金曜日の夜、懐中電灯を片手に「ミッキー樹」の様子を確認し、思わず「あっ!」と叫びました。
枝先の蕾が大きくなっていて、可愛らしい葉が一枚、顔を出していました。
ミッキーに初めて乳歯が生えた日を思いだしました。
家族も駆け寄り、喜びました。
命を奪われてしまったミッキーの分も「生きている」ように思え、嬉しくて涙が溢れました。
ミッキーは、中学2年生の1月に、お小遣いをはたいて、ベースギターを購入しました。
「エレキベース入門」という本を、何度も読み返しながら、指の皮が剥けるほど、練習していました。
告別式の日、ミッキーのベッドの上に、ついさっきまで読んでいたかのように置かれていたその本を、棺に入れて見送りました。
手元に置いておきたかったと、少し後悔もあり、気休めですが、同じ本を買い直しました。
(写真は買い直した本です)
2015.4.16土曜日 午後2時
教室に入ると、椅子や机は、廊下に運び出されていて、私達家族分の椅子が5脚並んでいました。
真ん中にミッキーが座りました。
ミッキーが一緒に練習していたバンド「ザ・ストラマーズ」が、思い出の教室でブルーハーツの「終わらない歌」を、全力で演奏してくれました。
ミッキーのベースとアンプを使ってくれました。
ミッキーが、ジャンプや、ステップを踏みながら、みんなと一緒に演奏する姿が浮かび、涙が溢れました。
中学時代、一生懸命練習していましたが、発表の場がありませんでした。
高校に行っても、バンドを続けたいと言っていましたが、その夢も、未来も、飲酒運転のドライバーにより、無惨に奪われたのです…
ミッキーの想いを、友人達が叶えてくれたのだと思いました。
事故以来、生きた感覚が薄れたまま時間が過ぎていた私にとって、これほどまでに感動した日は、ありませんでした。
それぞれ違う高校に通いながらの練習や準備は、大変だっただろうと思いました。
本当にありがとう、一生忘れません‼︎
彼等は事故の前日にも、家に遊びに来てくれていて、ミッキーの部屋から聞こえる笑い声に、私と主人は目を合わせ「楽しそうだね」と微笑みました。
事故後、納骨の前にも遊びに来てくれました。ミッキーの部屋から聞こえるみんなの声に混じり、ミッキーの声も聞こえるような気がしました。
納骨後は、片道3時間も掛けて、電車やバスを乗り継ぎ、お墓参りにも来てくれました。
いつも、本当にありがとうございます
彼等は勿論ですが、ミッキーの沢山の友達に、幾度も励まされています。
15年という、あまりにも短い一生でしたが、良い仲間に出会えたことに、言葉では言い尽くせない程、感謝しています…