少額訴訟の終局判決に対する異議の取下げには,相手方の同意が必要(民訴378条2項,360条2項)。
少額訴訟の終局判決に対する異議の取下げに相手方の同意が必要な理由(民訴378条2項、360条2項)は、相手方の権利保護と手続きの公平性を保つため。
1. 少額訴訟の特徴
少額訴訟は、簡単で迅速に解決することを目的とした手続き。通常、一回の審理で判決が出され、当事者が早く結果を得られるように設計されている。この迅速性が少額訴訟の大きな利点。
2. 異議の取下げの影響
異議を申し立てると、少額訴訟の判決は一度ストップし、通常の訴訟手続きに移行する。つまり、判決が確定せず、異議申し立てによって手続きが進行する。
ここで、異議を取下げると再び少額訴訟の判決が確定することになる。この確定は、相手方にも大きな影響を及ぼす。
例えば、相手方は少額訴訟の判決に従う準備をしているかもしれませんし、異議が申し立てられたことで時間や費用をかけて対応している可能性もある。
3. 相手方の権利を守るため
異議の取下げが自由にできると、相手方が不意を突かれる可能性がある。取下げによって、相手方が突然少額訴訟の判決に従わなければならない状況に戻されると、不公平。そのため、異議を取下げる際には相手方の同意を得ることで、相手方の権利や利益が十分に保護され、手続きが公正に進行することを確保する。
簡単に言うと
異議の取下げは判決の確定に直接関わるため、相手方が不意を突かれたり、不利な状況に陥らないように、同意が必要とされるのだ。これにより、手続きが一方的にならず、公平さを保つことができる。