某ケンバニスト女史の、買い物に同行した。
主としてバンドのライヴで使用する、シンセサイザーの新規購入である。
十数年に渡る愛用品「KORG X50」が壊れたが為の代替機。
先代が軽量無双の万能機であった由、重視されるべき要素は、可搬性と汎用性である。
必然的にターゲットとなるのは、ライヴやスタジオでの使用に耐える音質と機能を備えた、61鍵の軽量シンセサイザー。
そういった趣旨での機種選定を任されはしたが、僕とて門外漢には違いなく。
様々な店舗やネットで、あれやこれやと情報収集はした。
その結果。
京都市内の某老舗楽器量販店にて。
白羽の矢が立ったのはヤマハの「CK61」という機種である。
魅力的に感じたのは、機能の絞り込みの潔さだ。
打ち込み関連の機能やそれに伴う打楽器音源、DAWとの連携といった付加価値をバッサリと切り捨て「ライヴで鍵盤楽器を演奏する」という一点に、使用目的が特化されている。
この種の付加価値、昨今のデジタル機材としては一見必須とも思えるが、僕の周囲を見渡す限り、多くの妙齢女性鍵盤奏者は「そんなややこしいもん要らんわ」と考えている・・・様に思われる。
勿論、今回の購入者女史も、その例に漏れない。
基本的にはピアノやオルガンの音色が気分良く弾けて、あとはよく使うストリングスやブラスの音色が、必要に応じて手軽に取り出せれば良いとの事。
この機種はそういった割り切り故に、操作もシンプルだ。
一見スイッチやツマミの数が多いが、それこそが明快なインターフェイスの証である。
基本的にそれぞれのスイッチやツマミには一つずつの機能しか割り当てられていないから、その操作は正に「見たまんま」なのである。
これが実に有難い事この上無い。
昨今、この種の機材の常としては、一つのボタンに多くの機能を兼任させていて、その為見た目こそ簡素だが、動かしたいパラメーターに辿り着く迄が物凄く大変だったりする。
例えばちょっとしたキートランスポーズであったり、ダンパーペダルの位相を反転させるだけの為に、一体何回ファンクションキーを押さなければならないのか、といった恨みがある。
しかもこういった操作は往々にして、現場で時間があまり無い時に、スマホで検索したマニュアル片手に大慌てで・・・といったケースが多いから、その鬱陶しさは尚更だ。
この機種の、トップパネルにズラリとならんだボタンやツマミは、そういった煩わしさからの解放を意味する。
キートランスポーズのボタンなど、本来この様に表に出ていて然るべきものではないかと思う。
ツマミの形状やフェーダーの意匠も、実に僕好みの風情だ。
とはいえ僕が使う楽器ではないから、僕の好みは全く関係無いのだが。
その分、その場で直感的に音色をアレコレ弄れる要素は多く、エフェクトの設定や、音色のスプリットやレイヤー等も、表に出ているツマミやボタンでチョチョイのチョイだ。
とりわけ僕が萌えるのは、オルガンの音色をドローバーで弄れる事である。
とはいえ僕が使う楽器ではないから、僕の好みは全く関係無いのだがパート2。
あとは持ち主が今後、この楽器を使い込んで気に入ってくれる事を祈るばかりである。
けだし、機種選定の責任は僕にある由、後々無用の叱責を受けたくはないが故に。
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