私のブログタイトル「人生ひまつぶし」。
これは私の座右の銘でもあります。
私は小さい頃からちょっと小難しい子供で、
「人生ってなんだろう?」
「なんで全員死ぬのに生きてなきゃいけないのだろう?」
「生きるって何の価値があるんだろう?」
という、答えにならない疑問をずっと抱えていました。
こんなこと、口に出して家族や友達と話すことではない、とは無意識に思っていたので、
誰かと話したことはないし、
だからといって哲学書や思想書を読むわけでもなく。
ただただ、いっつも「最大の疑問」として腹の底に存在していました。
答えがみつかるでもなく、
毎日がすんごく楽しいわけでもなく、
毎日がすんごく不愉快なわけでもない。
なんとなく毎日の予定を埋めて、
毎日の時間をつぶして、
今日も夜がやってきて、
明日の朝も同じように来るんだろうなぁと
生きてきました。
それが、あるとき。
私が30代前半のときですかね。
そのときの部下。
たぶん、20代後半くらいの女子。
ちょっと魔女っぽくって、ぶっとんだことを言うこともある不思議な子。
場の雰囲気にすごく気を遣って、でもその雰囲気を破壊するようなこともときどきいう鋭い子。
毎日想像がつかない言動をするので、結構気に入っていたと思います。
その子はけらけら笑いながら毎日楽しそうに会社にいるんですけど、
ある日私に質問してきました。
「ととさん、人生ってなんだと思いますか?」
唐突な質問だったので、一瞬ドキッとして、返答につまったと思います。
「え?なんでいきなりそんなことを聞くの?どういう意味の質問?」
と確か、聞き返したと思います。
「いやね、よく『人生は何かを達成しなくてはならない』とかいう人いるじゃないですか。」
「人生って何か達成しないといけないんですかねぇ?」
「ととさんがどう思っているか知りたくて」
と返ってきました。
「そうだね~」
と返しながら、私の気持ちの中ではずっとずっと腹の底にためていた長年の疑問がよみがえってきます。
本当に人生ってなんだろう?
そんな大層なことを考えて生きてなくっちゃいけないんだろうか?
そもそも、人生で何かを達成するっていつがピークなんだろう?
達成することを人生の目標にしたら、楽しいんだろうか?
短時間で頭の中でかなりぐるぐる考えていたと思います。
そのときに、ふっと頭の中に出てきた単語。
「人生は死ぬまでのひまつぶしにすぎない」
そうか、そうだったんだ。
ふいに自分の中で決着がついた気がしました。
「人生はひまつぶし、かなぁ」
ぼそっと口に出してみたら、その魔女のような子が
「ですよね~~~!!!」
「やっぱり、ととさんもそう思いますよね~~~!!!」
「人生なんていかに楽しくひまつぶしできるかにかかっていると思うんですよ、私~!」
と共感してくれました。
その後は、どういう雑談になっていったのか、今となっては全然覚えていません。
でも、あのときが、私の「人生への長い間の疑問」に決着がついた瞬間なんです。
人生はひまつぶし。
どんなひまつぶしをして、死を迎えたときにどう思える人生を送るか。
どんなひまつぶしをするかは自分の選択にかかっている。
それによって、死をピークにした自分の人生を埋めていきたい。
だから、
その後に、私は子供を産めるなら産もう、と決心しました。
特段、子供が好きなわけでもないし、子供を産まなくちゃいけないとも思ってなかったし、
23歳で結婚した夫も「子供を作ろう」なんて積極的に話したこともなかったし。
せっかくのひまつぶしなんだとしたら、
女性に生まれて、一度くらいは出産という体験をしてみてもいいじゃないか。
そして、子育てという難題に取り組んでみてもいいんじゃないか。
死を前にしたときに「ああ、子供を生んどけばよかったなぁ」と思わない人生の方がいいな、と思ったから。
なので、不妊治療は全くしていないですが、
どうやら不育症だった私は、その後3回妊娠して一人しか産めなかったけど。
1回でも出産体験できてよかったなぁと思っているし、
一人でも子供がやってきてくれてよかったなぁと感謝しています。
かといって、なんとしても子供が欲しかったわけでもないので、
もし3回ともダメだったらダメで、それはそれでチャレンジした自分を受け入れることができていたとも思います。
そして、乳がんになった。
乳がんになった当時は、全然気持ちに余裕がなくて、ひまつぶしの一環とは思えなかったけど、
鹿児島のUMSオンコロジークリニックに通って、癌と共存しながら生きるという道を選べたときに、
再び「人生って偉大なるひまつぶしなんだよなぁ」という心境に戻ることができました。
だから、
このブログのタイトルに「人生ひまつぶし」とつけました。
毎日必ずしも楽しいことばっかりじゃなかったり、
がむしゃらになりすぎて自分で自分を傷つけたり、
無気力になってしまったりすることもあるけれど、
自分自身の軸をブレさせないためにも、
この「座右の銘」は私にとって、とても重要な意味を持つものなのです。
人生ひまつぶし。
肩の力を抜いて楽しんでいこう!