『屍』という意味があるシャバアーサナは、
アーサナで強制的に疲れさせた頭や身体を
頭の中は静かに、
全身はリラックスさせるもの。
アーサナプラクティスの後、とても重要な意味を持ちます。
一つめに、
頭の中を静かにする働きがあります。
私たちは、毎日たくさんの情報と向き合っています。
情報過多による疲労を「脳疲労」と呼び、
寝ることで脳のスペース整理が行われます。
因みに、
寝ても寝ても疲れが取れない時は、過緊張が原因という場合が多いようです。
適度な脳疲労であれば、睡眠で改善できますが
行きすぎると睡眠だけではリラックスするのが難しい訳ですね。
睡眠の他にあるリラックス方法に『瞑想』がありますが
簡単に行えるものではありません💦
なので、
同等の恩恵があるシャバアーサナでのリラックスを試みます。
二つめには
アーサナの刺激を中和させる働きがあります。
体を動かせば気持ちがよく、
汗をかけば爽快感、達成感が味わえます。
稀に時間がないからシャバアーサナはスキップという人がいますが💦
運動生理学的に考えると体への負担が大きく残るとも言います。
理由は、脳を含めて筋肉の疲労が取れず、筋肉が硬直してしまうから。
筋肉を弛緩させることで、
筋肉の柔軟性を定着させ、運動で傷ついた筋組織への修復ができるので傷害予防にもつながります。
三つめに
エネルギー(プラーナ)を体全体へと循環させる働きがあります。
目に見えないエネルギーのことを、
ヨガではプラーナといい、
このプラーナは、ずっと蓄えておくのが出来ないため、
自分でプラーナを補わなければなりません。
ヨガ哲学的に考えても、シャバアーサナがないと
目に見えないエネルギーが蓄えられないと考えられています。
シャバアーサナの後、
言葉にならない充足感や幸福感のような感覚を感じたことはありませんか?
言葉にならないけど感じられる感覚は、
プラーナが満たされている状態だとヨガの哲学では説いています。
シャバアーサナが苦手な人は、いつも急いでいるのかもしれません。
出来れば、大の字で仰向けになり、
眼鏡や腕時計、髪留めは外し、身体のどこにも緊張がないようにします。
眩しい時は灯を消したりアイピローを使うなどし、お休みできる環境を作ります。
全身を観察し、心身を緩めて全身をマットに委ね、静かな時間を過ごします。
ぼんやり声かけに耳を傾けながら
できる限りシャバアーサナの余韻を壊さないように起き上がります。
ヨガを続けていると、
普段見過ごしている心や体の声がわかるようになります。
その内側のメッセージに気付けるようなヨーガプラクティスは、
精神的な成長をサポートしてくれます。
身体も精神も共に成長、進化できるヨーガの体験を共にできれば嬉しく思います。
生きることがヨーガになるような学びや練習を!