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サムライのブログ

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前回の続き・・。

「心の中で、由紀頑張れ」といい続けているオジサンでした。


河童橋を出てから東壁を目指して上ること5時間余り。

由紀の身体に巻きつけたザイルを引きながらの岩場登りに少々疲れを感じるオジサンの姿に気付いたのか、由紀は・・ご免なさい・・そういって私の労をねぎらうのでした。

そして、私達の眼前に東壁が現れたのです・・。

由紀の長年の夢であった『東壁』の前に立ったその時に・・由紀は無言のまままるで金縛りに会ったかのように、立ち尽くしていました。

オジサンが・・ここが東壁ですよ・・この岩壁が小説の舞台となった東壁ですよ・・。

そう伝えるオジサンの声に、感極まったかのように由紀は大粒の涙を流し、崩れるようにその場に座り・・私の夢であった「東壁」が見られるなんて・・本当に此処が東壁ですか・・本当に私は東壁の前にいるんですネ・・夢では無いんですネ・・

そう言って泣きじゃくる由紀にオジサンは掛ける言葉を失っていました・・。

由紀は何度も、何度も、ありがとうございました、本当にありがとうございました・・。由紀は世界中の誰よりも一番の『幸せ者です』と繰り返しオジサンに言っていました。

しばしの間東壁を眺め、時の経つのを忘れていたオジサンと由紀でした・・。

この東壁を登っていて、絶対に切れない・安全神話さえ付けられるほどのザイルが切れる・転落事故が発生し、自殺か事故死かで後日裁判にまで発展した「東壁」でのザイルをめぐる転落死の現場を目前にした

由紀は、ただただ、涙、するばかりでした・・。


名残惜しい東壁での一時ですがこの辺で東壁に別れを告げる、オジサンに、由紀が身体を寄せ・・・この感激と感謝をお伝えする術が何もありません・・私を強く抱きしめて・・そう言って、私に身体を寄せる由紀でした・・。


登路を下る由紀とオジサンの身体をザイルで確りと結び一歩、一歩下る

由紀の歩幅が少しづつ狭まり・・体が左右に大きく揺れるようになってきた由紀に成ってきたのを見たオジサンはこのまま下山していては予定の時間に河童橋につけないと判断したオジサンは、由紀を背負って下ることに下のです。

オジサンは山岳救助に加わった経験もあり、人を背負う技術もありましたのでザイルで背負い帯を作り、由紀を背負うことに・・。

二人で下るより一人で下ったほうが時間も稼げるし、安全面でも確かなので、背負うとに・・。


登りは「東壁」見たさの一心から疲れも何のそのでしたたが登山経験のないズブの素人の由紀のこと・・相当疲れたのでしょう・・背負って貰うことに何の抵抗感もなかったようでした・・。

オジサンは、由紀を背負って足早に下山の歩を進めて・・。

やがて、オジサンの肩につかまる由紀の手の力が弱まり・・小さな吐息がオジサンの耳に・・。

オジサンの足首に由紀の体重が加わり行くのを感じながら下山するオジサンでした。