まず超重要な前提

A死亡
相続人
B C

まず

A → B 1/2
A → C 1/2

という法定相続登記がされます。

その後遺産分割で

全部 Bになることがあります。

このとき

登記方法は2つあります

① 持分移転登記
② 所有権更正登記

 

① 甲土地について,所有者Aが死亡し,子B・Cの共同名義による法定相続の登記がされた後に,遺産分割協議が成立し,Bが単独で相続することになった。この場合,Cを登記義務者として持分全部移転登記を申請することはできない。

 

答え ✖

 

問題1(×)

問題
「持分全部移転登記はできない」

答え

理由

できます。

登記

C → B
持分全部移転
原因:遺産分割

先例

📜 昭28.8.10 民甲1392

つまり

B 権利者
C 義務者

共同申請

 

 

② 甲土地の所有者Aが死亡し,Aの相続人が子B・Cである。B・Cへの法定相続の登記が完了した後,B・C間で,B持分3分の2・C持分3分の1とする遺産分割協議が成立した場合,CからBへの遺産分割を原因とする持分一部移転の登記を申請することができる。

 

答え 〇

 

問題2(○)

法定相続 分母をまずは揃える。

B 1/2(3/6)
C 1/2(3/6)

 

遺産分割

B 2/3(4/6)
C 1/3(2/6)

差分



C → B 1/6(=4/6-3/6)移転します。

つまり持分一部移転登記可能です。

 

 

③ 甲土地を所有するAが死亡し、甲土地について法定相続分での相続登記がされている場合において、Aの相続人間で遺産分割協議が成立し、相続人の一人であるBが甲土地の所有権を単独で取得した。甲土地をBの単独所有とする所有権の更正の登記を申請する場合、当該所有権の更正の登記の登記原因は錯誤になる。

 

問題3(×)

問題

更正登記の原因

錯誤

正しい原因

遺産分割です。

理由

令和5年通達

📜 令5.3.28 民二538

つまり

更正登記だけど原因は錯誤ではないです。

 

 

 

④ 甲土地を所有するAが死亡し、甲土地について法定相続分での相続登記がされている場合において、Aの相続人間で遺産分割協議が成立し、相続人の一人であるBが甲土地の所有権を単独で取得した。甲土地をBの単独所有とする所有権の更正の登記を申請する場合、当該所有権の更正の登記は、Bが単独で申請することができる。

 

問題4(○)

更正登記

申請人



B 単独

できます。

理由

令和5年通達

つまり

登記 申請
持分移転   共同申請
更正登記 単独申請

 

 

⑤ 甲土地を所有するAが死亡し、甲土地について法定相続分での相続登記がされている場合において、Aの相続人間で遺産分割協議が成立し、相続人の一人であるBが甲土地の所有権を単独で取得した。甲土地の所有権全部を目的として抵当権の設定の登記がされた場合において、当該所有権の更正の登記の申請をするときは、添付情報として当該抵当権の抵当権者の承諾を証する情報を提供しなければならない。

 

答え 〇

問題5(○)

ここ

重要です。

共有不動産に抵当権がある場合更正登記すると抵当権者に影響します。

なぜ?

抵当権は

B持分
C持分

に付いているからです。

更正すると全部Bになります。

つまり、抵当権の対象が変わる。

 

Cの持分に抵当権を設定している人は抵当権がなくなってしまう可能性がある。

 

だから📜 不登法66

利害関係人になります。

よって抵当権者の承諾必要

 

 

⑥ Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、Aが死亡し、その相続人がB及びCであるが、Bのために不在者の財産の管理人Dが選任されている場合において、CD間の遺産分割協議により、Cが単独で甲土地の所有権を取得したときは、当該遺産分割協議についての家庭裁判所のDに対する許可があったことを証する情報を提供して、遺産分割を原因とする所有権の移転の登記の申請をすることができる。

 

答え ✖

 

問題6(×)

ポイント

登記原因です。

もし相続登記前の遺産分割

なら原因 相続

になります。

しかし

問題文は遺産分割原因と書いているので誤りです。

 

 

 

⑦ 登記記録に次のような登記事項の記録(一部事項省略)がある不動産において,5番の登記は,C及びD作成の遺産分割協議書を申請書に添付してDが単独で申請することができる。

 

(登記記録の記録)
1番 省略
2番 所有権移転 所有者 A
付記1号 2番登記名義人氏名・住所変更
   原因 平成17年5月5日 相続人不存在 登記名義人 亡A相続財産
3番 所有権移転
   原因 平成19年7月7日 民法第958条の3の審判 所有者 B
4番 所有権移転
   原因 平成21年9月9日相続
   共有者 持分2分の1 C  2分の1 D
5番 C持分全部移転
   原因 平成21年12月12日遺産分割 所有者 持分2分の1 D

 

答え ✖

 

 

問題7(×)

ここは

申請方法です。

問題 D単独申請

しかしこの登記持分移転です。

つまり

C → D

だから共同申請です。

もし所有権更正なら単独申請可能です。

 

 

 

⑧ 甲不動産の所有権の登記名義人であるAが死亡し,Aの法定相続人として配偶者B,子C及び子Dがいる。「Bが甲不動産を全部取得し,C及びDは遺産の分割を受けない」と記載されたB及びC間の遺産分割協議証及び同一内容が記載されたDの遺産分割協議証を提供して,Bは,相続を登記原因とするAからBへの所有権の移転の登記の申請をすることができる。

 

問題8(○)

遺産分割協議書1通でなくてもOKです。

理由 重要なのは意思一致だからです。

 

例えば

B C
署名

D
別紙

でもOK

です。

先例📜 昭35.12.27 民甲3327

 

 

⑨ 平成25年4月1日に死亡したAが所有権の登記名義人である甲不動産について,Aの相続人がB、C及びDであり、Aの遺産の分割がされず、かつ、甲不動産について相続を原因とする所有権の移転の登記がされないまま、Dが死亡し、その相続人がEのみである場合には、B、C及びEの遺産分割協議により、甲不動産をBが単独で取得したとしても、Bは、甲不動産について「平成25年4月1日相続」を登記原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請することはできない。

 

答え ✖

 

問題9(×)

ここ超重要論点です。

 

A死亡

相続人 B C D

しかし D死亡

相続人 E

この場合

 B C E でできます。

 

その後、遺産分割でBが単独所有

 A → B
原因 相続できます。

先例

📜 昭29.5.22 民甲1037

 

相続登記がまだされていない状態で、相続人全員が遺産分割していればOK

つまり

A → 相続人全員で協議 取得者へ直接相続登記

ができます。


① 基本ルール(超重要)

相続登記がまだ無い場合遺産分割が成立すると

取得者に

A → 取得者
原因:相続

で登記できます。

先例
📜 昭19.10.19 民甲692


② 数次相続の先例はその応用

今回の問題の先例

📜 昭29.5.22 民甲1037

は「数次相続でも同じ扱い」

と言っているだけです。

つまり

  • 相続登記前

  • 遺産分割成立

なら直接登記できるという原則を数次相続でも認めただけです。


③ 例

A死亡

相続人



妻 B
子 C
子 D

 

本来の法定相続

B 1/2
C 1/4
D 1/4

遺産分割

C 1/2
D 1/2
B 取得しない

と決めた場合

 

登記

A → C 1/2
A → D 1/2
原因 相続

できます。

Bへの登記は不要です。

 

④ なぜ可能なのか

理由はシンプルです。

相続では所有権は死亡と同時に相続人へ共有で移る

(民法898)

しかし遺産分割が成立すると最初からその人が取得したと扱います。

これを遺産分割の遡及効と言います。

(民909)

つまり法律上は最初からその人のものなので

途中の登記を省略できるわけです。


⑤ 逆にできない場合

次の場合は直接登記できません。

① 相続登記がすでにされている

A → BCD

登記済

この場合

持分移転
又は
更正登記

になります。


② 遺産分割に全員が参加していない

相続人が

B C D

なのに

B Cだけで協議

は無効です。


まとめ(試験用)

覚え方



相続登記なし

相続人全員協議

取得者へ直接相続登記

数次相続は

👉 その応用にすぎない

 

 

 

 

⑩ 甲土地の所有権の登記名義人であるAに配偶者B及び子Cがいる場合において,Aが死亡して相続が開始した。Bから遺産分割協議に関する事項の委任を受けたXが,当該遺産分割協議に参加し,Cが甲土地を取得する旨の遺産分割協議書にBの代理人として署名押印している場合には,Cは,登記原因証明情報の一部として当該遺産分割協議書を提供し,甲土地についてAからCへの所有権の移転の登記を申請することができる。

 

答え 〇

 

問題10(○)

遺産分割代理人OKです。

つまり

B
↓委任
X

代理人

そして

協議書 B代理人 X 署名

OKです。

先例

📜 昭33.7.9 民甲1379

 

 

 解説を隠す

解答:○

委任による代理人も遺産分割協議に参加することができ,その場合,代理人が署名押印した遺産分割協議書を登記原因証明情報の一部として提供して,相続の登記の申請ができるとされています(昭33.7.9民甲1379)。

代理人の印鑑証明書の提供も必要です。