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My Sweet holiday

独り言を取りとめもなく書いてます。

私とジェイは、大使館を出て歩いていた。
「姉ちゃん大丈夫?」
「うん、解っていたことだから。これからの事考えないとね」
「そんなに急がなくていいよ。まずは、体力をつけないと」
「それは、大丈夫。母さんの食事を食べていたら、元気になるから」
「心の傷だってあるでしょ?」
「うん・・」俯き、足を止めた。
「姉ちゃん、無理しないで。少し休んで行こう」
近くのカフェに入り、外を眺めていた。
「おばさんも言ってたけど、姉ちゃんが心閉ざしてしまうと、兄貴はずっと苦しんでいなくちゃけない
 兄貴の仕事にも差し障る。それは、姉ちゃんが一番解っているはずだよね?」
「いくら私が言っても、ジョンスは心を閉ざしているから、また同じことの繰り返しになる」
「もうそれは無い。俺、兄貴にはっきり言ったし、兄さんにも言われてる。兄貴と話して。
 それからでも遅くないでしょ?」
「うん、でも今は会いたくない」
「姉ちゃん、逃げちゃだめだよ。心が揺れ動くのはわかるけど、話さないと。俺一緒にいるから」
「私ね、心穏やかに暮らしたいの。末っ子で我儘だから、頼っていたいの。今は、父さんと母さんに
 甘えていられる。でも、元気になったら、親に何時までも甘えていられないでしょ?」
「それなら、それで兄貴に言わないと。自然消滅はあり得ないよ」
「少し考える時間が欲しい」
俺は、明後日、兄貴が来ることを言いだせずにいた。
家に帰る途中で、姉ちゃんに付き合い、俺の服を作るための、布地を見て歩いた。
途中、何度も「これ、ジョンスに似合いそう」と言っては、俯いて他の布を取り出しては、
俺の胸に当てて「これどお?」と誤魔化している。姉ちゃんの心の中は、兄貴で一杯なんだ。
ただ、今まで我慢しすぎて疲れ果ててるだけだ。
幾つか布地を買い、どう見ても俺の趣味に反する布を買っていた。
「姉ちゃん、そろそろ帰ろう。おばさんが心配するよ」
「ねぇ、ジェイ、ケーキ買って帰ろう。六本木にある、ケーキ屋さん凄く美味しいの」
俺は、甘いものが苦手だ。今は、姉ちゃんの嬉しそうに笑う姿を失くしたくない。
「買って帰ろう」
遠回りをして、ケーキを買い向かった。ここでも姉ちゃんは、
「此処のケーキ、ジョンスが美味しいって食べたんだ」と言って、笑顔を向けてくる。
ケーキを買って家に戻ると、おばさんが心配して玄関の前で待っていた。
「お母さん、ただいま。ケーキ買って来たから食べよう」
姉ちゃんは、家の中に入って行った。おばさんは、姉ちゃんの異変に気付いた。
「ジェイ、ナナミに何かあったの?」
「何かあった訳ではありません。大使館をでてから、ずっと兄貴の事ばかり話しています。
 本心は、戻りたいんだと思います。ただ心と体が付いていかないのかと」
「そう、ナナミには、ジョンスさんが明後日来ることを話したの?」
「いえ、まだ言ってません。すこし話しましたが、会いたくないの一点張りで」
「明日、ディスニーランドに行って遊んで来れば少しは、気持ちも楽になるでしょう。
 ジェイ、大変だけどお願いね」
「はい」
「さぁ、中に入って、せっかく買ってきたケーキ頂きましょう」
居間に入ると、姉ちゃんは紅茶を淹れ、ケーキを取り分けていた。
「ジェイは、甘くないのだからこれね」
「お母さんは、このフルーツタルト。凄く美味しの食べて」
姉ちゃんのはしゃぎ方は、何かを隠すよな感じに思えた。
「ナナミ、そんなにはしゃいで、何を隠しているの?余計に辛くなるだけよ」
姉ちゃんの笑顔が消え、俯き肩を震わせた。
「姉ちゃん・・・」
おばさんは、姉ちゃんの傍に座った。
「泣きたいなら、思い切り泣きなさい。我慢することはないから」
「お母さん・・・」と言って、姉ちゃんは、おばさんの腕の中で、泣いていた。
余程苦しいのだろう。声を出して、泣き続けている。何も言わず、ただ姉ちゃんの背中をさすっている
おばさん。泣きながら、姉ちゃんが、「ジョンス」と小さな声でつぶやいた。俺とおばさんは、
顔を見合わせた。
姉ちゃんが、泣きやみ落ち着いて来た時に、おばさんが話し始めた。
「ナナミ、明後日ジョンスさんが、ナナミに会いに来るわよ。きちんと話しなさい。ナナミの心の中は
 彼しかいないでしょ?」
「でも、ジョンスの傍にいても苦しいばかりで・・・」
「それも、きちんと話しなさい。このまま泣き続けて、暮らしていくの?その方が辛いんじゃない?」
「でも、ジョンスに会うの怖い」
「姉ちゃん、俺、一緒に行くから。大丈夫だよ」
「きちんと話して。ゆっくり考えて、答えを出せばいいから」
「ありがとう。お母さん、ジェイ」