じっとしている分には、見た目からはあまりわからないハルカの障害。初めて保護シェルターで見たときは、歩き方が少しばかりヨタヨタしているだけという感で。
けれど、一週間のトライアル期間でわかったことは。ハルカは、足だけではなく…おそらくは、脳にダメージがあるようだ、ということ。
麻痺は下半身を主に。背中も強張りがある。上を見上げるときはアタマがユラユラ揺れるし、片目を眇めて少し首を傾げる。遊び方も幼くて、アッちゃんにジャレつく姿は、まるっきり子猫のソレである。
ハルカの仕草や動作は、私たち人間の身体に障害を持つ人のものに良く似ていて。猫にも障害ってあるんだなぁと知った。身体障害と軽度の知的障害。そんなところだろうか。
猫は元来良く寝る生き物なのだが。ハルカはとにかく目が覚めている間はずーっと走り回っている。落ち着きがなく、ADHDの子どものようだ。
運動量がハンパないので疲れやすい。走り回って走り回って、疲れると隣に来てパタンと眠ってしまう。それからまた、遊び始める。
ハルカを引き取る前。シェルターに見に行って帰ったときに、ちび子たちには話した。トライアルの前のことだ。
あの子は、多分生まれつきの障害を持ってる。母猫に見捨てられ、一匹で土手の下で鳴いていた茶トラの猫。母猫は育たないだろうと本能で悟ったのだと思う。つまり、それくらい障害が重いのだ。
みっく:父ちゃんを見て、呼んだんだ。足が不自由なのに、ヨタヨタ歩いて父ちゃんのもとに行って。抱いてくれ、と足に縋った。父ちゃんは、アレはウチに連れて帰る、と。
なぁ、ちび子。あの子は、きっと誰も引き取らない。もう大人なのに、これまで里親も決まらなかった。あんなに可愛いけど、障害がある子だから。
ちび子:人間でも猫でも同じだよ、個性じゃないか( ` ー ´ )
みっく:うん、母さんも父ちゃんもそう思ってる。
ノスケ:飼い主も発達障害、猫も障害( ̄∀ ̄)
みっく:そっか。むしろウチの子だな。
ちび子:そういうこと♩( ` ▽ ´ )
みっく:ただな。猫だからな、脳の障害がどう作用するのか予測がつかない。
もしかしたら、長生きしないかも知れない。一年、二年くらいで死んでしまうかも知れない。
それでも。それがあの子の寿命ならば。精一杯生きていけるように。
短い時間でも、天寿をまっとうできるように。
ウチで。家族として、看取ってやろうと思うんだよ。
ちび子:うん。いんじゃね?( ` ー ´ )
ダンナさん:ちび子…おまえ、大変だなぁ。職場でも家でも支援しないかん( ´ △ ` )
ちび子:…( ` 口 ´ )!父が決めたんでしょー!
ダンナさん:うん( ´ ー ` )だって、あの子は自分でオレを選んだから。だから、連れて帰らないと( ´ ー ` )
たとえ短い人生だったとしても。その限られた時間を、悠久の時を過ごそう。
一緒に同じ景色を見て、同じ家で暮らして。毎朝大好きだよ、と言ってあげるよ。
悠久の悠、で、ハルカ。そう名付けたのだ。
トライアルの日。ウチに来たハルカに、ケージごと抱きしめて呼びかけた。
おかえり、ハルカ。
落ち着かずギャーッと鳴き叫ぶハルカ。でも、ダンナさんが名前を呼ぶ声に反応した。
ムィーッ!
嬉しそうに鳴くと、膝によじ登っていった。
ハルカが来て10日。すっかりわが家に馴染み、我が物顔で家の中を闊歩している。
ムイムイ♩行くよ( ` ▽ ´ )
ちび子が呼べば、ムィーっと鳴いて、ピョンピョンと跳ねて後をついていく。








