前の問題を解決して言っていくような時期。「仕事の量」「仕事の質」とともに相当なストレス。そして、元々いた部署の対応の丸投げっぷりにウチの上司がブチ切れて(僕を守ってくれたんですが・・・)

 

で、精神崩壊が始まりました。2ヶ月休職もしました。その間、補充要員もいなかったのでやっぱり会社の雰囲気は悪いままで、でも、みんな本当はいい人たちばっかりだったので、僕のことを気遣ってもらいながら全員でカバーしてもらいましたが、それ以上に僕の精神状態が悪化していきました。

 

そんな中、上司が手を打ってくれました。「防災担当」です。上司が一人でやっていたのを、一緒にやるという。メインの業務としては他のメンバーと切り離されるので、周囲の影響は少なくて済みます。

 

それでも精神の崩壊は止まらず、ついに「自殺未遂」をするに至りました。その後、会社に行けなくなり、1年間の休職をし、復帰できず退職。

 

「1ヶ月以上休職した人」に2回該当し、しかも危うく2万何人かのひとりになるところでした。

 

 

2006年に「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の中には、「セルフケア」が含まれていました。

 

2007年にメンタルヘルスに取り組んでいる企業は全体で33.6%で、2012年には47.2%、2013年には一気に60.7%に増えています。1000人以上の大企業では約98%が実施しています。

 

取り組みの内容は多い順に次の通りです。

①労働者への教育研修・情報提供

②事業所内での相談対応の体制整備

③健康診断後の保健指導でのメンタルヘルスケアの実施

④ストレス状況などを調査票で調査

⑤職場環境の評価と改善

 

 

正直、「セルフケア」はできてませんでしたね。初めて「SOS」信号を出したのが「救急車」と「自殺未遂」。もう段階を通り越していたんですよね(笑)。セルフケアを学んだのはだいぶ後、2016年のカウンセリングです。この教訓は今でも思い出してます。

 

で、自分のケアはできていない割に、2007年に研修担当を引き継いだ際には「勝手に(笑)」メンタルヘルスの話を入れました。自分がなったこと、あと、メンタルヘルス問題で異動してきた社員が結構多かったという事情もあります。

 

で、2011年以降の話ですが、うちの会社には「産業医」がいて、メンタルヘルスの相談できる環境がありました(僕は「精神科」に通院してたので利用はしませんでした)。そして僕を「防災担当」にしたのは、上司による「職場環境の評価と改善」に他なりません。

 

 

自分が経験したことをたどっていくと、「ああ、なるほどな」とよく身に染みます。辛いことを思いだすことにもなりますが、「資格」を取る前に皆さんにメンタルヘルスの重要性を伝える、それ以上に自分の頭と心に身に着けるのにはこの方法だな、と「判断」しました。

 

 

今回の話のターニングポイントは「2009年」。そこまで在籍していた子会社を「A」、親会社を「B」とすると「僕」という存在を抜いて客観的に言うとこうなります。

 

Aでは「部下のケア」に無関心すぎた結果、職場崩壊が起きた。

Bでは「部下のケア」はおこなわれていたが、「セルフケア」の考え方が不足していた(ああ、「僕」がはいっちゃうな)

 

「ブラック企業」という言葉が当たり前の時代になりました。何をもって「ブラック」と定義するかは僕は分かりません。以前、親友と話していましたが「徹夜で泊って仕事でも、苦じゃなかった」という時代に僕は働いてましたから(「徹夜」はスケジュールを考えて自分で決めていたので)。

 

 

結局、どんな時代になっても「ストレス」は存在します。それに手を打ってくれる会社も増えました。だからこそ「セルフケア」は大事。

 

僕の「二の鉄」は踏まないでくださいね。

 

 

轟コンサル