偉大なる監督:ジョージ・ミラー
主演:アニヤ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、ラッキー・ヒューム
2015年に公開され、日本でも熱狂的なファンを生んだジョージ・ミラー監督のノンストップカーアクション「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。同作に登場した女戦士フュリオサの若き日の物語を描く。
世界の崩壊から45年。暴君ディメンタス将軍の率いるバイカー軍団の手に落ち、故郷や家族、すべてを奪われたフュリオサは、ディメンタス将軍と鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョーが土地の覇権を争う、狂気に満ちた世界と対峙することになる。狂ったものだけが生き残れる過酷な世界で、フュリオサは復讐のため、そして故郷に帰るため、人生を懸けて修羅の道を歩む。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」ではシャーリーズ・セロンが演じ、強烈な存在感とカリスマ性で人気を博した女戦士フュリオサを、今作では「クイーンズ・ギャンビット」「ラストナイト・イン・ソーホー」などで人気のアニヤ・テイラー=ジョイが新たに演じた。ディメンタス将軍役で「アベンジャーズ」「タイラー・レイク」シリーズのクリス・ヘムズワースが共演。1979年公開の第1作「マッドマックス」から「マッドマックス 怒りのデス・ロード」まで一貫してメガホンをとっている、シリーズの生みの親であるジョージ・ミラーが、今作でも監督・脚本を務めた。(映画.com)
2024年製作/148分/PG12/アメリカ
原題:Furiosa: A Mad Max Saga
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2024年5月31日
おかえり、ガソリンと爆音の世界
2024年、
映画館で観るべき映画をあげるとしたら、
迷わずこれを推したい。
ジョージ・ミラー御大の年齢を一切感じさせない圧倒的世界観の前に、
ただただ震え続ける2時間半だった。
グッと来た点
①やっぱりヒャッハーな世界
本当にさぁ、ヒャッハー過ぎるわぁ。
もう、なんなのこの世界観。
たまらんわぁ。
人喰い男爵とか、武器将軍とかいうキャラもいて、
出てくるやつの9割9分がまともじゃない。
前作から9年経っているのだが、
世界観はひよるどころか更にパワーアップしてて、
この世界の無限の可能性を感じた。
②ヒャッハーなアクション
アクションがバカすぎるでしょ笑
中盤のトラックでのバトルがこの映画の大トロ!
もちろん1番テンションが上がったシーンだったんだけど、
出てくる奴がどいつもこいつも命をかえりみなさ過ぎで、
命ってこんなに軽かったっけ?
と、勘違いしてしまいそうなほどだった。
更に、どのアクションも斜め上を行くものになってるから、
これやっちゃうのかよ!?の連続で興奮が止まらなかった。
③イモータン・ジョーのリーダー論
説明不要の王、
イモータン・ジョー。
彼のリーダーとしての決断力と行動力に魅了された。
途中、ディメンタスとの交渉が発生し、
リーダーとしての決断を迫られるシーンが何度かある。
しかし、その判断は周りのヒャッハーな参謀達とは異なり、
とても冷静で、戦略的。
その上で即行動。
なぜ、彼がこの世界のリーダーとして君臨しているかが腹に落ちるシーンだった。
④音がブリッブリ
ずっと後ろで不安でハードロックなサウンドが鳴り続けている。
アクションシーンに移行すると、
そのテンションは上がり、
そうでない時はエンジン音のように重低音を鳴らし続ける。
このサウンドがバキバキでかっちょ良い!
各シーンをめちゃめちゃ盛り上げてくれて、
この映画にこのサウンドありだった。
⑤ヒャッハーなキャスティング
アニヤ・テイラー=ジョイと、
クリス・ヘムズワースの配役は良かった。
とくに後者はこのマッドな世界にソーはまるか?
と、不安視していたが、
杞憂に終わった。
クリスはしっかりハマっていて、
復讐の相手なのに、
どこか憎めないディメンテス将軍を好演していた。
アニヤは目が良い。
色々背負っているのが伝わってくるような力強い目が実にハマっていた。
惜しい点
①後半がヒャッハーに欠ける
前中盤であれだけぶち上げてきたのに、
後半、ディメンタス将軍への復讐を果たす展開で急に失速。
計算の上の演出だったかもしれないが、
それまでの流れがぶち上がりだったものだから、
ちょっと物足りなさを感じてしまった。
僕としては最後までヒャッハーを貫いて欲しかった。
②2時間半は短い
お腹いっぱいと言う人もいるかもしれないが、
もうひと山あったのなら、
3時間の上映時間でもよかった。
世界観が圧倒的なので、
2時間半の作品で久しぶりに時間が短く感じてしまった。
それだけの没入感だったので、
もうひと山!あと30分は欲しかった。
感想
安直な感想だが、
やっぱりマッドマックスは凄かった。
全員間違っているはずなのに、
この世界においては「それこそが正解」。
これが、さも当たり前かのように見せているのが凄い。
唯一無二という言葉はまさにマッドマックスのためにある言葉にも思えた。
やってる事は無茶苦茶だし、
狂った憎めない奴等がたくさん出てくるし、
マジで狂ってんなぁと思っていたら、
ど迫力のアクションと爆音の連続で畳みかけ、
さらに頭のネジを吹き飛ばしてくる。
人間って、
ぶっ壊れ過ぎる状況を目の当たりにすると、
本能が呼び起こされるんだろうな。
今回も見事に本能が呼び起こされ、
上がりっぱなしだった。