谷村新司氏の訃報に接してから、幾日が過ぎただろうか。

今日になって漸く、追悼記事めいたものをしたためる気になった。

その死を此処に、心より悼む。

 

思春期の頃。

生まれて初めて観に行ったコンサートは、アリスだった。

ギターを弾き始めた切っ掛けもまた、アリス。

当然の様に、モーリスを買った。

毎週夜更かしをしてヤンタンを聞き、MC中における下ネタの匙加減も谷村氏から学んだ。

以後現在に至る迄、泥沼の如き音楽生活。

言うなれば氏は、僕の人生を狂わせた張本人である。

恨んでも恨みきれない。

同様の被害に遭われた、同世代の御仁も多い事とは思うが。

勿論先方は、知った事ではないだろうが。

 

ここ15年間は他と並行して、アリスのカヴァーユニットなどもやらせていただいていた。

これまで数多くのバンドやユニットに参加してきたが、僕がリードヴォーカルなどという恐ろしいパートを担当したのは、後にも先にも、このユニットのみである。

このユニット、最低でも月に一度はステージに上がっていたから、アリスの楽曲或いは谷村氏や堀内氏のソロ曲など、結構な曲数を演奏したものと思う。

 

僕は声が低いので、ずっと谷村氏のパートを担当させてもらっていた。

だから僕がこれまでステージ上で披露させていただいた歌唱は九割九分九厘、谷村氏の物真似を意図したものである。

それまで歌は本当に門外漢だったから、それらしく聴かせる為に、発声など研究し、随分と練習もした。

とはいえ、物心ついて最初にシビれた歌声に、寄せる稽古は苦にもならない。

 

色々語ればキリが無いので、これ迄とするが、差し当たって今宵は、このアルバムを聴いている。

知名度は比較的低い作品だが、僕もライヴでよく歌わせていただいた、大好きな三曲が収録されている。