監督:瀧本智行、大庭功睦

主演:戸田恵梨香、伊藤沙莉、三浦透子、奥野瑛太、田村健太郎、中島歩、細川岳、細田善彦、周本絵梨香、金澤美穂、ヒコロヒー笠松将、レイザーラモンHG、永岡佑、中村優子、市川実和子、高橋和也、杉本哲太、余貴美子、石橋蓮司、富田靖子、生田斗真

 

六星占術と「大殺界」「地獄に堕ちるわよ!」の強烈ワードで一世を風靡した占い師・細木数子。戦後の貧困から夜の街でのし上がり、20代でナイトクラブを次々と成功させ「銀座の女王」となる。その後占い師としてTVと出版界を席巻、著書は占い本としてギネス世界記録を樹立。一方で霊感商法や裏社会とのつながりなど、黒い噂が囁かれた女傑の素顔とはー?昭和から平成にかけての60年にわたる風景を鮮やかに映像化しながら、一人の女の壮絶な闘いと欲望渦巻く虚々実々のドラマが繰り広げられる。(Filmarks)

 

 

公開日:2026年4月27日

制作国・地域:日本

 

 

行動力の魔女 

 

ネトフリの話題作。

 

本当かどうかはさておき、

細木数子の底知れぬ執念と、絶対に負けない鬼のような心を目の当たりにした。

 

ただ、彼女が築いた地位と名誉には、

1ミリもあこがれを感じなかったなぁ。

 

 

  グッときた点

 

①半端ない行動力

 

主人公の数子は、終戦の極貧状態を経験する。

食べるものがなくて、ミミズを食べたりするなど、本当に苦しい生活を強いられる。

 

そこから、母親の家業のおでん屋を手伝い、

自身で、軽食屋を立ち上げ、スナックを開業し、銀座に店を出し、店舗を拡大する。

 

さらに、金の臭いを感じ取り、大富豪の息子と結婚(すぐに離婚するけど)。

 

数子の結果にコミットする行動力は本当に凄いと思う。

 

客の求めているものを突き止め、足りない知識は勉強で補う。

 

努力をかかさないのだ。

 

成功が欲しいと言いながら、何もしない人が多い世の中で、彼女は行動し続ける。

 

だから彼女は成功したのだ。

 

この努力だけは学ばないといけないと思った。

 

 

 

②地獄に堕ち続ける

 

そんな行動力も、数子の強欲が合わさることで、方向性が変わってくる。

 

銀座での店舗展開が上手くいっていたのだが、

突如現れた魅力的な男に騙されて、見事に財産を失う。

 

そこから、やくざの犬になり、さらに転げ落ちていく。

 

これが本当なら、数子の人生はジェットコースターそのもの。

 

結局、別のやくざの助けを受けて救われるのだが、

こうした経験が、その後の島倉千代子や、日本のフィクサーとの強制結婚のような、

強欲モンスターへと変貌を遂げていくきっかけになる。

 

1話、2話で努力家だった数子の堕ちっぷりは、見ごたえがあった。

 

 

 

③戸田恵梨香&伊藤沙莉

 

細木数子を演じた戸田恵梨香。

 

僕はいい仕事をしていると思う。

 

細木数子の姿に似ているのではなく、

細木数子がもつ内側の魔性性、強欲さ、執念みたいなものを演じていた。

 

一応、それっぽいメイクもしているが、往年の数子の無頼漢ぶりは実に迫力があった。

 

さらに、そこに喰いつく小説家の魚住(伊藤沙莉)も良かった。

 

全てを手に入れた数子の思い通りにはならない唯一の変数みたいな立ち位置で、

異常なほどの金の亡者:数子と、相対する姿が凛々しく、健気で応援したくなった。

 

二人の俳優の心のこもった演技は引き込まれた。

 

 

 

④セットすげぇ

 

銀座の街のセット。

 

このメイキング(4分11秒くらいから)を見てもらうとわかるのだが、とても良く出来ている。

 

この時代を知っているわけではないけど、CGも使いながらも、だだっ広い空き地に銀座を作っている。

 

このセットがあるからこそ、物語に説得力を持たせることが出来ている。

 

美術さん、いい仕事してますねぇ

 

 

 

 

 

  惜しい点

 

①後半もう一ひねり欲しかった


前半~中盤は数子の成り上がりと、地獄を這う物語だった。

 

後半は島倉千代子から搾り取る話。

昭和の思想家:安永正隆(石橋蓮司)の妻を狙う話が展開する。

 

そして、占い師として爆発的人気を得ていく。

 

そこから小説を出す出さないの話になるのだが、ちょっとトーンダウンしていく。

 

せめて、週刊誌から暴露記事が出て奔走する数子も見たかったな。

 

んで、最後は幼い数子の幻影と向き合って、

「細木数子は欲しい物をすべて手に入れた」というナレーションで終わる。

 

うーん、、、。

 

全てを手にれたのは良いけど、

フィクションならもう一ひねり衝撃を入れて欲しかったなぁ。

 

 


②体当たりではあるが、もっとドロドロして欲しい


結構、闇に入り込んだドロドロした話な割には、

描写は中学生くらいでも閲覧可能な内容だった。

 

ここまで泥臭い内容だったら、

エロ・グロについてももうちょっと振り切っても良かったんじゃないかと思う。

 

前も何かで触れたが、エロ・グロがあれば作品が良くなるとは思わない。

 

ただ、昭和の闇を描き、振り切った物語にするのであれば、

この作品で描かれているようなオブラートな世界ではないはず。

 

要所要所に思わず目をそむけたくなるような描写が入り込んでくると、

この作品の説得力は増したと思う。

 

もう好みの問題ですわ。

 

 

 

  まとめ

 

期待値が高かっただけに、ちょっと期待外れだった。

 

地面師たち」みたいなドロドロした裏社会系の話を期待してたから、

ちょっとドロドロが薄味がした。

 

数子の成り上がる様は成長を感じて面白かったし、

そこから地獄に堕ちる様子も見応えがあった。

 

数子が大成功してしまってからは、エキサイティングな展開が無くなり、

最後は尻すぼみに感じてしまった。

 

題材は面白かったし、役者の演技も熱はこもっていたが、

ちょっと物足りなかった

 

やはり戸田恵梨香が細木数子っていうのは、美しすぎたかもしれない。

 

現実の細木数子の不動明王みたいな面構えは、

壮絶な人生の上にあり、それと引き換えにたくさんの犠牲を払ってきた証なんだろう。

 

その壮絶さの説得力がドロドロが弱いせいで、説得力に欠けていた。

少なくとも、NETFLIXに僕が期待している描写と、本作の描写に乖離を感じた。

 

それにしても、細木数子ほどの地位と名声を手にしたとして、

 

こんな人生幸せなんだろうか?

 

人を食い物にして、上り詰め、物質的には全てを手にしているが、

多くのものを失っているようにしか見えなかった。

 

価値観を押し付けるつもりはさらさらない。

勤勉さと、努力は認めるけど、間違いなく、

僕はこの人のような人生は歩まないなと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

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