今朝偶然目にした番組で、信号機の無い横断歩道について放送していました。

少し前に滋賀県で小学生の男の子が犠牲になった事件が取り上げられていました。ルールを守っていた子供の命が奪われ続けている現実に胸が痛みました。
青いトラックに乗っていた加害者は、ブレーキを踏んだ様子は無かったようですが、「この道を仕事で通ったことがあり横断歩道の存在を知っていた」と供述したそうです。

知らないわけないよね…と思いました。

ミッキーの命を奪った加害者は、普段ダンプの運転手をしており、現場道路を何度も通っていて、周辺の環境にも詳しく、近くのコンビニのどこに何が置いてあるか記憶しているほど現場道路を通っていたのに「横断歩道の存在を知らなかった」と不自然な供述をしました。「知らない」「気づかない」と言った方が、自分に有利だと思ったようです。
被害者を放置したまま救護もせずに飲酒発覚を免れる目的で買い物にいくような人ですから、どこまでも嘘つきです… そんな人が刑務所にも入りません。


今朝の番組の話しに戻りますが、信号の無い横断歩道の歩行者優先が守られていない三重県での取り組みも紹介されていました。三重県警も取り締まりを強化している様でした。

放送の中で「横断歩道の歩行者優先はマナーでは無くルールです」という言葉がくり返されていました。

朝からこのような内容の放送はとても有難いと思いましたが、ルールを破り横断歩道上で他人の生命を奪っても、その罪は非常に軽いという問題にも目を向けて欲しいと思いました。

刑事裁判では、たとえ横断歩道上であっても、衝突した一地点における一番の原因は何かといった考え方です。そうすると殆どが「前方不注視」ということになり、「過失運転致死罪」で裁かれます。

ミッキーの加害者のように、「アルコール検査時に基準値以下の飲酒運転」で「横断歩道の歩行者優先」を守らず「大幅な速度超過」「センターラインオーバー」で、「ノーブレーキ」で横断歩道に突っ込み、歩行者の命を奪っても、数々のルール違反は全て「前方不注視」による「過失運転致死罪」で起訴されます。
加害者は、まるでランチセットのように、お得状態です。

そして「過失運転致死」で裁かれれば、「うっかり見落としてしまったのね」と、執行猶予が殆どです。
はっきり言って、罪を犯しても響かない人間にとって、執行猶予なんて無罪と変わりません。

子供たちには「横断歩道を渡りましょう」と教育してるのに、ハンドルを握る大人がルールを破り、子供の命を奪っても、横断歩道上だからといって、特別刑が重くなるわけじゃなく、少し執行猶予期間が長くなる程度です。これはルールを守っていた被害者遺族とって受け入れ難いことです。
「ちゃんと横断歩道を渡っていたのに…」そんな被害者の声が聞こえてくるような気持ちになります。

朝の番組内で、横断歩道に歩行者がいても何故止まらないのかとドライバーに質問したところ、「後続車にクラクションを鳴らされたからそれ以来止まるのをやめた」等の理由だそうです。嫌な経験をされたのかもしれませんが、だからといって極端な話し、それで歩行者を撥ねてしまっても構わないのでしょうか…

長野県では7割の車が横断歩道に歩行者がいれば止まるそうです。しかし、残りの3割がミッキーの加害者のようにルールを守らず、歩行者の命を奪っています。
横断歩道上の歩行者の命を守るためには、交通ルールを呼びかけると共に法律の見直しも必要なのではないかと思います。