取得条項付新株予約権の取得と引換えにする新株予約権の発行について
学んでいく。
【株式会社甲の登記記録】
新株予約権
第1回新株予約権
新株予約権の数 100個
会社が新株予約権を取得することができる事由及び取得の条件
当会社は、当会社が別に定める日が到来したときに、当会社の第1回新株予約権を取得し、新株予約権1個に付き、当会社の第2回新株予約権1個を交付することができる。
取締役会設置会社
監査役設置会社
※第1回新株予約権は、令和3年6月20日の定時株主総会の決議で発行されたものであり、新株予約権証券は発行されていない。
※第2回新株予約権は新株予約権欄にまだ登記されていない。
【事実関係】
1.令和4年6月10日、取締役会を開催し、令和4年6月30日を新株予約権の取得日に決定した。
新株予約権
第1回新株予約権
新株予約権の数 100個
会社が新株予約権を取得することができる事由及び取得の条件
当会社は、当会社が別に定める日が到来したときに、当会社の第1回新株予約権を取得し、新株予約権1個に付き、当会社の第2回新株予約権1個を交付することができる。
取締役会設置会社
監査役設置会社
※第1回新株予約権は、令和3年6月20日の定時株主総会の決議で発行されたものであり、新株予約権証券は発行されていない。
※第2回新株予約権は新株予約権欄にまだ登記されていない。
【事実関係】
1.令和4年6月10日、取締役会を開催し、令和4年6月30日を新株予約権の取得日に決定した。
【申請情報】 |
登記の事由 | 取得条項付新株予約権の取得と引換えにする新株予約権の発行 |
登記事項 | 令和4年6月30日発行 (会社法第911条第3項第12号で規定される登記事項を記載) |
登録免許税 | 金9万円 |
添付情報 |
株主総会議事録 1通 取締役会議事録 1通 新株予約権証券を発行していないことを証する書面 1通 委任状 1通 |
朱書き、添付情報に株主総会議事録がなぜ必要なのか。
新株予約権の取得日に関する取締役会の決定について、株主総会議事録が必要な理由は、新株予約権の発行およびその取得条件が定時株主総会の決議に基づいているから。この場合の株主総会議事録は、新株予約権の内容を証明するために要求されているものなので、株主リストの添付は必要ない。
具体的には、令和3年6月20日の定時株主総会で第1回新株予約権の発行が決議され、その取得条件も同総会で決められている。そのため、取得日に関する取締役会の決定を証明するためには、その基となる株主総会の決議内容を証明する必要があるのだ。
会社の情報をきっちり読み込んでいないと株主総会議事録を書き忘れそうになる。
詳細な理由
- 発行および条件の正当性の確認: 株主総会議事録は、第1回新株予約権の発行およびその取得条件が正式に決議されたことを証明する書類。この議事録がなければ、その発行および条件が正当であることを証明できない。
- 会社の行動の合法性の確認: 取締役会での決定が株主総会の決議に基づいていることを確認するために、株主総会議事録が必要。これにより、会社の行動が適法であり、株主総会の意思に従っていることが確認できる。
- 登記手続きの要件: 新株予約権の取得に関する登記を行う際に、その取得条件が株主総会の決議に基づいていることを示すために、議事録が必要とされる。これにより、登記所に対して会社の行動が適法であることを証明できる。
このように、株主総会議事録は、新株予約権の発行および取得条件の正当性と合法性を証明するために必要というわけだ。
新株予約権と資本金の関係
新株予約権は、特定の条件下で会社の新株を取得できる権利を指す。新株予約権の取得および交付は、以下のプロセスを含みものの、資本金の増加とは直接関係しない。
- 新株予約権の発行: 新株予約権を発行する際、発行された予約権自体は会社の資本金には反映されない。新株予約権が行使され、新株が発行されて初めて資本金が増加する。
- 新株予約権の取得および交付: 今回の事例では、第1回新株予約権が取得され、第2回新株予約権が交付されるだけであり、これに伴って新たな株式が発行されるわけではない。そのため、資本金は増加しない。
資本金の額が計上されない理由
具体的には、以下の理由で「資本金の額が計上されたことを証する書面」の添付が不要となる。
- 資本金の増加なし: 新株予約権の取得および交付の手続きは、資本金の増加を伴わないため、資本金に関する書類が不要。資本金の額は、新株予約権が実際に行使され、新株が発行された時点で初めて増加するのだ。
- 書面の必要性: 「資本金の額が計上されたことを証する書面」は、資本金の増加を証明するための書類。資本金が増加していない場合、この書面の提出は必要はない。