監督:久保茂昭
主演:山崎賢人、山田杏奈、矢本悠馬、玉木宏、舘ひろし
 

明治末期の北海道を舞台にアイヌ埋蔵金争奪戦の行方を描いた野田サトルの大ヒット漫画を実写映画化。

日露戦争での鬼神のごとき戦いぶりから「不死身の杉元」の異名を持つ杉元佐一。ある目的のため一獲千金を狙う彼は、北海道の山奥で砂金採りに明け暮れていた。そんなある日、杉元はアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った「のっぺら坊」と呼ばれる男は、捕まる直前に金塊を隠し、その在処を暗号にした刺青を24人の囚人の身体に彫って彼らを脱獄させた。金塊を見つけ出すべく動き始めた杉元は、野生のヒグマに襲われたところをアイヌの少女アシリパに救われる。彼女は金塊を奪った男に父親を殺されており、その仇を討つため杉元と行動をともにすることに。一方、大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉と、戊辰戦争で戦死したとされていた新選組副長・土方歳三も、それぞれ金塊の行方を追っていた。

「キングダム」シリーズの山崎賢人が杉元、「彼女が好きなものは」の山田杏奈がアシリパを演じ、眞栄田郷敦、工藤阿須加、玉木宏、舘ひろしら豪華キャストが個性豊かなキャラクターたちを演じる。監督は「HiGH&LOW」シリーズの久保茂昭。(映画.com)

 

2024年製作/128分/PG12/日本
配給:東宝
劇場公開日:2024年1月19日

 

THE漫画 

 

漫画原作だけど原作は未読。
 
なんとなく漫画のキャラの再現度は高いと感じたんだけど、
だから面白いかと言ったら、
映画としての完成度は高くないと思った。
 
誰でも受け入れそうな安全な着地を狙ったが故に、
僕にはあまり刺さらなかった。
 

 

  グッと来た点

 

①漫画的な面白さ
 
漫画の再現に重きを置いた演出をビシビシ感じた。
 
原作のもつ面白さゆえなのだろうけど、
埋蔵金のヒントが脱獄囚の入れ墨に隠されていて、
そいつらを探すという物語は面白いと思った。
 
 
②キャラが立っている
 
どの人物もわかり易い特徴を持っていて、
個性の強いキャラが次から次へと出てくるのが面白かった。
 
特に玉木宏演じる鶴見の禍々しさは、
役にピッタリで、
まさに漫画を見ているかのような感覚になった。
 
 
③アシリパ
 
山田杏奈演じるアシリパが良きバディだった。
 
幼さと、かわいらしさと、強さを兼ね揃えていて、
その純粋な心が魅力的に見えた。
 
そういえば山田杏奈は「ミスミソウ」に出てたけど、
なんかずいぶん雰囲気が変わったように思えた。
 
「うんこ」を連呼するのも愛嬌があってよかったが、
でも、ちょっと連呼の数が多かった。
 

 

  惜しい点

 

①やっぱ中途半端なんよな
 
ストーリーは原作でいう所の3巻~4巻くらいの所で終わっているみたい。
ということは、残り28巻くらいをどこまでやるのか?
 
キングダムみたいにシリーズ化していくのか?
 
いずれにしても、
これからが「本格的な幕開け」みたいな感じで終わるもんだから、
 
でしょーね!でしかなかったので、
僕的には満足度は高くなかった。
 
②演出が安っぽい
 
最初の戦争のシーンはかなり力が入っているように感じて、
制作陣の気合がうかがえたのだが、
それ以降がトーンダウン。
 
最初の雰囲気が良かったから、
それ以降のあからさまにセットでやってます感の街並みや、
アクションシーンのしょっぱさが、
逆に目立ってしまった。
 
最後のそりの上での戦いとか、
全然熱くならなかった
 

 

  感想

 

でも、評価は高いんだよね。
 
これは漫画リスペクトがしっかりされているからなんだろう。
やっぱり、漫画原作の映画って難しい。
 
どうしても、原作が頭にあると、
それとのギャップが生まれてしまうから、
大半のそれは酷評が多い。
 
でも、この作品はしっかり成功している。
そういう意味でのアプローチとしては正解なんだろうな。
 
映画を観ていて、設定自体はとても面白かったので、
むしろ原作を読んでみたい気持ちにかられました。