ライブから1か月経過。2/10のライブ映像U-NEXT公開までもう少しありますが、Bad Girls Storyのセトリを元にどんなライブだったかを振り返ってみます。

 

ちなみにU-NEXTでの解説

 

AMEFURASSHIの過去・現在・未来が詰まった結成5周年記念ワンマンライブ!

 

だそうです。

 

 

  • ライブ全体の方向性

昨年のFall in love tuor では3Bjr時代の曲をリメイクしたし、5周年なんだから過去の曲を聞きたかった人も多かったでしょう。そういう方には少々残念なセットリストだったというのも一定の理解はできます。

 

自分も5周年記念ということで、どんなライブになるか色々と妄想はしていました。曲に関しては、最近めっきり減ってしまったアメフラっシ時代の曲や3Bjrの曲が聞けるんじゃないかとか。

 

演出だって時期を考えればクリスマスを絡める事も出来るし、梅雨祭で好評だったDJセットや新たにバンドスタイルに挑戦することもできそう。今年は生誕ライブのアナウンスがないのでソロコーナーがあるんじゃないかとか…など。実際、運営側にもかなりの選択肢があったはず。

結果、現在のAMEFURASSHIを見せるストレートなSONG&DANCEのライブが選ばれたということでしょう。5年前からを振り返るではなく、5年目の今の到達点を見せるというもの。

 

例え下手ですが、料理で言うなら美しい盛り付けと沢山の味が楽しめるフルコースではなく、素材の良さ1番引き出す最小限の手しか加えない一品料理のようなものを目指したのかと…

 

結果、満腹感はないけど衝撃的な美味しさだったのは間違いないです。

 

  • Bad Girls について

 ”Bad Girls” = 当然AMEFURASSHIの事です

 

今更ですが、ここの"BAD"ですが、ある人にとって悪いものは、見る角度を変えると、ある人にとっては良いのものだという意味で使われています。簡単にいうとBad Girl は「最高にイケてるGirl」ってことです。

 

5年前である2018年を振り返ると、結成時から Bad Girl のコンセプトのグループではなかった。よくメタモル以降で楽曲が変わったと言われますが、歌割りまで含めて方向性が変化したのは”BAD GIRL"だったと個人的には思っています。

 

 

具体的には、この楽曲までは愛来・萌花のツインボーカルというイメージが強かったのだが、歌唱力がメキメキと伸びたはなちゃんに歌い出しを任せ、器用な萌花はサビを支えるBパートに加えてラップも一部担当。ゆづには明確にラップを任せて、3ボーカル+1ラップのスタイルにチャレンジ。今でも基本はこのスタイルと言えます。

 

歌詞で追いかけても、メタモルフォーズで生まれ変わることを示唆、その後のBAD GIRLで方向性が定まった。この10か月後のDROP DROPの歌詞では

 

生意気なWE’RE BAD GIRLS

 

とあり、それが定着したのではないかと

 

そんな事も含めて、5年目の到達点である今のBad GIrls 達の物語に焦点を当てるためには、初期の頃の楽曲をセトリに組み込むのは最低限にしようと判断されたような気がしています。

 

 

  • Storyについて

ライブタイトルを決めたのに、何も考えずにセトリを組む事はないでしょう。【Story】とあるので物語の要素が含まれていることは確定。ということでライブを一つの【本】それを【映像化】したものとして捉えてみます。

 

作品テーマは『5周年』でしょうからAMEFURASSHIとして辿ってきた「らしさ」を散りばめた作品になっている考えながらセトリを眺めるといろいろと妄想が広がりました。

 

ここで自分が理解しやすいよう本編とアンコールで分けます。

 

  • 本編
  • 第1章

パフォーマンスを磨くだけではダメ…

 

本編スタートはオープニング映像からアレンジされたBAD GIRL。映像化するならここはプロローグでしょう。となるとSPINはスタッフロール部分にあたります(後述)

 

こうすると本編の物語のスタートはFly outでラストはDROP DROP。第3回スタプラフェスやフリーライブツアーで見せていたAMEFURASSHI最近の定番のセトリの組み方と同じ。直球の「らしい」セトリと言えるのではないでしょうか?

 

第1章はMCを挟む10曲のMICHIまで。ここでの「らしさ」要素は2つ。

 

1つ目はノンストップでのパフォーマンス。

 

結成当初からMCを挟まないスタイルでやっていたけど5人体制時は途中で人数構成が変わる曲を入れたり、バラードで落ち着かせることで成立していた面があったと思う。最近はダンスの難易度も上がり連続でやるには体力的に厳しいのでは?とおもう楽曲も増えたけどここは譲らないぞとの意思表示かと。

 

2つ目は観客が積極的に参加して楽しいこと。

 

並びを見るとわかると思いますが、コールだけではなくて振りコピがしやすい楽曲が並んでいます(難易度は別議論で)。

 

M2. Fly Out・・・手で△を掲げる
M3. ALIVE・・・うちわ
M4. ARTIFICIAL GIRL・・・”G”のポーズ
M5. Batabata Morning・・・サビのダンス
M6. グラデーション・・・手話
M7. Magic of love・・・どんどん
M8. Tongue Twister・・・ゲリラでおなじみ
M9. MOI・・・曲全体
M10. MICHI・・・ばってん下上右左

 

高いパフォーマンスで「魅せる」がメタモルフォーズ以降の軸であったし、楽曲もいわゆるコールを入れにくいものが多くなっていく中、客と一体になるためにはどうしたらよいか?はBad Girl をリリースした頃の課題でもあったと言えます。

 

ZeppHANEDAで始まったメタモルフォーズのジャンプ以降、完成度の高いステージパフォーマンスを崩し、簡単な振りコピをいれたり、煽りをいれたりの試行錯誤。コールが解禁になってからも、今の楽曲群であっても一体感のあるステージも作れるようになっていた。これが5周年の到達地点の一つだと示したのが前半だったと思います。

 

  • 第2章

過去・現在・未来

 

MCを挟んでの中盤は初期時代の回想シーン。ここへの導入のためにDISCO-TRAINで過去へタイムトラベルをするかのような背景映像も良かったが、選曲も良い。

 

  • グループ始まりの曲
  • 表現が難しく干されていた曲
  • 初期を支えてくれた曲
     

初期曲を現在のAMEFURASSHIがアメフラっシをパフォーマンスすると、どのようなレベルになるかを示すことで5年の成長が際立つ演出。特に3度目の振付変更となった、月並みファンタジーの椅子を使ったパフォーマンスは秀逸。過去の振り返りをしているはずなのに未来を見ているかのような錯覚。今後も進化し続ける期待を持たせてくれるものだった。

 

また、月並みファンタジーといったいわゆる不人気曲を2年ぶりに掘り起こし、全く違うパフォーマンスに変更して「魅せる」の期待を大きく上回ってきたというのも、非常に「らしい」と思った。まさしく、予想は裏切るが、期待は裏切らないのがAMEFURASSHI。

 

過去パートがフルコーラスではなくワンハーフだったのは、”Bad Girls”の物語、つまり現在であることを忘れないよう、あえて短くしたのでしょう。

 

ここで、メタモル以降の楽曲で今回セトリから落ちたのは、ピックアップしてみると、

 

  • SENSITIVE
  • Blue
  • One More Time

 

の3曲。今回の5周年ライブで今の到達点を示すなら、アメフラっシ楽曲を思い切って外して、この3曲を入れてセトリを組むこともできたはず。なので意図的にAMEFURASSHI曲を3曲とアメフラっシ時代の3曲と入れ替えたと感じる。

 

ここでセトリ構成をあたらめて見てみる。

 

M11    EP SENSITIVEの楽曲

M12-14  アメフラっシ時代

M15    EP SENSITIVEの楽曲

 

過去を振り返るにあたり、2021年のEP 「SENSITIVE」楽曲で挟み込むことで時間軸をあわせ、タイムトラベル感を演出しているような気がしてきた。

 

過去に遡るのがアメフラ列車。そこで未来を見せる。現在に戻ってくるのに、もう一度アメフラ列車に乗車する演出をするのもカッコ悪い。そこで日付を示すカウンターを一気に進めるタイムマシン的な表現にしたとすると、あの演出も非常に納得するものではないだろうか?

 

  • 第3章

何があっても「魅せる」が自分達の軸

 

メタモル以降の楽曲を中心にライブをは構成されているが、第1章と第3章では、明確な意思をもって分けていると考えられる。前者が「観客を巻き込んで楽しむ」だとしたら、後者は「魅せて楽しませる」。

 

ステージから一方的なパフォーマンスを届けて、圧倒すると言えばいいのだろうか。コール少なめで、きまった簡単振りコピもなく、各々が音楽ライブを楽しめばOKというもの。

 

Love is love の間奏部分でソロダンスブレイクを入れたり、メタモルフォーズのドロップ部分を久しぶりにオリジナルの振付を入れたりと、とにかくダンス&ボーカルでねじ伏せる。客に煽りを入れたのは、DROP DROPの「騒げ!」ぐらいだったのでは?

 

このスタイルもAMEFURASSHI「らしさ」だと思う。

 

その極めつけが、映画化したらスタッフロールに相当すると最初に書いたSPIN。現在の最高到達点をラストに持ってきた。

 

「私達はここまで来たけど、着いてこれる?」

 

というメッセージとともに、ステージからさっと消える演出は最高にクールだった。

 

この第3章の構成をみると、Over the rainbowをバックに流しながらの導入VTRにも意味があったのではないかと気が付く。幼いころの写真などを織り交ぜ、一見すると過去を振り返っているだけのように見えるが、この中で昨年の4周年ライブにあたるFall in Love Tour 2022 のMC映像が編集されている。そこで愛来が語った言葉は、

 

「パフォーマンだけを磨いても、あまりうまくいかないこともあるし…」

 

その後、UNDER THE RAIN を歌い終わり、愛来と萌花が涙をこらえる中、ゆづが最後に言った言葉が以下になります。

 

私達はここは通過点にしたいなと思っているので。

ここで終わりではないので。

絶対みんなで、もっともっと上を目指していけたらいいなと思います。

 

第3章は、UNDER THE RAIN から始まりましたが、このVTRからの繋がりを考えると、昨年SOLDOUT出来なくて悔しかった4周年ワンマンを、この品川ステラボールでリベンジしてやる。あの時はパフォーマンスだけを磨いても…と言ったが、今からパフォーマンスをメインにもっともっと上を魅せつけてやる!というあえての逆張りセトリなのだと思いました。

 

  • アンコール エピローグ~

伝えたい『感謝』の気持ち

 

どんなライブでもMCで感謝の言葉を話す4人。それがそのまま表れたのがアンコール。特に2曲目のColorsは、初のメンバープロデュース曲で、その想いが伝わるものだったし、その後のStaring at you の選曲も過去のライブから言っても、5周年の最適解だったのではないかと。

 

轟音については、月並みと同じく、「変わっていく曲」の代表と捉えることも出来る。5人→4人体制になって歌割りが変更。梅雨祭2023から3人→4人曲へ。当初の変幻自在コンセプトも息づいている曲だと思う。

 

ここで、グロウアップを持ってくるという案もあったかもしれないが、グループの変化とともに成長する曲だし、2年連続で同一コンセプトで実施した【梅雨祭】を一番感じる曲。

 

何よりもミクロコスモス・マクロコスモスと並び、記念すべき1枚目のCDに収録されているからこそのセレクトだったと考える。

 

たった3曲だったが、過去・現在・未来を1曲ずつ。これもまた5周年を表現するセクションだったと思う。

 

 

  • その他:セトリ構成の遊び

1章と3章に関しては、導入VTR、ダンスなし・歌唱のみを1曲披露してから、スタートという構成は同じで、物語の幕が上がったことを分かりやすく示し、次の曲(Fly outやDrama)から自分達の世界観に一気に引き込むよ!という演出でそろえている。ライブ全体にわたりセクションごとがまとまりをもってショートショートのような作品構成を狙っているようにも感じました。

 

また全体を通してみてみると、中盤の2章でEP「SENSITIVE」で時間軸を合わせた手法と同じように、1曲目とアンコールラストはEP「BAD GIRL」の楽曲群で合わせていることに気が付く。

 

Bad Girls Story を表現するための1曲目と、同じ時代の曲であるStaring at youを最後に持ってくることで、ライブが紡ぐ物語全体を進行形のものではなくて回想ものと錯覚させるよう仕向けたのかもしれない。ライブ自体は、現時点の最高の状態を見せる進行形の5周年ライブだったのに、セトリでは5周年の回想ライブ。ライブが終了したら1曲目にループしていくようなセトリ構成とも考えられ、この仕掛けは、2021年のLive infinity でやったものと似た感じがします。

 

  • 総括

楽しかったというより凄いものを見せられた。

 

直近で楽しいライブは梅雨祭2023がありました。今ならUNEXTで配信しているので、2/10に配信される Bad Girls Storyとも比べてみるのも一興かと思います。

 

時間にして約2時間半、ハーフサイズに短縮した楽曲もあったが全25曲。映像を上手く使ってライブの連続感はキープ。ギャップが魅力であるMCはアンコールの時間にたっぷりと確保して生の感想も楽しめた。

 

セトリの構成を振り返ってみても、過去・現在・未来の要素を所々に散りばめて、「魅せる」と「楽しい」を最大限に演出し、5周年の「感謝」を伝えたものだった。

これを踏まえて、Bad Girls Story は、私にとって BADDEST な空間だっと思っています。

 

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セトリ

AMEFURASSHI 5th Anniversary Live 

"Bad Girls Story"

 

-VTR①-

 

M1. BAD GIRL
M2. Fly Out
M3. ALIVE
M4. ARTIFICIAL GIRL
M5. Batabata Morning
M6. グラデーション
M7. Magic of love
M8. Tongue Twister
M9. MOI
M10. MICHI

 

-MC①-


M11. DISCO-TRAIN
M12. ミクロコスモス・マクロコスモス
M13. 月並みファンタジー
M14. Rain Makers!!
M15. Lucky Number

 

-VTR②-


M16. UNDER THE RAIN
M17. Drama
M18. Blow Your Mind
M19. Love is love
M20. メタモルフォーズ
M21. DROP DROP
M22. SPIN


アンコール


EN1. 轟音

 

-MC②-


EN2. Colors
EN3. Staring at You