佐藤さとる著「ふしぎな目をした男の子」読了。


コロボックルシリーズ第4作。

このところ本当に、小人の話ばかり読んでいる。

僕は余程、現実逃避がしたいらしい。


筋立てなどは上掲の画像にて、裏表紙に記されている通りだから割愛する。

主役は歳とった学者のコロボックルである。


この年寄りの棲んでいる家というのが、中々にいかしているのだ。

この挿絵では分かり難いかもしれないが、山中に捨てられて半分土に埋まった土瓶を、住宅としてリフォームしたものである。


注ぎ口の部分が丁度真上を向いていて、それを煙突として有効活用している。
堅牢さと快適さを兼ね備えた、実に住み心地の良さそうな物件ではないか。


リフォームを手掛けたのは「トギヤ」という名の、小人達の世界では最も腕の立つ、大工の棟梁である。

彼の様な「無口な職人さん」には、昔から憧れがある。

自分とは真逆過ぎて、我ながら無いものねだりも甚だしいとは思うが。


雨の中や、土木工事の現場では、小人達は雨合羽の代わりに、蛙の皮を着るのだ。

それっぽい動き方の訓練も積んでいるから、人間の目には、本当の蛙と見分けがつかないらしい。


だとすれば我々も、知らぬ間に彼らを目撃している可能性はある。

夢のある話ではないか。