トライアルであるセントライト記念と神戸新聞杯も無事に終わり、第80回 菊花賞(GⅠ)がいよいよ1020日にせまってきました。

 

優先出走権を得るのはトライアルから3頭ずつと、桜花賞・皐月賞・優駿牝馬 (オークス)・東京優駿 (日本ダービー)1着となった馬になります。また地方競馬所属馬にも、桜花賞・皐月賞・オークス・ダービーで2着、及びNHKマイルで2着以内に入着すると出走資格が与えられるというルールも存在します。

 

 

菊花賞はスピードとスタミナを兼ね備え、2度の坂越えと長丁場を克服することが求められることから「最も強い馬が勝つ」と称されていますが、今年は春の有力馬が不在で混戦模様といえます。

 

皐月賞3着、ダービー2着のダノンキングリーは今週の毎日王冠へ。

皐月賞と神戸新聞杯に勝ったサートゥルナーリアは1027日の 天皇賞(秋)へ。

ダービー馬のロジャーバローズは引退しています。

 

(ロジャーバローズは、右前浅屈腱炎を発症し引退して種牡馬入りと8/6に発表されました)

 

ステイヤー血統

 

ところで、ステイヤー血統というものがありますが、『ステイヤー』の意味はJRA競馬用語辞典によりますと、【スタミナ豊富で、長距離レースの得意な馬のこと。ふつう2400メートル以上の距離に強い馬を呼ぶ】とあります。

 

長距離レースが得意な2大血統は、日本ではハーツクライとステイゴールドだと思います。

重賞で3000mを超えるレースは、天皇賞(春)、菊花賞、阪神大賞典、ステイヤーズS、ダイヤモンドS

5つ。その距離は3200、3000、3000、3600、3400メートルです。

 

 

ハーツクライ産駒では、‘16天皇賞春でキタサンブラックに肉薄した激闘を8歳にして演じて見せたカレンミロティック、’17ジャパンCのシュヴァルグラン、ダイヤモンドSを連覇したフェイムゲームなどがいます。またジャスタウェイ、ウインバリアシオン、ワンアンドオンリー、ヌーヴォレコルトもハーツクライです。

 

ハーツクライ自身は中距離の印象ですが、なんといってもあのディープインパクトを国内で唯一負かした馬として有名です。また海外でもヨシダ(英:Yoshida)という馬が日本生産馬として史上初の米ダートG1制覇するなど活躍しています。

 

 

 

ステイゴールドは現役時代にも天皇賞春やダイヤモンドSの連対実績もあり、

代表産駒も長距離が得意な馬が多いとされています。

 

★写真:2001香港ヴァーズ(GI) 芝右2400m に勝利したステイゴールド(鞍上は武豊騎手)

 

 

ステマ配合】【最強のニックス】

名馬メジロマックイーンを母父に持つ、ステイゴールド×母父メジロマックイーンの配合は最高傑作と呼ばれ、オルフェーヴルとその兄ドリームジャーニー、ゴールドシップなど数々の名馬を生みました。

 

オルフェーヴルは菊花賞、ゴールドシップは天皇賞春と菊花賞、また阪神大賞典を3連覇しています。

 

ステイゴールド産駒では、他にも天皇賞春を連覇した生粋のステイヤーフェノーメノ、レインボーライン、ナカヤマナイト、ナカヤマフェスタ、オーシャンブルー、レッドリヴェール、スティッフェリオ、エタリオウ、障害ではオジュウチョウサンなどキリがないくらい良馬がいます。

 

しかし、近年では徐々に好配合を組み合わせていく中で、距離適正は種牡馬からの遺伝というセオリーも絶対ではなくなってきました。最近では距離万能の感もあるディープインパクト産駒、キングカメハメハ=ルーラーシップ産駒、タニノギムレット産駒もいいです。昨年の菊花賞もディープ産駒のフィエールマンでした。またステイヤーとして名高いトウカイトリックはエルコンドルパサー産駒(キングカメハメハと同系)です。

 

 

 

注目しているのはやはり、

ルーラーシップ産駒ですがセントライト記念を圧勝したリオンリオン(横山典弘騎手)

ジャスタウェイ(=ハーツクライ)産駒で神戸新聞杯、2着のヴェロックス

 

ハーツクライ産駒で半姉が‘16オークス3着のビッシュであるホウオウサーベル

タニノギムレット産駒で、ヒーリングマインド。ディープインパクト産駒のサトノルークス

京都で成績の良いレッドジェニアル、武豊騎手騎乗のワールドプレミアでしょうか。

 

 

距離適正についての血統表の見方は近年変わってきていて、それまでは適正はまず一番多くの遺伝子を受け継ぐ父の特徴を見るのが一般的でしたが、近年になって競争馬の遺伝子は父よりも母の遺伝子の影響を多く受けるという発表がされたそうです。科学的な根拠のもとでの発表なのですが、

 

他にも母親の遺伝子ではなくて、母父の特徴が受け継がれる事が多く祖母の父くらいまで、距離適正の遺伝子は関係しているという説などもあります。

 

 

予想には母系の血統も考慮するのも良いかもしれません。

 

ちなみに、リオンリオンの祖母はトゥザヴィクトリー、ヴェロックスとヒーリングマインドの母父はMonsun、ニシノデイジーの母の祖母はニシノフラワー。メイショウテンゲンの母メイショウベルーガが日経新春杯・京都大賞典1着、阪神大賞典3着。

 

 

もっとも、血統から遺伝されるのは距離適正だけではなくて、スピードやスタミナ・気性などさまざまな分野にわたります。騎乗騎手、調教、枠順などさまざまなことを含めて考えるのが競馬の面白さであると、わたしは考えます。

 

 

 

それでは参考レースの動画を3本。

 

セントライト記念 2019/09/16(月)  中山 芝2200m (右 外)  天気:曇 / 馬場:重

 

 

 

 

神戸新聞杯 2019/09/22(日) 阪神 芝2400m (右 外)  天気:小雨 / 馬場:良

 

 

 

 

【2018 菊花賞】 2018/10/21(日) 京都 芝3000m (右 外) 天気:晴 / 馬場:良

 

 

 

 

菊花賞なので、花の写真を添えて終わりにします。