6月23日 ミッキーの99回目の月命日

*控訴審期日のお知らせ

昨年、長野地裁で、道路交通法違反(救護措置義務違反・報告義務違反)の罪で懲役6月が宣告され、控訴していた被告人の、控訴審期日が決まりましたのでお知らせいたします。

令和5年8月1日 火曜日 午後2時
東京高等裁判所 (裁判部:第12刑事部)
第622号法廷

被告人は、一審判決を全て不服とし、無罪を主張しています。

被害者遺族としては、被告人の事故後の行動(救護義務違反)は勿論、これまでの反省の無い態度や刑を不服とし無罪を主張していることも、決して許せることではありません。飲酒運転で救護もせずに息子の生命を奪い、私達家族の幸せだった日常を奪い、今も尚私達を苦しめ続けている被告人への怒りは限界を超えています。

裁判官には、被害者の生命の安全性を第一に考えていただき、道路交通法72条の「直ちに」の意味を示した一審判決を重く受け止め、控訴を棄却していただきたいです。
そして、事件から8年、微塵も反省していない被告人に刑務所で反省の時間が与えられることを強く願っています。

ご都合のつく方は、是非高等裁判所に足を運んでいただき、公判の行方を見守っていただけたら有り難いと思います。



*6月は不正改造車排除強化月間です

トラック協会より


2015年3月23日、飲酒後に速度超過で中央線をはみだし、ノーブレーキで横断歩道に進入し救護もせずにミッキーの生命を奪った被告人は、同年9月に執行猶予判決を得ると、翌年には直ぐに運転免許を再取得しました。


そして、2017年6月、近隣住民から被告人が不正改造車の緑ナンバーのダンプに乗り仕事を行っていると情報が寄せられました。(被告人の会社はトラック協会に加盟)


私は、直ぐに自車にドライブレコーダーを取り付け被告人運転車両の映像を撮影。検察庁に告発しました。自分で証拠映像を撮影し、警察ではなく検察に報告したのは、被告人が運転免許再取得前に無免許運転をしていた姿を目撃した方が、警察署まで足を運び通報してくれたのですが、動いてくれなかったからです。


その後、警察も動いてくれたようです。白バイに追跡された被告人は、運転しながら運転席窓に貼り付けていた黒色フィルムを剥がし後部座席に隠しました。この時、被告人はフロントガラス下半分に赤茶色のアクリル装飾板を備え付けており、後に道路運送車両法と、息子の事件当日の速度超過(最低でも時速96Km以上)で起訴されました。(窓に貼り付けていた黒色フィルムは、明らかに違法ですが、被告人に処分されてしまい起訴を免れています。)


刑事裁判の法廷で被告人は、装飾板を取り付けたのは「遺族に顔を見られたから」と私のせいにし、装飾板がガラス面に接触していた証拠がないと無罪を主張しました。

ガラス面に接触していたかに関わらず、装飾板が運転者の視界を妨げていることは明らかです。

しかし、判決で裁判官は、被告人に無罪を言い渡しました。


国土交通省より


判決後、私は国土交通省に連絡し面談。

無罪判決を伝えたところ、国土交通省の認識は違法とのことでした。そこで今後同じことが生じないよう、ご担当者様とやりとりを重ね、令和2年1月31日 道路運送車両法の細目告示に「貼り付けられたもの以外の装飾板を備え付けているものは、基準に適合しない」ことが明記されました。

(道路運送車両法細目告示105条、183条)


要望をかたちにしてくださったご担当者様には心から感謝しています。一方で被告人が不正改造なんてしなければ、この様な苦労をせずに済んだと思うと非常に腹立たしい気持ちになりました。(因みに加害者らの反省の見えない態度はその後も続きます。そして、その度に私が関係省庁に問い合わせている始末です。またの機会にお伝えします。)



このように、被告人の不正改造無罪判決を受け、運転者の視界を妨げる装飾板は、備え付けること自体が違法であることが明確化されました。


それなのに…


mbsニュース動画


不正改造車排除強化月間である6月16日午後、大阪市北区の交差点でトラックの下敷きになり自転車の22歳の男性が死亡した事件では、トラックのフロントガラスに装飾板が備えつけられており憤りを覚えました。


mbsニュースより・フロントガラス下半分に装飾板


自ら視界を妨げる装飾板を備え付け、交通死亡事件を起こしても、過失なのでしょうか?


装飾板を備え付けた理由は、車内を見えないようにするためであり、スマホのながら運転等を日常的に行っていた可能性もあります。

事故原因をしっかりと追求して欲しいです。

また今後公判請求する際には、道路運送車両法違反でも同時に起訴して欲しいです。


被害者のご冥福を心よりお祈り申し上げます。




6月23日、長野県では、犯罪被害者等をとりまく環境に動きがありました。

県内被害者遺族らが会見を行い、自助グループ「つむぐ」を立ち上げたことを報告しました。


私は会場に足を運んでおりませんが、ちらしを作成させていただきました。(素人の作成で恐縮です)



私は被害後、他のご遺族とつながりたいと思っていたのですが、被害者支援センターの存在すら知らなかったこともあり、県内のご遺族とは、なかなかつながることができませんでした。(県外のご遺族とはSNS等を通じて知り合い多大なるご支援をいただいています)


思えば今回、会見でお話しいただいたOさん、Kさんに知り合えたのは、H27年の判決後、テレビ信州さんのチャンネル4で、息子の事件について制作してくださった番組「奪われた15歳の命〜自動車運転の過失運転とは〜」の取材がきっかけでした。番組の取材がなければ情報を知らず、Oさんのご講演を聴くことも、Kさんの裁判を傍聴することもできず、つながることができなかったかもしれません…。


現在は県条例制定を機に、県内遺族らの横のつながりがうまれ市町村へ条例の要望等を行っています。

ただ誤解していただきたくないのは、今回報じられた自助グループは、条例要望に向けた活動をする会ではありません。


同じような経験をした者が時々集まり、普段口にできない思いを話せる場所があることは、被害後も続く苦しい人生の中で、ほんのひと時かもしれませんが、深呼吸をして呼吸を整えられる…参加していただいた方に、そんなふうに思っていただける場になれば良いのかなと思っています。



先月中野市で4人の生命が奪われた事件を受け、中野市では犯罪被害者等支援条例が議決されました。

中野市 犯罪被害者等支援条例


この事件が発生する前の5月、県内遺族らと協力し、市町村長会に条例制定の要望書を作成し、提出していました。


もともと中野市は条例制定に前向きな姿勢を示していたようですが悲惨な事件が起きてしまいました。


現在、長野市も条例制定に向け動き出したことが報じられています。今後もそのような動きが広がって欲しいと思っていますが、条例をご検討いただく際には、佐久市の先駆的な条例を手本にしていただきたいと思います。


慌てて形だけの条例で済ませ、支援金を払えば終わり等、極一部の限れた被害者だけが対象となる条例になることがないようにして欲しいです。

条例により地域の皆様に被害者への理解を深めていただくことも大切です。被害者理解は、犯罪抑止にもつながるとことだと思っています。


地域に暮らす皆様がより安全安心に暮らしていけるよう、全ての市町村に条例が制定され被害者等への理解が広がっていくことを願っています。




今年もヤモリが遊びに来てくれました。

私達家族を見守ってねと とお願いしました。



今回も長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。


皆様よい週末をお過ごしください。