東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅の近くにある「Gallery Field」で開催中の「中園ゆう子個展 たまゆらトラベラー」に行ってきました。(会期 6月4日(木)~14日(日))
中園ゆう子さんは、DMで今回の個展について次のように語っています。
「頭の中にある幻想は、かたちにしようとするときに見えたり消えたり、幻想はたまゆらで、描く事はうつつの夢を行き来する旅人のような心地です。皆様にも作品を通じてたまゆらトラベラーになって頂けたら幸いです。」
「たまゆら」ということばを調べてみると、もともとは「勾玉などの玉同士がふれて、かすかに響くこと」という意味があり、そこから転じて、ほんのわずかな時間、ほんの一瞬、かすかな、はかない様子を情感を込めて使うことばといわれています。
様々な故事からインスピレーションを得て、おぼろげなイメージから、様々な含意を込めた、細密で美しい画像に仕上げていく中園ゆう子さんの創作の原点を言いあらわす言葉として「たまゆら」があるのだと感じながら、私もひとりの旅人になり、作品を拝見しました。
作品を数点、紹介していこうと思います。
「幻想箱庭図」F8 紙本着彩
雷神や、龍に囲まれた着物姿の可愛らしい少女が、それぞれに細密に描かれた屋敷や、街、山河の箱庭を創り出し、水を与えて育てている様子が描かれている作品です。
この少女は、その様子から創造主を感じさせる神格のあるキャラであることは間違いなく、丁寧に描きこまれた少女の姿や、箱庭等々を様々な想像をしながら楽しむことができる、美しく、魅力が溢れた作品です。
「翠龍のすまう棲まう処」F6 紙本着彩
日本刀を背負い、二匹の龍を従える、武神を思わせる凛々しい若い女性の姿が描かれています。
画面の下方には、鯉が泳ぎ、その鯉を抱きかかえ遊んでいる少女が描かれています。
滝を上る鯉が、龍に化身すると言いますので、ここに描かれた鯉が龍となり、鯉と遊ぶ少女がこの「凛々しい」武神に成長したのではないか、そうすると、「翠龍のすまう棲まう処」には龍の化身ともいえる武神の少女が時を超え同時に住まう世界ではないかと、私の想像は膨らみます。
中園ゆう子さんの作品には、可愛らしい少女が登場しますが、この作品に登場する女性はその少女が成長し逞しい姿を見せている、中園さんの新境地と思わせる作品と感じました。
「巴図・皐月」F15 紙本着彩
「皐月」…端午の節句の月。鯉のぼりや龍がたなびき、武具を纏う少女を描いた作品です。
先に紹介した、「翠龍のすまう棲まう処」に共通したテーマを感じますが、甲冑の美しさや、子供の成長の願いを強く感じる作品です。
他にも翼のある虎を描いた作品、花が溢れる次の作品も魅力です。
「巴図・飛虎」F3 紙本着彩
「花のようなあなた」F3 紙本着彩
今回の個展では、小品が数多く展示されています。その一部です。
「ゆめうり」70×70mm 紙本着彩
そして、私が注目したのは、木の節目がある木枠に収まった「蝶」の作品です。
この作品は、熊本の天草に最近できた画廊「 under road gallery」と、熊本在住の中園ゆう子さんがコラボした作品です。
under road galleryでは、SNSを拝見すると、美術作品を多くの方の手に届くような取り組みを進められているようで、こちらの中園さんの作品は、障がい者就労支援作業所で製作したオリジナルの木枠を利用し、安価の価格設定で数多く制作した作品で、すでに数多く販売した一連の蝶をテーマとした作品群です。
私自身が、熊本の天草にルーツがあることもあり、この蝶の作品について大変興味深くお話をを伺うとともに、一つ一つの作品が美しく、大変魅力を感じました。
「オオゴマダラ」ハガキ 水彩
以上、作品の一部を紹介させていただきました。
作品展の会期は、これから1週間ほどありますので、魅力的な中園ゆう子個展に、興味のある方は是非お立ち寄りいただければと思います。
Gallery FieldのHPアドレスはこちらになります。












