昨日、府中市美術館で開催されている、藤田嗣治展ー東と西を結ぶ絵画ーに行ってきました。
府中市美術館は、都立府中の森公園の敷地内にあり、ちょうど紅葉が綺麗でした。
藤田嗣治展は、藤田嗣治の生誕130年を記念して今年の4月から、名古屋市美術館、兵庫県立美術館、そして府中市美術館(10月1日~12月11日)と巡回して開催されています。
府中市美術館では、約160点の作品が展示されています。
まず、購入した図録と、絵はがきです。
今回の展示は、藤田嗣治の学生時代の作品から、生涯を5つの時期に分け、作品を展示しており、藤田の生涯を知ることができるものであり、特に、第二次世界大戦中に画かれた、「アッツ島玉砕」(1943年)、「ソロモン海峡に於ける米兵の末路」(1943年)、「サイパン島同胞臣節を全うす」(1945年)の大作は、圧巻でした。
とはいえ、ここでは一つの視点で、紹介したいと思います。
まず、次の作品をご覧ください。(図録から紹介させていただきました。)
「猫を抱く少女」(1949年)
この少女は、これ以降よく描かれる、藤田が理想とする少女の姿のごく始めのものと解釈できると解説がされています。
私が、この絵で注目したいのは、甘える猫の姿です。少し、アップしてみます。
猫は、お腹を上にし、少女は、右手でしっぽの根元をわしづかみし、左手で顔を撫でています。少し、乱暴の扱いにも見えますが、猫の顔は、とても気持ちよさそうにしています。
藤田の作品の中には、数多くの猫が登場しますが、これほど飼い主に甘えた表情を見せている点において、最右翼に作品に位置づけられるのではないでしょうか。
また、飼い主に甘えた猫の姿という点では、図録の表紙に描かれた「自画像」(1929年)の作品も特筆できると思います。
ここでは、猫の部分だけアップしてみます。
この藤田が、飼っていたキジトラ模様の猫は、裸婦の作品において、さりげなく、澄まして登場しています。
「五人の裸婦」(1923年)
この作品は、彼のサロン出品作の最高額をつけた作品であり、乳白色の肌を特色とする藤田の裸婦の、早い時期の代表作の一つといえると思います。
この作品に於いて、背景のベットの上に、猫が描かれています。
アップしてみるとこんな感じです。
この猫の姿は、同じ時期に制作された「座る女性と猫」(1923年)にも、同じように描かれています。
実は、この猫、先般、私が紹介した、ひろしま美術館の「裸婦と猫」(1923年)にも登場していました。
ひろしま美術館 コレクション展「フランスの近代美術」を見てきました。
この猫、藤田の卓越したデッサン力と技術に基づいて描かれていると思いますが、猫を愛し、そして、猫が見せる表情を、深い愛情を持って描いていたんだなあ、と心から思いました。
最後に、少し気になった作品です。
「パリ、カスタニャリ通り」1958年、個人蔵
ここに描かれているカスタニャリ通りは、モンパルナス駅というターミナル駅の側であり、都会に残された未開発な土地を描いた作品とのことようです。
特に、それ以上のことは解説はされていなかったのですが、この絵の実物を見て、隠し絵がたくさん描かれているのが、とても気になりました。
これは、図録の写真なので、少しわかりにくいですが、正面の壁には、子供の顔、その横には、猫?の顔、その他、人か動物かよく分からないが、いくつかの顔が私の目には見えてきます。
こういう作品ってよくあるのでしょうか?藤田が遊び心でこうした作品を画いたのでしょうか?
それとも私の目の錯覚?
詳しい方がいらっしゃれば、是非教えていただきたいですし、今後、絵を見ていく上で、こうした絵を少し気にしてみたいと思います。
このほか、数多くの裸婦像、子供の絵、動物の絵など、大変楽しむことが出来、大変満足することが出来ました。さすが、藤田嗣治、レオナール・フジタと思いました。










