著者:夕木春央

 

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。
タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。(Amazon)

 

出版社 ‏ : ‎ 講談社 

 

「乗船したら最後。その衝撃に耐えられない」

 

僕はミステリーやサスペンスが昔から好きなので、

映画も、それ系の面白そうなものがあるとすぐに飛びつくが、

やはり、2023年にもなると、

どんでん返しと言っても出尽くしている感が否めず、

半ば強引な手法が横行していて、

一定の衝撃を受ける機会は相当に少なくなっている。

 

 

最近では「#マンホール」なんかは最たる一例だ。

 

 

 

 

 

そんな中、先日ブログにアップした「シネコヤ」。

その素敵さを僕の友人にも紹介したところ、

「たぶんラストで、えー!!って声に出すと思うよ」と、

薦められたのが本書。

 

 

 

結論、

度肝を抜かれた。

 

 

十角館の殺人」「殺りくにいたる病」といった小説で衝撃を受けた感覚を久しぶりに味わった。

 

 

映画作品で言えば「真実の行方」「SAW」の衝撃に近い。

 

鑑賞後に呆然となる感覚。

 

 

その衝撃がこの作品には詰め込まれている。

 

 

この作品が映像化したらどうなるのか。

 

小説じゃなければ成立しない作品ではないので、

映像化の可能性がありそうな気がするが、

その際は骨太なキャストで重厚な作品を作ってもらいたいと思った。

 

 

どんでん返しが安売りされている今のエンタメ界に対して、

 

本物のどんでん返しとはこう言う事ですよ

 

と、そっと差し出された爆弾が本書だ。

 

 

この衝撃は僕の頭にしっかりと焼き付けられたので、

当ブログへのネタバレはしない。

 

ミステリー映画好きの方には是非この衝撃を味わっていただきたいと思った。