Junsu side・・・

あぁ・・・
すっかり遅くなっちゃったな・・・
結局、作り直すだけじゃ済まずに、
手直しまでしていたらもうこんな時間・・・
慌てて終電に飛び乗り、
疲れて重い身体をシートに沈める。
こんな時に・・・何故か思い出すのはチャンミンの事。
・・・もう眠ったかな・・・
もしかして、いなかったりして・・・
考えてから思わず苦笑して目を閉じる。
心地いい電車の揺れに呑まれるように
僕の身体はすぐに眠りに吸い込まれていった。
『次は~・・○○~○○~・・
お降りの方は、お忘れものの・・・』・
車内アナウンスの声でうっすらと目が覚める。
ヤバっ・・・!寝過ごした!!・・・
・・・と思ったのは勘違いで、
着いたのはいつも使いなれた最寄り駅。
あ・・・危なかったー・・・
安心して立ち上がると、
タイミング良く電車のドアが開く。
「あれ・・・・雨・・・?」
開いたドアから入ってくる湿った冷たい空気。
「あーあ・・・傘、持ってないんだけどな・・・」
これから家までの道のりで濡れることを考えると、
僕は憂鬱な気持ちのまま誰もいない改札をくぐる。
「ジュンス・・・!!」
駅を出た所で自分を呼ぶ声に足を止める。
「チャンミン・・・」
降りしきる雨の中、
差しているのは、家に一本しかない僕の傘。
「おかえりなさい。ジュンス。」
そう言って綺麗な笑顔を作るチャンミン。
迎えに来てくれたの・・・?
待って・・・僕、帰る時間伝えたっけ?
「何時から待ってるの。」
歩み寄って訪ねる。
チャンミンはちょっと計算をするように、うーんと首を傾げた。
「家を出たのが2時間45分46秒前なので・・・
2時間28分32秒前から・・・」
「・・・バカっ!!!」
僕が出した大きな声に、
初めてチャンミンが驚いたように目を丸くした。
まさか僕が怒るなんて思ってもみなかった、って顔。
「・・・風邪ひいたらどうするんだよ!」
こんな寒い時期に、雨の中、2時間以上も待ってるなんて・・・
「風邪・・・引かないですよ?」
「・・・へ?」
「アンドロイドは風邪引かないですよ?」
チャンミンは僕が理解できない事が理解できないのか、
念を押すようにもう一度言った。
アンドロイドは・・風邪・・・ひかない、よな。
「そ・・・そう・・。」
「ジュンスこそ、早く帰らないと風邪引きますよ?
ほら、肌が冷たくなって・・・」
そう言ってチャンミンが手を伸ばして僕の頬に触れた。
その手はとても暖かくて、ずっと外で待っていたとは思えない程。
「ちょ、ちょっ・・・!!」
触れられた事にびっくりして思わず手を払いのける。
チャンミンはまたちょっと目を丸くして手を引っ込める。
でもすぐに笑顔を作ると、
帰りましょうか、と言って、僕に傘を向けた。
僕が差し出された傘に渋々入ると、
チャンミンが歩き出した。
そのまま二人で、一つの傘を分け合いながら家に向かう。
さっきチャンミンに触られた部分がジンジンと暖かいのは、
チャンミンの手が暖かかったから?
じゃあ、
なんでこんなにドキドキするんだろう。
自分の中でまだドクドクと強く脈を打っている心臓に戸惑いながら
僕は歩いていた。
「チャンミン・・・」
「はい。」
「なんで、僕がここから帰ってくるって、分かったの?」
「・・・最寄り駅、って言うんですか?
家から一番近い駅。
今日、お昼にテレビで言っていました。」
なるほどね。
僕は心の中で一人納得した。
「チャンミン・・・お腹空いた。」
「家に帰ったら晩ご飯がありますよ。」
食べないで待っててくれたのかな、
なんて無意識に期待してしまう辺り、
僕もいよいよおかしい。
早く引き取って欲しかったんじゃないの?
自分で自分に問いかけても、答えは出ないままだけど、
傘の中で僅かに触れ合う肩から伝わってくる温もりは、
不思議と嫌じゃなかった。
to be Continued・・・
おおお~ジュンスがちょっと気持ちがキテますね~^^♥
次回・・・事件が起こる!?

