今年も、私が毎年楽しみにしている、現代童画会が主催する公募展、第47回現代童画展に行ってきました。
(於 東京都美術館、会期 令和3年11月10日~11月16日)
(今回は、戸井田しづこさん、丁子紅子さん、鳥垣英子さん、コムロレイコさん、天野利恵さん、佐藤美絵さん、田中アユミさん、池田ヒロミさん、小澤清人氏、糸井邦夫氏、有賀忍氏、中村景冶氏、大作俊子さん、荒井克子さん、みのしまかおるさん、竹内香ノ子さん、sio.さん、さえサエコさん、きつないえりこさん、佐藤千鶴さんの作品について触れました。)
今年も、現代童画展の様子を描きたいと思います。
会場入口です。
受賞者一覧です。
この現代童画展には、日ごろから親交のある作家の方々の作品や、非常に幅広く、ユニークな作品が多いことから、このところ初日に半休を取って、拝見しに行っています。
今年も、私の趣味、興味にしたがって、気にいった作品をいくつか紹介していきたいと思います。
まず、会場の入口、いの一番に展示されていた、戸井田しづこさんの作品です。
「虹のゆくえ」 戸井田しづこ アルキド 50P
今年も、戸井田さんの妖艶で透明感のある女性像は健在であり、多くの方々が、入口で足を止めてこの作品に見入っていました。
そして、私のブログで、よく取り上げている丁子紅子さんの作品です。
「祈る時」 丁子紅子 日本画 100号
確かに丁子紅子さんの作品ですが、黒い髪ではない作品は珍しく、また、背景に描かれている円形は星ではないようです。
このように仏教画を感じさせる神的で精神性を感じさせる作品は、丁子さんの新しい挑戦の一作品ではないでしょうか。
「奏草」 鳥垣英子 岩絵具・アキーラ 150変
中央を拡大します。
これは、鳥垣さんが最近よく描かれている花が一体化?した鳥です。
そして、その両側には、数多くの花々が描かれています。
鳥垣さんの独特な表現方法により、たくさんの花々が存在感をもって、咲きほこっています。
さらに、想像すると、中央の花鳥が指揮者で、様々な花々によるオーケストラが曲を奏でているかのような、そんな作品に感じます。
「秋草とキツネ」 コムロレイコ アクリル・クレヨン 100P
大胆な造形、色遣いで、様々な動物を生き生きと描くコムロレイコさんの作品です。
味わい深い色合いの秋草の中に、身を潜めるキツネの表情がおもしろく、季節感と、楽しさがある作品です。
「花冠の詩」(左)、「翠雨の雫」(右) 天野利恵 アクリル 50F
犬や狼を描いたら絶品の天野利恵さんの作品です。
今回は、犬と女性を二つのパターンの作品にまとめられました。
それぞれの作品を、拡大してみます。
それぞれの犬、そして女性の表情、色彩に目を奪われる作品に新鮮さを感じます。
「綿津見ノ庭」 佐藤美絵 切り絵 160.6×160.6
優雅にエイが泳ぐ、白い海。
それとも、エイが優雅に空を飛んでいるようにも見えます。
大和の昔話を絵巻物にしたような佐藤美絵さんの作品に、今年も楽しませていただきました。
「紫陽花」 田中アユミ 油彩 130×65
大正もしくは昭和初期のテイストが魅力的な田中アユミさんの作品です。
紫陽花に囲まれた、和服女性の立ち姿、所作に美しさと哀愁が溢れており、田中アユミさんの普段拝見する作品としてはかなり大き目な作品に存在感を感じました。
「祝祭」 池田ヒロミ ミクストメディア 120×192.5
美しい花が舞い、咲き乱れる世界。
そのなかで、一輪のチューリップを慈しむ女の子が、可愛らしくいとおしいです。
いつも華やかで、優しく、暖かい池田ヒロミさんの世界です。
一気に、現代童画展でお気に入りの女性陣の作品を紹介しましたが、これから紹介する4人の先生方の作品も大好きです。
「赤い実」(左) 「赤い靴」(右) 小澤清人 油彩 50M
言わずもがなの小澤会長の作品。
小澤会長は、この日、忙しそうに会場を早足で駆け巡っていらっしゃいました。
「海の主」(左) 「海底温泉」(右) 糸井邦夫 アクリル120F 、「海亀」(中央) 紙
大胆な構図、視点が迫力の作品。立体の海亀も味わい深いです。
「雪花静奏」 有賀忍 板絵 145×92
家族愛に溢れ、楽しく、心温まる有賀先生の世界です。
「Twilight time」 中村景児 アクリル、立体「Twilight」
男の子が目を輝かせる冒険、憧れ、不思議な動物や虫たちの世界。まさに中村景児ワールドです。
次に、今年の現代童画大賞の作品です。
「幻草譚-風の香-(左)、-花の香-(中央)、-土の香-(右)」 大作俊子 アクリル 80変 現代童画大賞
思わずうなってしまう、迫力の作品です。現代童画大賞にふさわしい作品ではないでしょうか。
続いて、気になる作品を紹介します。
「安善湯で踊るパグ犬達(男湯)」 荒井克子 日本画 80F
荒井克子さんのパグ犬の作品は今年も健在です。
そして、立体もあります。
「立体パグ8号」 荒井克子
そして、両者の配置はこうなります。絵と立体がお見合いしています。
「ともだち~ネモフィラ~」(左) 「ともだち~コスモス~」(右) みのしまかおる アクリル クレヨン80M 会員佳作賞
キツネの姿の狐と、女の子の姿をした狐?が仲良く、ネモフィラ、そしてコスモスの花が溢れる世界で楽しそうに遊んでいます。
とても可愛らしく、美しい作品ではないでしょうか。
二つの作品が並び、対比することでより作品全体の奥行き、楽しさが倍増される気がします。
「どこまでもついていくよ」 竹内香ノ子 水彩 オイルパステル 石粉年度 綾宏賞
アクリルで反射し、作品の良さがわかりにくくなってしまいましたが、狐と鳥が元気に遊ぶ作品です。
この鳥は、おそらく竹内さんのペットの鳥だと思います。(私にとっては謎の鳥ですが、とても竹内香ノ子さんに羨ましくなるほどなついています。)
「Pop Life」 sio. アルキド 30S
海の中を、大きく円を描いて回遊するサメたち、そして、その中央部に存在する巻貝上の世界の中環様々な陸上動物たちが巻貝に沿って歩いています。
生きものに対する愛着、愛情、いとおしみが、こうした表現により伝わってくる気がします。
「クジラ頭の王様のお城の話」 さえサエコ アルキド樹脂絵具 50F
さえサエコさんは、女の子のメルヘンを感じる、いつも楽しみにしている作家さんです。
ハシビロコウの王様が優しく、威厳を感じる姿がとても魅力です。
左側で、本をのぞき込んでいるハシビロコウも可愛い!
「ROMANCE」 きつないえりこ 油彩 50F
マンボウが必ず登場するきつないえりこさんの海の世界。
明るく、光が溢れる世界で、人魚と魚人?が愛を語る姿がまぶしいです。
とても綺麗で、微笑みたくなる作品です。
「飛んできたよ」 佐藤千鶴 30F アクリル ミクストメディア 会友推挙
花と動物がとても可愛らしい佐藤千鶴さんの作品です。
純粋で、心温まる作品に、いつも癒されています。
他にも紹介したい作品がたくさんありますが、今回はこの程度とします。
少し時間をおいて、この続きを書きたいと思っています。
以上です。
続きの記事はこちらです。
〇第47回現代童画展(於 東京都美術館)に行ってきました!の続きです。