監督:ドゥニ・ビルヌーブ
主演:ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、ジェイソン・モモア、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、オスカー・アイザック、レベッカ・ファーガソン、ステラン・スカルスガルド
 

「ブレードランナー2049」「メッセージ」のドゥニ・ビルヌーブ監督が、かつてデビッド・リンチ監督によって映画化もされたフランク・ハーバートのSF小説の古典を新たに映画化したSFスペクタクルアドベンチャー。

人類が地球以外の惑星に移住し、宇宙帝国を築いていた西暦1万190年、1つの惑星を1つの大領家が治める厳格な身分制度が敷かれる中、レト・アトレイデス公爵は通称デューンと呼ばれる砂漠の惑星アラキスを治めることになった。アラキスは抗老化作用を持つ香料メランジの唯一の生産地であるため、アトレイデス家に莫大な利益をもたらすはずだった。しかし、デューンに乗り込んだレト公爵を待っていたのはメランジの採掘権を持つハルコンネン家と皇帝が結託した陰謀だった。やがてレト公爵は殺され、妻のジェシカと息子のポールも命を狙われることなる。

主人公となるポール役を「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメが務めるほか、「スパイダーマン」シリーズのゼンデイヤ、「アクアマン」のジェイソン・モモア、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、オスカー・アイザック、レベッカ・ファーガソンら豪華キャストが集結。2022年・第94回アカデミー賞では作品賞をはじめ計10部門にノミネートされ、撮影、編集、作曲など技術部門を中心に同年度最多となる6部門で受賞を果たした。(映画.com)

 

2021年製作/155分/G/アメリカ
原題:Dune
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2021年10月15日

 

 

世界観エグいて 

 

パート2が公開中ということで、
パート2目当てでパート1を鑑賞。
 
これ自体はまさに序章ということで、
単体での満足度は弱かったが、
2に続くポテンシャルとしては大きな可能性を感じる作品だった。
 

  グッと来た点

 

①世界観えぐない?
 
この惑星と、そこに住む人、
全てが恐ろしいほどの世界観を放っている。
 
その完成度がめちゃめちゃ高いので、
彼らが当たり前のように使いこなすアイテム全てが新鮮だったし、
サンドワームの脅威も日常にあるものとして描かれていて、
この惑星の当たり前が画面の隅々から伝わって来た。
 
 
②手を抜き箇所が見つからない
 
これだけのスケールにも関わらず、
画面から発せられる力には、
どこにも手を抜いた気配を感じなかった
 
もっというと、
普通の映画の1.2倍〜1.5倍くらいの濃度で作品を使っているにも関わらず、
他の作品同等の質感になっていないという表現が適切かもしれない
 
これは凄いことで、
これから見るであろうパート2が、
その先の世界を見せてくれるということで今からワクワクしている。
 
 
③俳優陣
 
どの役も俳優にハマっている。
 
ハビエル・バルデムも渋くてカッコ良いのだが、
なんと言っても皇帝役のステファン・スカルスガルドが良い
 
フィンチャー監督の「ドラゴンタトゥーの女」での役も印象的だったが、
本作の方がバッチバチにハマっている。
 
皇帝が毒ガスをくらって、
治療のために浸かっているドス黒い風呂から顔を出しシーンがあるが、
禍々しさが半端じゃなく
ラスボスに相応しい佇まいを感じた。
 

 

  惜しい点

 

①ラストがあっさり過ぎる
 
本作を一本の作品と捉えると、
どうしても消化不良に感じる。
 
それは、最後に派手な戦いがないからだろう。
 
一応戦いはあるのだが、
それは、喧嘩ごしのオッサンとのタイマンで、
まさかのこれがラストバトル。
 
ほんでもって、これ自体がまー地味。
 
で、この戦いの後に「こうして旅が始まった」というナレーションが聞こえて来そうな雰囲気で終わる。
 
なもんだから、
えっ?終わり?
ってなった。
 
これでパート2が無かったら大分しんどかったので、
この消化不良感は致し方ないが惜しい。
 
 
②設定に慣れる努力が必要
 
ファイナルファンタジー13というゲームをやったことがあって、
「パルスのファルシのルシがパージでコクーン、、、」
みたいな会話をされてうんざりした記憶がある。
 
まあ、これほど酷いものではないのだけど、
若干この臭いを感じた。
 
映画を途中で止めて、
一旦設定を確認してから再開出来たので理解が追いついたが、
映画館だったら結構な集中力が必要だった。
 
世界観への没入のため、
余計な説明を省いているのだろうけど、
もうちょい親切仕様でも良かった。
 

 

  感想

 

すでにパート1で十分世界観が出来上がっているので、
これからさらにどうぶち上げるのか非常に楽しみになる作品だった。
 
パート3まで予定されている本作なので、
どうしてもパート1単体で見ると前菜とスープくらいのあっさり感は感じる。
だが、それにしても、世界観はエグかった。
 
さぁ、これからどんなメインディッシュを喰らわしてくれるのか、