日曜日最後の授業は海外分校について。終了後、バスでウェルーズの女性の隣に座って、相変わらずテンパるも、UAE出身のクラスメイトが翌日帰国ということで、有名なパイの店にクラスメイトの皆と行くということで、誘われる。いつもの俺なら日よるところだが、一週間ゴミクズみたいな英語でも喋り続けて自信がついたのか、便乗して参加。あまり喋る機会がなかった女性のクラスメイトと話すことができ、アイルランドの素敵女子から「あなたの英語上手よ」と言われて有頂天になる。
○高等教育と国際化15
・海外分校:原動力、機会と挑戦
・講師:Dave McHardy
・事前購読課題:
1)The Challenges of Leading an International Branch Campus: The "Lived Experience" of In-Country Senior Managers, Healey, M, Wilkins, Stephen, Journal of studies in international education 20 (1) 2016 61-78
2)International Branch Campus (IBC) Senior Managers’ “Lived Experiences”: Comparing Nigel Healey’s Research Findings to My Own Experiences, McHardy, D, November 2020
・概要と議論:
(1)海外分校とは何か
1)文脈:高等教育機関の地球規模化、国際化、越境化、海外分校
2)定義
①親大学と違い海外に設置されていること
・親大学が運営の成功のために投資していること
・親大学の名前で運営されており、このことから質保証が要求されていること
・親大学と同等の学術プログラムと成績証明が提供されており、親大学がこれを管理していること
②ホームとホスト
・ホーム:親大学が設置されている国 ホスト:海外分校が設置されている国
3)海外分校の歴史
・フランチャイズ(営業許可)の概念は1800年代まで遡る
・近代的な概念は1920年に英国のファッションスクールがパリに邂逅
・1990年代までは40校の開設にとどまる
・2000年代には300校の開設に達する:ゴールドラッシュ
資料: Garrett et al, International Branch Campuses: Trends and Developments, 2016. OBHE/C-BERT
4)海外分校の潮流
①設置形態
・先進国が先進国に開設:47%
・先進国が開発途上国に開設:33%
②設置国
・ホーム国トップ5:米国、英国、フランス、ロシア、オーストラリア
・ホスト国トップ5:中国、UAE、シンガポール、マレーシア、カタール
③コロナ禍が開設を後押し
・アフリカ(5.6%)、南米(1.3%)、インド(2校)における開設の促進も期待される

(2)ホーム・親大学と海外分校
1)推進力と期待される機会
①国際戦略(相乗効果・派生)
②親大学の留学生受け入れが「飽和」した際の新たな受入先としての利点
③収入源または収入の多様化
④地球規模でのブランドの認知と評価の向上
⑤既存の国際関係の自然な拡張(海外分校が内なる擁護者になる)
⑥親大学と海外分校間の相互交流が学生に魅力的な柔軟性と成功に向けた大きな機会を提示
⑦国際的な移動が制限した際にも安定した学生数の確保に寄与
⑧より安価な現地/地域の高等教育機関の代替としての国際高等教育の提供
⑨成長している国・地域の市場にアクセスするとともに学生に多様な学習の機会を提供(例:親大学、海外分校、オンライン、オンラインまたは分校の学習から親大学のキャンパスへ)
⑩国際共同研究の促進により、研究の可能性を拡大し国際評価とランキングの向上に繋げる
2)抑止力
①海外分校に関する知識・経験の不足
②リスク分析及び/又は嫌悪感(「失敗すれば評判が落ちる」)「他の機会の方がより大きなリターンとより小さなリスク」)。
③経済的便益が十分でない、またはビジネスモデルや計画が不明確である。
(公的高等教育機関が「公的資金を使ったギャンブル」と見なされることはありえない。
④ミッションおよび/または戦略計画と相容れない (例: ハーバード大学
⑤内部で支持されていない(支持者がいない、または教授陣などのステークホルダーが反対している)
⑥受入国に対する懸念(例:政府の干渉や過剰規制、学問の自由や個人の安全に対する脅 威、女性差別的・全体主義的な政権の支持など)、受入国パートナーの信頼性
⑦過去の否定的な経験(自己または他の海外分校の事例)
3)事例:インド
①インドが海外分校への門戸を開くが、実際に開設されるのか
②欧米の大学が躊躇している
③インドでのキャンパス開設に意欲的な海外大学8校
④リスクとコスト:「高すぎる」
(2)海外分校と親大学とその母国
1)推進力と期待される機会
①経済発展のカギを握る高等教育機関:経済発展・多様化、競争力、技術革新、失業率の低下、労働力の国有化など
②質の高い、世界レベルの教育(教育(カリキュラムと教育設計)、技術移転、研究)へ の即時アクセス、海外からの投資。
③「国家高等教育ハブ」または「地域高等教育ハブ」戦略への貢献
④多国籍企業にとって魅力的な卒業生(国内と海外の融合)
⑤国内外からの評価向上(投資先、開業地、居住地、就労地などとして
⑥教育の質、競争力、認知度の向上
⑦奨学金投資に対するリターンを高め、"頭脳流出 "を減少させる。
⑧高等教育への直接投資を削減し、提供者から規制機関へと役割を転換する
⑨人口動態の圧力に対応し、住民高等教育へのニーズに応える。
⑩文化・行動への望ましい影響(例:労働意欲の向上、汚職の減少、技術革新と起業家精神の向上など)
2)抑止力
①好ましくない文化的影響(例:個人主義、リベラリズム)
②植民地支配の過去の永続化(外国の政治的影響力と経済的依存)
③分校が地元の学生、雇用者、地域社会のニーズに効果的に対応できていない
④収益を海外に流出させたくないというナショナリズム:国内機関の発展・強化に投資すべき
(4)学生はなぜ海外分校を選ぶのか
1)押し出す要因1(母国の大学から遠ざかる要因)
①国立大学の評判とそのリソースが悪い
②国立大学の入学基準を満たすことができない。
③特定のプログラム・専攻がない
④教育・資格の国際的認知の欠如
⑤家族・友人からの勧め
2)惹きつけられる要因(海外の大学への指向性の要因)
①機関のイメージ:「世界最高水準」の教育、ブランド
②教育品質と資格の国際的認知
③雇用市場における資格の価値
④希望するプログラム/専攻の入学可能性
⑤個人的・職業的地位に対するプラス効果
⑥友人・家族の過去の体験がよかった
3)押し出す要因2(海外大学の親大学から遠ざかる要因)
①家庭や仕事の都合/義務
②当該国で留学するためのビザを取得することが困難
③当該国での就学が困難である。
④当該国の文化に対する不快感
⑤当該国で「歓迎されない」または「安全でない」と感じることへの懸念(少数派となること)
⑥支えてくれる家族/友人との距離
4)惹きつけられる要因(海外大学の分校への指向性の要因)
①国内の奨学金の受給資格があるが、海外留学のための奨学金の受給資格はない。
②分校設置国でのビザ取得が容易であること(必要な場合のみ)
③海外分校と受入国における相対的な経済的余裕
④受入国の文化に対する親しみやすさと快適さ
⑤受入国での「歓迎」と「安全」(目に見える少数民族の一員ではない)
⑥サポートする家族・友人との距離が近いこと、分校で勉強している友人もいる
⑦海外分校のステータスは、プログラムの品質と教育経験を保証するものであること
⑧国際的であるとともに自国でもあるという両方の利点
(5)ケーススタディ:カナダ・アルゴンキンカレッジ・クウェート分校
1)海外分校の現地適用
①クウェートの高校生のカナダ大学海外分校への入学
②カナダ大学海外分校卒業生のクウェートへの就職
2)ステークホルダーとの関係
①同一化の採用 (adoptation)
・親大学、母国の監督機関、産学連携
②同等性への適用 (adaptation)
・海外分校の役員会、受入国の雇用者
③上記の中間的要素
・海外分校の教職員、学生、卒業生そしてその家族
・受入国の監督機関
2)質保証
①同一化: 比較的容易に評価できる
②同等性: 評価はより困難
③本国教育機関の質保証システムは、採用されたカリキュラムの現地適用を可能にするとともに、利害関係者に海外分校のプログラムが母国の品質基準を守っていることを関係者に保証できるほど強固なものであるか
3)海外分校を管理する上での課題:Nigel Healeyの研究成果と個人的体験及び観察から
①海外分校のシニア・マネジャーの課題
・非常に異なる文化(国や組織の両方)、市場、雇用環境のギャップを埋めること。
・異なる規制、利害関係者の優先順位と利益及び品質に関する尺度のギャップを埋めること
・現地の学生のニーズや関心・能力、現地の要求に合わせてカリキュラムを自由に変更できる現地の高等教育機関と競合
・不適切または不正確な市場調査に基づいて行われた意思決定の克服
・パートナーを含む利害関係者による過大な成果への期待
・国際化されていないカリキュラムの「品質保証」に対する期待
・規制や優先順位の変化
・母国の意思決定者と同僚の理解、思いやり、共感の不足
・IBCの運営は非常に困難であるばかりでなく、一般に経験豊富なアカデミック・マネジャーでとっても、自分自身の持つ領域をはるかに超えています。
4)海外分校の研究事例
①マネジメントの特徴、ビジネスモデルなど
②教員の特徴、教育戦略など
③IBC 学生募集、成功戦略など
④質保証
⑤人間関係・福利厚生
⑥倫理、政治、植民地主義
⑦組織文化、学生生活、その他
⑧リスク、成功・失敗の理由、その他
5)開設までのスケジュール
2000:クウェート政府が、同国における私立高等教育(HE)を合法化する法律を制定。
2001:高等教育省の下に私立大学審議会が設立され、私立高等教育の規制、教育機関の認可・認定、国内の奨学金制度の運営を行う。
2002:クウェートで初の私立高等教育機関(湾岸科学技術大学)が開校。
2004:アルゴンキンカレッジクウェート校の将来のオーナーは、クウェートに私立の高等教育機関を開設することに同意する。
①4年制大学または2年制大学内2年制カレッジを選択。
②独立機関、提携機関、海外分校のうち海外分校を選択
③海外の教育パートナーとしてカナダを選択する。
2005:オリエント・エデュケーション・サービス・カンパニー(OES)が新校舎の持株会社として設立される。
①OESの代表者がカナダに渡航し、提携校を探す。
②大使館から地元のカレッジ(アルゴンキン)を紹介される。
③アルゴンキン・カレッジ(AC)がOESのパートナーになることに同意。
④OESはパートナー探しを中止し、ACを海外パートナーとして選定。
※ACに関する重要な留意点
①カナダの高等教育は州ごとに規制されており、連邦政府の基準はない。
②1967年の設立当時、アルゴンキン・カレッジ(AC)は地域のコミュニティ・カレッジ、学士号や大学編入プログラムを提供することは想定されていなかった
③オンタリオ州では、カレッジのディプロマ取得者が学位プログラムの 3 年次に直接入学することはまれであり、これは義務化されていない。
④アルバータ州および BC 州の高等教育制度:カレッジは職業準備教育機関として機能し、4 年制学士の最初の 2 年間を提供する。
⑤ブリティッシュ・コロンビア州、アルバータ州のカレッジ卒業生は、学位プログラムの3年目に直接入学するのが一般的であり、州政府はこれを積極的に奨励・促進。
⑥アルバータ州および ブリティッシュ・コロンビア 州のいくつかの教育機関は、2 年制大学からポリテクニックに展開しており、学位の取得のために2+2年のプログラムを提供している。
2006:OESがクウェートの調査会社に依頼し、市場調査を実施。結果、高等教育機関のビジネス&テクノロジープログラムに対する国民の関心が示される。OESとACの共同申請書をPUCに提出。
2007:ディプロマ・プログラムの国内市場は限られていることが判明したため、オーストラリア・クウェート・カレッジ(ACK)がPUCに申請し、応用学士課程への認可拡大に成功し、クウェート初の「2+2」ポリテクニックを設立。クウェート初の「2+2」ポリテクニックとしてACKは、海外分校ではなく提携機関として、ブランドを変更することなく、提携契約を変更・拡大。この移行は、非常にスムーズに進み、ACKの入学者数は2年以内に倍増。
2008:アル・ナシーム(アル・ジャフラ)の土地が提供される
2010:アミリ政令第419号により、ACの海外分校として正式に設立され、ビジネスとテクノロジーのディプロマプログラムの提供を許可される。
2012:PUCが新しい政策を可決し、新規に申請する私立HEIはすべて「トップ200大学」のIBCであること、私立の高等教育機関はすべて専用の施設(賃貸施設ではなく)で運営しなければならないことが定められる。
2013:3期のACクウェートキャンパス建設開始
2015:第1期工事完了(学生収容人数:~2000人):ACクウェート校が正式に開校し、入学前準備を開始、80名の学生が在籍
2016年 -第1期学位プログラム開始、29名が在籍
学生募集と入学手続担当職員:「入学希望者は主に学位プログラム、特に工学の学位プログラムに関心を持っている。」
2017年:ACクウェートがACと「2+2 Polytechnic」になる可能性を模索するが、ACが提供する学位は1つだけと非常に少なく、ビジネス分野で1つのみ、IT分野では1つもない。ACの学位はどれも「2+2」モデルで構築されていない。PUC認可のACクウェートの取得学位からACの学位プログラムへの接続はない。ACは、ACクウェートが学位を授与するパートナー機関を見つける手助けをすることに同意している。
2018年:ACクウェートへの入学者数が230名とピークに達する初のACクウェート卒業式が開催される。ACはOESに対し、ACクウェートが学位を授与することを認めないという資格認定ポリシーを通告。学位授与のパートナー探しの支援を停止。
2019:OESは、カナダ・ポリテクニック大学(以下、CPU)と「2+2 Polytechnic」提携の契約を締結。OESとCPUの共同申請をPUCに提出。応用学士号を含むライセンスの拡大。ACから "CPU "へのパートナーの変更。ACの海外分校から独立した国際的な提携機関へ身分変更。機関名を「カナディアン・ユニバーシティ・カレッジ・オブ・クウェート(CanUCK)に変更
ACクウェートではディプロマ取得者が卒業するまで運営を継続。私立の高等教育機関が新たに開設され、学生獲得競争が大幅に激化。
2020:PUCはOES/"CPU" CANUCKの提案を拒否し、OESにパートナー名や海外分校ステータスの変更を伴わない新しい提案を提出するよう促す。ACクウェート在籍者数が138名に減少。AC理事長が退任し、OESは新理事長に資格認定ポリシーを免除の免除と2+2 プログラムの提案支持を要請。OESとACは新しい協定に署名し、名前、パートナー、海外分校のステータスを維持したまま、PUCに新しい「2+2」提案を提出。
2021:ACクウェートの学生数が119名に減少。OESのオーナーは、PUC委員会が自分たちの提案を承認しない場合、事業を売却すると内々に宣言。多数の変更契約を要求し、決定を数ヶ月遅らせた後、PUC理事会はOES/ACの提案を承認。
2022:ACクウェートがビジネスとコンピュータサイエンス/情報技術の応用学位の提供を開始。「2+2」ポリテクニックカレッジとして宣伝。
6)推進力
①クウェート政府は今後の高等教育の拡大は私立主導で進めることを希望
②15年間パートナーシップに投資し、競合する教育機関の成功を見てきた。OESとACは、今後もパートナーであり続け、AC クウェートが成功することを希望
③投資した資金を回収する最良の機会は、ACクウェートを成功であり、最良の方法は、応用学位の提供と考えていたこと
④ACは代替の収入源を必要としており、ACクウェートは最も有望な機会である。
7)機会
①クウェートのHEに対する需要は、当面、毎年増加
②カナダの高等教育制度は高く評価され、人気が高い
③ACクウェートはクウェートで唯一のカナダ系高等教育機関
④私立の高等教育機関は成功し、利益を上げているが、失敗した例はない。
⑤クウェートの新しい政策は、新しい海外分校開設にとって大きな参入障壁
⑥ACクウェートでは、入学希望者に学位プログラムを宣伝できるようになり、承認された提案には施設、プログラム、入学者数の将来の大幅な拡大が含まれている(最大で4000人まで)。
8)海外分校についての質問
①高等教育機関および/またはホスト国のパートナーが、独立した国際的教育機関(例:British U. in Dubai)または海外分校(例:ミドルセックス大学ドバイ校)のどちらかを選択する機会がある場合、それぞれの選択肢の利点と欠点は何か、また、どのような要素で選択すべきか。
【利点】
①自国/パートナー機関の知識、経験、リソースへの即時アクセス:海外分校(国際的提携機関は契約に含まれていれば)
②受入国の労働力および経済発展に貢献する能力:両方
③自国/パートナー機関の認知度により、信頼性、市場性、人材採用などの向上:海外分校(国際的提携機関の場合契約に含まれていれば)
④学生や単位などの質の保証と国際的な流動性の高まり:海外分校
⑤学生の交換留学、教員の交流、共同研究の機会増加:海外分校
⑥共同でのコース開発・提供の可能性の増加:海外分校
⑦母校のシステム・ライセンスに「ただ乗り」する機会の増加:海外分校(国際的提携機関は契約に含まれていれば))
⑧パートナーシップ、プログラム、ポリシー、入学・卒業基準などに関するより大きな柔軟性:国際的提携機関
⑨自国/受入国/パートナー関係のコスト(例:ロイヤリティコスト)の低減:国際的提携機関
【欠点】
①単一のブランド、サービスのメニュー、供給源に依存し、ほとんど、あるいは全くコントロールできないため、親大学の教育プログラムの陳腐化に対する脆弱性、または自己利益に基づく不誠実な交渉(例:ロイヤリティの増額、追加料金/チャージバックの賦課、コースやサービスの提供の取り下げなど):海外分校
②指導者の交代や方針変更により、親大学の支援撤回や契約解除の影響を受けやすい:海外分校
③プログラム/コースが親大学のものに限定されるため、ホスト校の入学者数が伸び悩んだ場合の選択肢が少ない:海外分校
④意思決定の際に考慮すべき、より大きな利害関係者のネットワーク:海外分校
⑤国際的な監視の目、リスクに関する懸念、価値観の相違、欠点や不正の認識に対する「反発」の可能性が高い:海外分校
⑥入学要件、卒業基準、学問的方針、キャンパス文化との不整合の可能性が高い:海外分校
⑦単位の国際的な互換性や資格の認知度の欠如:国際的提携機関
⑧受入国と母国/パートナー関係のコスト(例:フランチャイズ・モデルにおけるロイヤリティ・コスト):海外分校
【海外分校・国際的提携機関のどちらも有する利点】
①自国/パートナー機関の知識・経験・資源に即座にアクセスできるため、ホスト機関は "世界最高水準"となることができる
・カリキュラムと資格認定
・品質保証のプロセスとシステム
・技術的なインフラとシステム
・ブランディングとマーケティング、学生の募集と維持のための方法と技術、学生およびキャンパスサービスの開発
・政策(学術的およびその他)
* 国際協力モデルやフランチャイズモデルの海外分校では、これを利点とするためには、ホストパートナーと自国の教育機関との間の協定に明記される必要がある。
②労働力と経済発展の促進
・企業/機関として、地域経済や国民経済に直接貢献する(Lawton & Katsomiros , 2012a;
Shams & Huisman, 2012)
・政府と協力し、多国籍企業と競争力のある人材にとってより魅力的な国にすることに貢献する。
・グローバル市場における受入国の競争力を強化:知的労働者を輩出することによって、グローバル市場での競争力を高める (Tang &Nollent , 2007)、場合によっては「グローバル化した起業家/ビジネス開発者」を輩出。「頭脳流出」の減少 (Shams & Huisman, 2012; Macdonald, 2006; Lien, 2008; Lien & Wang, 2010)。技術力向上、知識移転、共同研究、イノベーションの増加
・受入国の教育能力強化に貢献
・自校/提携先機関が、世界的に認知された定評ある機関/ブランドである場合であれば、そのブランド力が即座に大きく認知され、受入機関の信頼性、市場性、学生募集の機会を高める
※重要事項
①"The American University of/in [Location]" は、認知されたブランドでありながら、登録商標ではない。また、「The American University of/in[Location]」は、The American University in Washington DCとの提携を示すものではありません。
②提携機関の場合、このメリットの有効性は、母体機関の認知度や提携契約の条件(例:母体機関の名前をホスト機関のブランディング・マーケティングに使用することができるか?)
③ACクウェートの場合、Algonquin Collegeはブランドとして認知されていないため、付加価値があるとは見なされていない。また、アラビア語圏の人は発音しにくいので、必ず「The Canadian College」と呼ばれ、カナダと提携していることは、付加価値となっている(「クウェートで唯一のカナディアン・カレッジ」など)。
【海外分校がさらに追加で有する利点】
①自校のシステム、リソース、サブスクリプション等への「ただ乗り」機会の強化(例:学習管理システム、顧客関係管理システム、電子図書館リソース、ソフトウェアサブスクリプション(例:Salesforce))。
②教育機関とその卒業生が国際的な基準を満たし、学術的な単位が国際的に移行可能であり、卒業生の資格が国際的 に認められるという保証が得られる。
③経営陣、教員、学生の交流の機会(および可能性)が増加し、学生のモビリティや留学のオプションが利用可能になることで、潜在的な学生にとって、教育機関の魅力が高まる。
④教育機関により促進/奨励/支援される研究およびコースの開発・提供の機会を強化する。
【独立した国際的提携機関の有する異なった利点】
①より大きな柔軟性
・国際的なパートナーの選択と変更に関する柔軟性の向上(複数のパートナーシップ(例:分野ごとに異なるパートナー機関)の同時進行)
・地域社会の基準や国の規制当局の要件に適応したプログラムの開発、方針、技術・品質保証システム、学内文化の継続的な発展(Healy, 2016)。
・地元の雇用主が新入社員に求める知識・技能・能力(KSA)にそれぞれ合致した入学・卒業基準を策定する(Healy, 2016)。
・ブランディング・マーケティング
②ロイヤリティコスト(=所属機関への支払い)が大幅に下がる可能性
【海外分校が関わる特徴的な欠点】
①単一のブランド、製品ライン、供給源に依存することで生じる脆弱性:親大学のガバナンス、リーダーシップ、優先順位の変更、プログラムの陳腐化、および/または自分の利益に基づく不誠実な交渉(例:ロイヤリティの引き上げ、追加料金/チャージバックの賦課、コースやサービスの提供を取りやめる、など)。
②一般的な可能性
・受入機関とその運営について、本国から公的/政治的な監視の目が向けられる可能性が高い。
・プログラムの質、成果の平等性、自国・他国のブランドや学問的評価に関する懸念。
・認識されている欠点や不正行為に対する「反発」(例:学問の自由に対する制限、男性専用キャンパスへの関与など
・受入国の価値観と相反する価値観を称賛し、欧米諸国が植民地支配を続ける手段と見なされてしまうこと(Healy, 2016)
③特筆すべきより多くの潜在的事項
・高校卒業時のKSA(知識, 技能, 態度)の不整合:親大学の入学要件、カリキュラムで想定される期待値(例: グループで働く能力、プロジェクトを管理する能力、批判的に読む能力、研究を行う能力、剽窃を避ける能力など)。
・受入教育機関の卒業生の KSA の不整合:現地の労働力の要件、現地の雇用主の期待
・不整合または衝突:受入国の文化と海外分校のキャンパス文化の間の不整合、さらには衝突(Healy, 2016)、自国の教育機関の方針と現地の規制当局の方針(Healy, 2016)
④海外分校は自国の教育機関の提供するものに限定されており、複数の関係者が自国とホスト国の教育機関の提供するものの間の緊密な整合性を望んでいる。そのため、自国教育機関のプログラムに対する受入国の市場が限定的であることが判明した場合、その問題を解消するための選択肢はほとんどなく、海外分校独自のプログラムを開発しない、あるいはできない場合は特にそうである。
【独立した国際的提携機関の有する異なった欠点】
①単位の国際的な互換性や資格の認知の欠如
②高等教育機関の運営や卒業生の能力に関する国際的な基準との不整合のリスクが高い。
③取引関係の性質上、専門家派遣、リソース、インフラ(完全に独立した図書館の開発など)の必要性が高まる可能性がある。
【独立した国際的提携機関または海外分校開設を選択する際に考慮すべき要素】
①現地/国の規制当局の規制や要件(例:運営認可を受けるには、私立大学は「世界トップ200」にランクされる大学の海外分校でなければならないなど)。
②留学先の初等・中等教育制度の質、および卒業生が国際的な入学基準をどの程度満たしているか。
③提供しようと考えている学問分野と、それらの学問分野が現地基準と国際基準によってどの程度左右されるか(例:自国の教育機関のカリキュラムを受入国のニーズを満たすためにどの程度まで適応させる必要があるのか。)
④パートナー機関の有無
・自国に海外分校を設立する用意があり、意思を持ち、実行可能で、海外分校の設立がその戦略的計画と長期的ビジョンに合致するパートナー機関。
・長期的で信頼できる互恵的な関係を築くことができる相手
・海外分校に合理的で達成可能な期待を抱く相手(Healy, 2016)
・地域/国の規制機関の要件を満たすもの(例:「トップ200」)。
・ブランドが潜在的な学生や雇用主によって認識され、肯定的に見られる。
・母国でも通用するようなプログラムを提供している
・国際化に取り組んでおり、国際教育の経験が豊富であり、できれば国境を越えた教育、海外分校運営、国際的なパートナーシップの経験
・カリキュラム開発において、「適応された採用」というアプローチが可能であり、質保証システムが十分強固で、同一性よりは同等性を評価することができる。
⑤各国の規制当局が許可している独立した国際的な機関であれば、海外分校の長所をほぼすべて享受することができ、短所はほとんどない。成功するかどうかは、以下の点にかかっている。
・よく練られた契約書の作成
・現実的な目標と期待の確立
・確実な市場調査に基づく健全なプログラム、ビジネス、ブランディング、マーケティングプランの策定
・十分な資金と管理された国際的な優れた管理職、教員、スタッフ
・競争力があり、国の規制当局から認可・認定を受けることができる機関であること
注:各国の規制当局が認めた場合、独立した機関は必ずしも国際的な提携を結ぶ必要はない。独立した私立の高等教育機関は、コンサルティング契約、効果的な国際的雇用、堅実な計画を通じて、教育プログラム、サービス、政策、インフラストラクチャーの専門知識を利用し、即座に競争力を高め、成功に導くこと可能。
9)OESのオーナーはより良い結果を得るために、どのような方法を取ることができたか
①最初に行われた以下の決断は反省すべきものであった
・海外分校として開設すること
・クウェートで名前が知られていないオンタリオ州のCAATと提携し、学士号やディプロマから学位への2+2経路を提供されなかったこと
・ビジネスとテクノロジーのプログラムは提供するが、エンジニアリングのプログラムは提供しないこと
②OESは、以下のことを決定する前に、非常に徹底した市場調査を行うべきだった。
・設立する教育機関の種類(例:独立した国際的提携機関か海外分校か)
・設立する教育機関のレベル(例:履修証明授与大学か、学位授与大学か)
・提携相手国
・提供される分野
③OESが上記をすべて決定した後、海外のパートナーを徹底的に探すべき、かつ海外パートナーは、できれば複数の候補の中から選ぶべきだった
④言及すべき事項
・クウェートで最も成功している私立高等教育機関は、すべて独立した機関である。国際的提携大学やポリテクニックである(海外分校ではない)。
・ACKは「クウェート・オーストラリア大学」として再ブランド化することが承認され、クウェートの私立準学士授与大学のほとんどは、準学士、応用学位、2+2ディプロマから学位への経路を提供することの許可を得るため、PUCにライセンス拡大を申請した。
⑤この教育機関を率いた7年以上の経験から、OESがカナダのポリテクニック大学(ブリティッシュコロンビア州のクワントレン・ポリテクニック大学など)と提携してクウェート・カナディアン・ユニバーシティ・カレッジ(CANUCK)を設立していたら、この大学は世界でも有数の大学になっていたかもしれない。
もしOESがカナダのポリテクニック大学(例えばブリティッシュコロンビア州のクワントレン・ポリテクニック大学)と提携してCANUCKを設立していたら、現在この国で最も成功している大学の一つになっていたかもしれない。しかし、現状では、最も成功していない大学の一つとなっており。願わくば、PUCが同校を「2+2」ポリテクニック大学にすることを承認してくれれば、同校の運命が好転し、将来の成功への扉が開かれることを願う。
(6)講義での補足及び質疑応答
1)海外分校にかかるデータのリソースの一つ:CーBERT(Cross Border Education Research Team)
2)海外分校の親大学・受入国:現在は半数以上が先進国同士だが、開発途上国同士、または開発途上国が先進国に開校する事例も
3)十分かつ正確なデータが不足している面もあるが、現在の海外分校の学生数はおよそ20万人程度
4)ノッティンガム大学などは学生の半数は海外分校
5)海外分校が安定した学生数や研究も含めた多様性に貢献
6)曖昧なブルースカイ的な考えによって海外分校が開設され失敗に終わるケースがある
7)親大学の設置国にとっての受入国とその海外分校の希少性がその発展を促進
8)現地パートナーが引き受ける可能性のあるリスクによりフランチャイズ方式の海外展開となる可能性もある。親大学との同一性が高いほど一般的にはコストが高くなる(例:各種ICTシステムの統合等)
9)国際的提携機関の場合親大学等が撤退となった場合にも別の親大学との提携を模索できるという強みがある。また、親大学も撤退によるリスクを避けることができるという利点がある。
10)質保証・認証評価をどの国(何カ国)から受けるかによりコストが変わる
11)親機関の負担の程度により海外での教育実施機関の形態を熟慮すべき
12)受入国による制限として例えば施設・土地面積に応じた学生数の上限等によるコントロールなどが挙げられる
13)受入国の人口比率についても考慮する必要があり、例えばクウェートの場合は移民の人数も踏まえたカリキュラムの構築が必要
14)American University of〜といった国際提携機関の名称は個別の大学名に比べてブランドとして有効な場合もあるが、実際にアメリカと何の関係もないということが受入国の人々にショックを与えるというケースがある
①UAEではこのような事態を防ぐために当該国の認証評価を受けることが求められるようになった
15)市場調査は複数機関による実施が望ましい
16)サウジアラビアへの新規開校について、以前サウジ政府から学生数に応じた資金援助という提案に応じて海外分校を開設したところ、実際は卒業生数に応じた資金援助であったというケースがあった。このような事態を避けるためにも協定書の文言・解釈については十分に注意するべきである。
17)紛争地域などの地政学的なリスクについても十分に注意を図る必要がある。
18)海外分校の開設に伴う教職員の雇用には生活面での環境変化など考えるべきことが多数ある。環境の変化を滞在中に楽しめることも重要な要素である。
(6)講師と後日個別オンラインミーティング
1)海外分校の運営にあたっては初年度の学生受け入れが極めて重要
2)保護者と学生の関係の違いなどにも留意が必要
3)ホスト国の支援がどの程度かが極めて重要
4)広報の重要性:自大学の強みをどう伝えるか
①自大学の同窓生の分析・活用
②大学フェアへの参加
③オープンキャンパスの実施
④現地の高校の校長等との面談
⑤高校生のキャリア・カウンセリングを通じた広報
5)キャンパスの見せ方
①あまり母国・母校の色を打ち出さない方が良い:海外分校は自国という安心感が一つの魅力
②(国際的に)質保証がされている機関であるというアピール
③実験室などの設備の見せ方も重要
④現地マーケティング・ディレクターの雇用
⑤SNSもどの媒体が当該国で受け入れられるか検討が必要(例:インスタはポジティブだがツイッターは意見が分かれる等)
6)日本の高等教育の基準が受入国のニーズに合うかどうか
7)教育における技術の活用:教えながら学修する
8)教育学修センターを設置




