地上権の設定行為において当該地上権の譲渡を禁止する旨の特約をすることもできますが,当該特約に違反して地上権者が地上権を第三者に譲渡した場合には,その第三者は,当該地上権を取得することができるとされている(大判明32.1.22)。
地上権の設定行為における特約とその第三者に対する効力について。
地上権とは
地上権(ちじょうけん)は、他人の土地において工作物または竹木を所有するための権利。この権利により、地上権者は他人の土地に建物を建てたり、木を植えたりすることができる。
特約とその制限
地上権の設定行為において、地上権者が第三者に対して地上権を譲渡することを禁止する特約を設けることができる。仮にこの特約に違反して地上権者が地上権を第三者に譲渡した場合、その譲渡は無効とはならず、第三者は地上権を取得することができる。
判例の説明
この点について、明治32年1月22日の大審院判決は、特約に違反して地上権が第三者に譲渡された場合でも、その第三者は地上権を取得することができるとしている。これは、特約自体が譲渡の禁止を目的とするものであっても、それが第三者に対抗できる効力を持つものではないという考えに基づいているから。
第三者対抗要件としての登記
特約について第三者対抗要件としての登記をすることはできない。つまり、特約が設定されたことを登記して第三者に対抗することは認められていないため、特約があることを知らない第三者が善意で地上権を取得した場合、その取得を妨げることはできない。
まとめ
- 地上権設定時に譲渡禁止の特約を設けることは可能。
- 特約に違反して地上権が譲渡された場合でも、第三者は地上権を取得できる。
- 特約について第三者対抗要件としての登記をすることはできない。
これにより、地上権に関する特約がどのように扱われ、第三者に対してどのような効力を持つかを覚えておきたい。