日本画振興のための新人育成を目的とした公募展として60回目を迎える第60回記念日春展に行ってきました。(於:東京都美術館、 会期:4月18日~24日)
私が初めて日春展に行ったのは、2017年開催の第1回新日春展で、今回は10回目になります。
当初は、ブログで知りあった福岡県の石井清子さんの作品がお目当てでしたが、日展を含め、回を重ねる度にお目当ての作家さんが増え、ブログで紹介する作品も多くなりました。
私本位の紹介になりますが、順次、私の好きな作品を中心に紹介していこうと思います。
(石井清子さん、福田季生さん、佐藤和歌子さん、稲葉未来さん、清水航さん、中村妃菜さん、小熊香奈子さん、福本百恵さん、藤田麻知世さん、藤田眞里花さん、鬼木莉歩さん、中西玉蘊さん、丸山円さん、石川美由紀さん、村居正之さん、渡辺信喜さん、
池内璋美さん、山下保子さん、藤島大千さん、田島奈須美さんの作品を紹介させていただきました。)
「noir」石井清子 会友 福岡県
あたかも宙に浮かび、自由に遊泳するかのように描かれた黒く、毛足の長い猫の姿。
そして、その同じ空間で泳ぐ優雅で、色鮮やかな金魚たち。
黒と赤の色彩の対比、そして、猫のリラックスした表情が魅力的な作品です。
石井清子さんの描く空間は、創造の世界ではあるものの、猫や金魚の姿はそこに存在するかのように写実的に描かれており、とりわけ、猫の表情が飼い主だけに見せる姿を愛情を持って描かれていることが魅力ではないかと思います。
この日、会期初日であったこともあり、会場でご本人にお目にかかることができ、久し振りに色々とお話をすることができました。
「明日を夢見た日」奨励賞 福田季生 会友 京都府
うたた寝する和服の女性の顔の表情を見ると、「無」あるいは、「静けさ」を感じます。
その一方で、和服の赤い模様、背景に描かれた和紐の鮮やかさと勢いには「情熱」を感じます。
その二つの感情が融和し、目を見張る画面が出来上がっているように思います。
女性が横たわる、丸く綿のように描かれた背景をよく見てみると、様々な花が一つ一つ丁寧に、見事に描かれていることに思わず感動してしまいました。時間があれば、描かれた花の名前を確認していくことも楽しいのではないかと想像してしまいました。
「青蓮の國」佐藤和歌子 会員 熊本県
青い睡蓮を両手で大切そうに抱えた、エキゾチックな目鼻だち、服装の女性の凛とした横顔が、まずもって魅力的な作品です。
女性の美しい姿の加え、背景の日本画らしいといってよいのでしょうか、その空気感の表現がこの作品の高尚な雰囲気を深めているのではないでしょうか。
会場で、佐藤和歌子さんにお目にかかることができ、この作品がスリランカを取材した作品であること、作品の名前「青蓮の國」にあるとおり、スリランカの国の花は睡蓮でことなど、お話を伺うことができました。
「うららかな日」稲葉未来 会友 福岡県
ふさふさとした毛にくるまれた羊が、ゆったりと寛いでいる姿が描かれています。
3羽の雀が、警戒しなくても大丈夫と判断した羊の周りで遊んでいる様子からして、稲葉未来さんが、羊の様子をよく観察し、このうららかな様子を熱心に写生したことが想像されます。
猫、豹、山羊、羊など様々な動物のありのままの姿、そして、その本質を描き出そうとする稲葉未来さんの作品は、動物好きの私にとって、大変魅力です。
「秋の集い」清水航 会友 神奈川県
さまざまな動物を、独特な筆致で描く清水航さんの作品です。
あくまでも私の中で、清水航さんの作品は、色彩を押さえ気味という印象がありましたが、今回は、艶やかな錦鯉を見事に描きました。
「よりみち」中村妃菜 会員 熊本県
少し前まで、廃墟を、これでもかというほど丁寧に描き切っていた中村妃菜さんが、最近は、古いながらも息づいている建物の魅力を引き出す作品を描かれるようになりました。
のどかな田園風景、不揃いの板を丁寧に組み合わせたような木造家屋の魅力を楽しみながら描いた作品と思いました。
「午後のモデル」小熊香奈子 一般入選 和歌山県
一つ一つの対象物を、丁寧に存在感があるように描き作品を仕上げる、小熊香奈子さんの猫の作品です。
微睡む猫の姿が、可愛らしく、撫でてあげたく思います。
「涅玄」福本百恵 准会員 岐阜県
今回の福本百恵さんの作品は、迫力のライオンです。
福本さんの作品の多面性に驚かされる作品です。
第1室に飾られた二つの作品です。
右は藤田麻知世さんの作品で、日春賞、外務大臣賞受賞、左の作品は藤田眞里花さんの作品で日春賞受賞、聞くところによると、このお二人は親子とのことです。
「Calling」藤田麻知世 会友 日春賞 外務大臣賞 神奈川県
「夜のかたすみ」藤田眞里花 日春賞 一般入選 神奈川県
藤田眞里花さんは、まだ学生と伺いました。今後、注目していきたいと思います。
ほかにも、次の方々の作品も魅力でした。
「いのり」鬼木莉歩 会友 奨励賞 福岡県
「薔薇と寓話」中西玉蘊 会友 京都府
「雪の狩人」丸山円 会友 石川県
「つらつらの椿」石川美由紀 会友 熊本県
そして、私が好きなベテランの方々の作品、こちらも言葉を添えずに作品だけを紹介させていただきます。
「宙」村居正之 会員 大阪府
「早春の野辺」渡辺信喜 会員 京都府
「黎明」池内璋美 会員 京都府
「窓外に春近づく」山下保子 会員 神奈川県
「Kunau-nonno」藤島大千 会員 茨城県
「たび助ちゃん」田島奈須美 会員 神奈川県
以上、今年も数々の見事な作品を楽しませていただきました。






























