2017年テレビ東京杯青葉賞(GII)に優勝し、ダービー3着のアドミラブル(5、栗東・音無秀孝厩舎)は、20191027日付で競走馬登録を抹消し、今後は北海道浦河郡浦河町のイーストスタッドで種牡馬となる予定だそうです。

残念でもあり、ホッとするニュースでもあります。

 

 

 

アドミラブルの幼い頃について音無調教師は「生まれてすぐに見たときからGI馬になると思ったよ。馬体が雄大で、ディープインパクトの子供らしくバネがある柔かい走りをしていたね」と語っている。

 

しかし、新馬戦は喘鳴症(のど鳴り)のため、9着と大敗する。大敗の原因となった喘鳴症の手術のため、ノーザンファーム空港牧場へと戻された。

 

喘鳴症(ぜんめいしょう)/一般的に「のど鳴り」と呼ばれる。

喉頭部を支配する神経がまひし、喉頭口が狭くなる病気。十分な呼吸ができず、競走能力に影響をきたす。

 

 

喉の手術は成功し、本来の能力が発揮されるようになる。翌年の35日の未勝利戦では一変した走りで圧勝。音無調教師は、5ヵ月ぶりであの時計(1分45秒8)は能力がなければ出せない。次元が違うし、ダービーを意識した。続くアザレア賞も余裕の手応えで3馬身差の勝利。

 

単勝1.5倍の断然人気に推された青葉賞(GII)では最後方から徐々に進出を開始。直線では一気に先頭に躍り出て、最後は2馬身半差の完勝で重賞初制覇を飾った。勝ち時計2236はレースレコードであった。青葉賞は実は出遅れて、3コーナーから早めにまくっていって、最後はフラフラしながらも突き放した。直線では遊んで物見をしていたというが、それでもレコード。

 

 

 

そして次はダービー。

 

「厳しいローテという声も聞くが、すべて中3週だからすごく調教はしやすいんだ。

馬っぷりもいい」(音無調教師)。

 

ただ、青葉賞の勝ち馬のダービー制覇は、これまでない。

 

「このローテを決めたときから、ダービーを勝てないなんて考えたことはない。血統、馬体、走りっぷりと、この馬には大器の風格がある。これほどの思いを込めてダービーに参戦するのは最初で最後かもしれない。」

 

「ダービーを勝って、みんなが認めるスターホースになってほしい。」 

音無調教師の熱い思いが伝わってきます。

 

迎えたダービーでは不利とされる大外18番枠に入るが、3連勝の内容が高く評価され、皐月賞(GI)上位組を抑えて単勝1番人気(3.4倍)に支持された。

 

レースは極端なスローペースとなり、後方から大外を回らされる苦しい展開となる。ラストはメンバー中最速の上がり3F333の末脚で猛然と追い込む。しかし先に抜け出したレイデオロ、スワーヴリチャードには及ばず、3着に敗退した。 

 

 

 

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秋は雪辱を期して神戸新聞杯(GII)から菊花賞(GI)に向かうプランが発表されていた。

 

だが、8月上旬に放牧先のノーザンファームで脚部不安を発症していることが判明。

同月16日に2018年秋の復帰を目指して休養に入ることが発表された。

 

そして今春。ファンには待望のニュースが発表された。

54日のメトロポリタンステークスで約2年ぶりの出走予定。

 

しかし不幸にも43日の栗東トレセン内で、ゲート練習中に腸骨を骨折。全治9ヶ月と診断され、復帰することなく昨日、競走馬登録を抹消された

 

通算成績は53勝。獲得賞金は124071000円。

 

アドミラブルの馬名の意味は「賞賛すべき、立派な」。たった5戦でその獲得賞金は、まさに賞賛すべきものだと思います。また故障中『アドミラブルは今どこ?』というファンはとても多かったです。

 

青葉賞の勝ちっぷりも実に立派。

私の中でこの馬は、記録より記憶に残る名馬です。

 

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アドミラブルが繋養される予定のイーストスタッドは、

所在地 :北海道浦河郡浦河町西幌別316

 

おもな繋養種牡馬に、メイショウサムソン、ディープスカイ、トゥザグローリー、

ホッコータルマエ(シャトル)などがいます。

 

 

 

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先週のニュースですが、シンボリクリスエスが種牡馬を引退しました。

 

 

 

1020日、日高町富川東にあるブリーダーズ・スタリオン・ステーションで供用されていたシンボリクリスエスが、種牡馬を引退して功労馬として余生を送るため、千葉県

成田市のシンボリ牧場へ移動した。』 現在20だそうです。

 

シンボリ牧場:千葉県成田市大栄十余三245-261

交通アクセス:「新空港自動車道 新空港IC」 から 3.5km

 

【シンボリクリスエス】

シンボリ牧場の所有馬、美浦の藤沢和雄厩舎の管理馬として競走生活を送り、

競走成績は158勝。

 

2002年の3歳時は青葉賞(G2)で重賞初制覇を飾り、

日本ダービー(G1)はタニノギムレットの2着。

 

秋になり神戸新聞杯(G2)を快勝すると天皇賞()(G1)に駒を進め、バブルガムフェロー以来となる3歳馬による勝利を飾った。有馬記念(G1)も制覇。

 

2003年は天皇賞()(G1)、有馬記念(G1)連覇を達成。

 

現役引退後の2004年に社台スタリオンステーションで種牡馬入り。

代表産駒はエピファネイア、ストロングリターン、ルヴァンスレーヴなど。

また、レイデオロ、オジュウチョウサンなどの母の父としても有名。

 

2016年からブリーダーズ・スタリオン・ステーションで供用されていました。今年は41頭に種付けしたが、高齢による受胎率の低下や体調が考慮され、種牡馬引退を決断したそうです。

 

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アドミラブルはシンボリクリスエスの孫ですが、少しでも長生きして産駒や孫の活躍を見守ってほしいです。そして、入れ替わりのように種牡馬生活にはいるアドミラブルのことも応援してほしいです。

 

アドミラブルは父ディープインパクト、母スカーレット、その父シンボリクリスエスという血統。祖母グレースアドマイヤの父はトニービン。産駒がいまから楽しみです。

 


          青葉賞を勝利した時のアドミラブル