ガチャ・・・ー
スタジオのドアがあいて、誰かが入ってくる気配がした。
中ではちょうどチャンミンが撮影中で、
ユノがチャンミンの演技がすばらしい!!
と大絶賛しているところだった。
皆で一斉に人影の方を見る。
皆に注目されて、人影が一瞬ビクッと怯えるように
身を震わせた。
入ってきた人影が誰か分かって、心臓が跳ねる。
「ジュンス!!すごい!」
先に駆け寄って行ったジェジュンがしきりに誉めるので
ジュンスはふわふわの服を着て、恥ずかしそうに笑っている。
あ、ヤバい・・・
とっさに口を手で覆うと視線をジュンスから逸らす。
ニヤけたのバレたかな・・・。
ジュンスの着替えの関係で、
先にキスシーンだけ撮ろうということになった。
スタンバイするため、
立ち上がって雑念を振り払うように軽く伸びをする。
「ゆ・・・ユチョン・・!」
ジュンスに呼ばれたので振り返る。
「何?」
ジュンスがメイクでキラキラになった瞳で見つめてくる。
「キス・・・するふりでいいよね・・?」
ジュンス・・・そんなに嫌なの?
じゃあなんで・・・断らないんだよ・・・
「なに言ってるのジュンス。だめでしょーちゃんとやんないと。
嫌なのはわかるけど。」
それだけ言うとまだなにか言いたげなジュンスを置いて、
さっさと準備に入る。
振り返るとジュンスが離れたところでまだ
モジモジしているので、
人差し指で「来て」と合図すると、まるで忠実な犬みたいに
ソロソロとこちらにやってきた。
「ジュンス、早く!」
そういうと焦ってくるあたり、ますます犬っぽい。
「・・・・」
ジュンスが俺の前に立ってもいつまでも顔をあげようとしないから
ついからかってみたくなる。
「ジュンス・・・緊張してるの?」
こっそり耳打ちする。
「そっ・・・そんなことないよ!
なんでユチョンとキスしなきゃいけないんだろうって・・・思って・・・」
「・・・・・?!・・」
はっとして顔を上げたジュンスは言わなきゃ良かったって
思いっきり顔に書いてあった。
胸にジュンスの言葉がぐさりと刺さって、
ジンジンと痛んでいる。
とっさのことで次の言葉が出ない・・・嫌な沈黙。
大丈夫・・・そんなの分かってるから。
笑え、笑うんだ、ユチョン。
嫌なのは分かったから、今だけは女の子になったつもりでいればいいじゃん。」
なんとかごまかして笑顔を作る。
「無理だよぉ~!!僕は男なんだから!・・・・」
俺が笑顔を作っても、ジュンスはまるで
駄々をこねるみたいにして怒ってる。
そうかと思えば今度は俯いたまま一言も喋らない。
このままじゃいつになったら撮影が始まるのか・・・
ジュンスだって嫌なんだったらさっさと終わらせた方が
良いに決まってるのに・・・。
「そんなに心配しなくて大丈夫だよ。」
わざと自信ありげに言うと、ジュンスが不思議そうに顔を上げた。
耳打ちしようと顔を近づける。
「ジュンス。すごいかわいい・・・」
「・・!!」
からかうつもりで言ったのに・・・
ジュンスは顔を真っ赤にして恥ずかしいときによくするように
両手で顔を覆っている。
あれ・・?
てっきり怒ってヤケになるかと思ったのに、
予想外のリアクションに思わず笑顔になる。
これはこれで・・・結果オーライだったかな?
まだ恥ずかしがっているジュンスを無視すると
準備完了の合図をする。
カメラが回ると、自然に気持ちが切り替わる。
じっとジュンスを見つめて、自分を落ち着かせる。
ジュンスもなんとか真剣な表情を作ろうと
頑張ってるみたいだけど・・・・
メイクをされた綺麗な瞳でまっすぐに見つめてくる。
それがとても愛しく思えて、胸の奥がジクジクと痛んだ。
そんな目で見るなよ・・・勘違いするじゃん。
ジュンスがコクリとうなずいた。
お、もう大丈夫ってこと・・・?
心臓がドクリとおおきく脈打つ。
それから今までよりも早いテンポで全身に血液を送り始める。
おそるおそる左手でジュンスの頬に触れると、
ピクッと身体をこわばらせる。
なんで・・?そんなに怖がるの・・
一生懸命な瞳で見つめてくるジュンス・・。
胸がギューッと絞られるような気持ちになって
これ以上耐えるなんて出来そうになくて・・・
気がついたら右手をジュンスの腰に回して、
抱き寄せていた。
to be Continued・・・
ごめんなさい③に続きます><
あんまり書くと長くて逆に読みにくいかと思いまして・・;;