こうなってから、隠れていた事実が次々に発覚した。
逃げた相談員は、他にも何人かのパートさんにパワーハラスメントを行なっていたこと。
被害者?かも知れない相手は、職員に留まらなかった。支援者として頼ってきた利用者…つまり、障害者も含まれていた。障害者を支援する者が、障害者を攻撃するなど有り得ない非常識だ。
みんな、あの人が怖くて言えなかった。悔しくて悲しくても、職を追われた。
みっくがちび子のバックアップをしながら動いたことで、先輩相談員は追い詰められて、居場所を追われた。ちび子や他の人に対して行ってきた行為は、自らに返っていったということだ。
因果応報。それに尽きる。逃げた相談員の本性と数々の暴挙を知り、先生は溜め息の毎日だ。
だが、そんなことは氷山の一角で。こんなモンスターは、社会のあちこちにいる。
ちび子には、繰り返し伝えた。
マトモなケンカが出来ない相手だっているのだ。これで逃げたら、おまえは一生逃げなきゃいけなくなる。
どうしたら、回避できるか。
どうしたら、排除できるか。
知恵を使い、社会のルールを守って、合法的に対峙することを覚えろ。
ちび子には、常に周囲を見渡してババァの報復に備えろと話している。視界に入ったら、ストーカー規制法で訴える。
私は、先輩相談員はそれくらいの精神異常者だと認識している。だって、顔も知らない見ず知らずの他人であるちび子を、経歴と周囲の人間関係だけで、殺したいくらいに憎んだのだから。1ミリも理解出来ないし、ちび子を攻撃する理由にもならない。
落ち着いて、ようやく自分の意思を口に出来るようになったちび子は、辞表を出した。
『自分がオカシイのか?と本当に悩んだ。だけどやっぱり、先輩相談員や先生たちのジョーシキはオカシイ。私は、もっと広く視野を広げに行く。』
それで良いのだ、ちび子。失敗から学び、より強く、より賢くなれ。そうして大人は知識と知恵を得て、要領を掴む。
それが、〝一般社会のジョーシキ〟だよ。先生や先輩相談員の知らない、当たり前なんだ。