前回の文章つづきから・・
有崎の言葉を明日の登山への励みにして・・眠りについたオジサンでした。
昨日の気付かれからか熟睡できたオジサンは、早朝4時に目覚め、早速に身支度を整えるとに・・。
ホテルロビ-で5時に会う約束をしていたので少し早めにロビ-へ行ってみると由紀とご両親に有崎が準備万段と云わんばかりの面持ちでオジサンを待っていました。
由紀の服装と履物を見たら、ソレナリの格好になっており、有崎の心が籠った衣装で由紀の身体が包まれている・・・そんな気がしたオジサンでした・・。
ご両親に、今日の予定を説明し、『私を信じ、由紀さんを私にお預け下さい』と云うオジサンに、ご両親は、あなたのお人柄は有崎さんより十分に伺っておりますので私共は一切をお任せ致します・・・由紀の一生の思い出となる事を、ただただ、祈るばかりです・・・ご両親の言葉と有崎の・頑張って・の思いを背にして河童橋を渡るオジサンと由紀に手をふるお母さんが目頭を押さえる姿を見たオジサンは「由紀に東壁を見せてやるんだ・・」との思いを更に強め、東壁に向かって・一歩一歩を踏みしめながら梓川に沿う平坦な道を進むのでした・・。
白樺と雑木林を通り平坦な道から坂道へと変わる頃には出発して一時間半が経過していました。
更に、ブッシュを抜けガレ場を進む由紀の足取りの歩幅も少し狭くなってきたので・ここで少し休憩をしょう・腰をおろしたその場所からは、河童橋とホテルが見られ眼下に上高地の美しい景色が霧の晴れ間からみられ、由紀はウットリとした面持ちで無言のまま見ていました。
今日の穂高の天気は午後には回複し晴れの予報となっていますが霧が取れにくい一日となりそうでした。
しばしの休憩の後に再び岩場を登ることに・・。
元気を取り戻した由紀は、浮石に足を取られながらも一歩また一歩と上へ上へと・・・。
そして、さらに岩場は険しさを増し、由紀の腰にザイルを結びオジサンが由紀を引っ張り上げるようにして
登る二人はいつしか無言でひたすら登るだけでした。
河童橋から一歩を踏み出して・・3時間・・霧の中を黙々と登る由紀とオジサンでした。
この岩場を抜ければ東壁が一段と近ずく地点に来ていることを由紀に伝えると、由紀の足と手に一段と力が加わるのを感じるオジサンでした・・。心のなかて゛「由紀頑張れ・・」といい続けているオジサンだった・・。