監督:M・ナイト・シャマラン

主演:ベン・オルドリッジ、ジョナサン・グロフ、デイブ・バウティスタ、ルパート・グリント、ニキ・アムカ=バード、アビー・クイン

 

「シックス・センス」「オールド」のM・ナイト・シャマラン監督が、ポール・トレンブレイの小説「終末の訪問者」を原作に、世界の終末と家族の命を天秤にかけた非情な決断を迫られる一家の危機を描いたスリラー。
ゲイのカップルであるエリックとアンドリュー、そして養女のウェンの家族が山小屋で穏やかな休日を過ごしていると、突如として武装した見知らぬ謎の男女4人が訪れ、家族は訳も分からぬまま囚われの身となってしまう。そして謎の男女たちは家族に、「いつの世も選ばれた家族が決断を迫られた」「家族のうちの誰か1人が犠牲になることで世界の終末を止めることができる」「拒絶することは何十万もの命を奪うことになる」と告げ、エリックとアンドリューらに想像を絶する選択を迫ってくる。テレビでは世界各国で起こり始めた甚大な災害が報じられるが、訪問者の言うことをにわかに信じることができない家族は、なんとか山小屋からの脱出を試みるが……。
謎の訪問者を演じるのは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのデイブ・バウティスタ、「ハリー・ポッター」シリーズのルパート・グリント、シャマラン監督の「オールド」にも出演したニキ・アムカ=バード、「秘密への招待状」のアビー・クイン。突然の悲劇に襲われる同性カップルのエリック役をドラマ「Fleabag フリーバッグ」のベン・オルドリッジ、アンドリュー役を「マトリックス レザレクションズ」のジョナサン・グロフが務める。(映画.com)

 

2023年製作/100分/G/アメリカ
原題:Knock at the Cabin
配給:東宝東和
劇場公開日:2023年4月7日

 

良くないほうのシャマラン 

 

冒頭から不穏。

 

そして、急に訪れる訳の分からない状況に、

「お!シャマラン、今回はやってくれるのか!?」と期待に胸が高まったが、

蓋を開けてると、シャマランの悪い癖が出てしまい、

最後の最後でテンションは失速した。

 

  グッときた点

 

①それでもくぎ付けにする演出力

 

結果、残念な作品ではあったが、

それまで一気に見せる力はさすがシャマラン。

 

場数の違いを見せつけてくる。

 

何かが起こりそうで、

実際に何かが起こり、

この先が読めず、

どうなる?どうなる?

の連続に、

しっかりとくぎ付けにされた。

 

この構成力と、魅せる演出力はさすがだった。

 

②訪問者の覚悟の圧

 

4人の訪問者の覚悟を背負った演技は素晴らしかった。

 

全員途中で倒れてしまうんじゃないかってくらい、

息が荒く、鬼気迫っていて、

尋常ではない状況であることが手に取るようにわかった。

 

しかも、説得に失敗するたびに、

自ら命を差し出し犠牲となっていく。

 

そこまでせんでも、、、の連続だったし、

この自殺行為こそが、

エリックとアンドリューの疑心暗鬼をあおり散らかしていた。

そして、それに全く気づいていない訪問者がとても悲しく映った。

 

非常にイカれたシチュエーションだが、

結果、この切迫感が映画の緊張感を高め続けていた。

 

 

  惜しい点

 

①オチの弱さ

 

これに尽きる。

 

訪問者の言う通り、

エリック、アンドリュー、ウェンの誰かの命を捧げないと、

本当に世界が終わる事を悟ったエリックは、

アンドリューに懇願し、

その命を世界のために捧げた。

 

すると、各地で発生していた未曽有の大惨事がピタッと止み、

世界は終末を免れる。

 

めでたし、めでたし、、、、

 

 

 

いやいやシャマラン!

それだとあまりにも普通じゃないか!!

 

シャマランがやるなら、

本当は「めでたし、めでたし」で行きたいところだけど、

何かの不都合でそれがうまくいかず、

先の3人は滅亡した世界からはじき出され、

宇宙空間で漂う(ジョジョ2部のカーズ状態)という方向に行くんじゃないのか?

 

というツッコミを入れたくなってしまった。

 

そう、あまりにもベタ。

 

それまでの流れで散々あおりまくっていたこともあって、

「それで終わり?」という大合唱が鳴り続けていた。

 

あおりがある程度抑えられていたらまだ良かったが、

冒頭から相当あおってきていたので、

ラストに関しては、

期待という打席で全て空振り三振を取られてしまった感が否めない。

 

もうこれが本作の急所。

これに尽きると思う。

 

 

  感想

 

前作「オールド」では、

最後に裏設定が繰り広げられたこともあって、

一定の説明はされていた。(もちろんその説明も正直なところ不十分だけど)

 

今回は説明はないし、

オチはべタだしで、

鑑賞後の残念な印象が強く残ってしまった。

 

でも、シャマランは本当にこのエンディングを望んでいたのだろうか?

ネトフリあたりで一度シャマランに好き勝手に作らせてみたらどうだろう。

 

それでも、同じ作品が生まれてしまうようだとしたら、

シャマランの今後への期待は薄れ行く一方だが、

ドント・ルック・アップ」くらいの強烈なパンチを込めた作品を生み出すことが出来そうな気がしてるので、

我が道を貫いて、とんでもない作品を生み出して欲しい。