シーズン開幕 | MickのFF雑記

MickのFF雑記

ヤフブロよりこちらへ移転しました。不定期更新ですが、宜しくお願い致します。主に趣味のフライフィッシングについての記事を掲載していきます・・

所用を済ませ今晩お世話になる宿へと車を走らせる…


今日は陽気が良いが明日からかなり冷え込むようだ…更に雨も降るらしい…


宿につく頃にはすっかり気温も下がりなんと館内も客室も暖房がかかっていた…チェックイン手続きを行っていたところ後から 6人組の釣り客が…続くように次には3人組の釣り客…


コロナ禍も終焉し北海道も以前の様相を取り戻したようだ…宿のお風呂とサウナでリフレッシュ…少し遅めの夕食をとり明日に備え 22時には床へ就いた…


6月5日(水) Day 1…


5時に目覚め外を眺めると…やはり予報通り無情にも雨が…気温も肌を刺す程低い…スマホで現在地の気温を調べるとなんと 5℃ 高い空にエゾ春蝉の大合唱を予想していたのでとても残念である…それに暖をとる肌着の準備なく寒いのなんの…


レインウェアを着用し渓に降りてみると水量は適正なものの少し濁りが…多分、上流の支流から泥水が流れ込んでいるのだろう…支流合流まで約400メートル…濁りを避けて少し歩くことにした…


想像した通り支流合流点から先はジンクリアな渓相…やっとロッドを出すことが出来た…






気温も低く雨模様…おのずとティペットの先に結んだフライはビーズヘッドニンフ…余り沈める釣りは得意ではないが選択肢もなくぎこちないキャストでポイントにフライを打っていく…


流れ込みやや上流にフライをキャスト…マーカーが反転流に揉まれる場所で水中に消し込まれた… かなり良い引きだがトルクが薄い…走りもシャープできっとあいつだろうと…


やはり… 50センチを超える立派なご禁制である… 内地ならトロフィーフィッシュだがここ北海道ではご禁制…言うまでもないが即リリースした…


その後もご禁制の活性が異常に高く一体何匹リリースしただろうか…? 雨さえ降っていなかったらドライに結び変えるのだが…と思っていた矢先… やっと雨も霧雨へと… そして暫くして空も明るくなってきた…


丁度、退渓点まで半分位か… 天候も回復傾向と判断し完全に落ち着くまで長めの休憩をとることにした…


依然、気温は低く寒いのだが…どうにもレインウェアを着ていると蒸れて心地悪い…雨に濡れる心配なくなったので寒さを我慢してレインウェアを脱ぐことにした…


フライをドライに結び替え…ひたすらポイントにフライを流していくのだが…アタリは皆無…これだけ気温低いと水生昆虫のハッチも見込めずやはり厳しい展開… でも沈めるとご禁制がうるさいのでドライで押し落とすことにした…


岸際ギリギリを流してやっと顔を出してくれたのは…




アメマスになりかけの蝦夷岩魚… 3.5キロ釣り上がってやっと渓魚と出逢えた…


本来ニジマスの多い渓の筈がサッパリ反応が無い…やはりご禁制の活性高い日は厳しい…


あと 1キロ程で予定している退渓点…と…行く手に現れた渓相に脚を止めた…と言うか止めざるを得なかった…なんと河原の巨木が渓を覆うように倒れていた…自然の猛威に目を奪われるばかりだが丁度、渓がカーブしているおあつらえの流れも相まってフライをロストすることを覚悟して流してみることにした…


倒木沿いにフライが流れていき…対がんカーブのエグレにフライがさしかかったその時…水柱があがった…




この 1本で充分… 寒さも限界でこれ以上集中力を保つことも困難… 先のポイントを攻略することなく納竿することにした…


6月6日(木) Day 2


昨日程ではないが今日も寒い…宿の朝風呂にゆっくり浸かり曇天を眺め、出発を予定時刻から 1時間ほど後ろ倒しした…


車載温度計によると8℃…今日もヤレヤレである…9時少し前に目的の渓に到着…事前に水量を確認していたが橋から見下ろした渓は想像を遥かに超えて水量少なく入渓前から厳しい釣りになることが想像出来た…






やはりと言うべきか…普段なら間違いなく良型が入っているポイントも川底がハッキリ確認出来る位の水量… でも…これはこれで好都合… せっかくなので次回以降の釣りの参考にしようと川底の様子を詳細にノートに書き留めながら釣り上がることにした…


この渓も…ご禁制が既に上がって来ているようだ…数はまだ少ないものの数匹の群れがポイント毎に確認出来た…幸いなことはこの渓のご禁制はフライへのアタックはなく活性低いこと…しかし、肝心の渓魚の活性も上がらず暫くは何の反応もない時間が過ぎていく…


開始 2時間が経過し…雲も高く薄くなる頃に…気温も徐々に上がってきて…雲間から青空が見えてきた…




暫く渓を観察していると…モンカゲロウのハッチが… フライをドライに結び替え…程なくしてヒットしたのは…




この時期には珍しい側線を紅く染めた良型のヤマメだった…


モンカゲのハッチ時間は短い…この貴重な時間を無駄にしたくないので足早に次のポイントを目指す…いつもなら水深ありすぎてドライでは太刀打ち出来ない大プールへ到着…なんと水が少ないからかライズリングが確認できた…それも50は超えるであろうサイズのライズリングが 3箇所も…


腰をかがめ…静かに…ストーキングしながら無理なくキャスト出来る距離まで近づく…


幸い底が砂底なので音をたてることなく最適距離まで近づくことが出来た…ティペットのキズを確認しフライを結び替え…フロータントを施し…静かにキャスト…ほぼ止水に近いので奴の定位している場所より 5メートル程上流に着水させた… とっ! なんとそいつは着水と同時にフライ目掛けて猛突進…引ったくるようにアタックしてきた…


余ったラインを回収する間もなくパーミングしたラインを引き出され…強制的にリールファイトへと誘われた…




ジャスト 60… 渓ではなく広いプールでのやり取りだったので時間はかかったもののなんとか寄せることが出来た…


感無量である…


結局、この後モンカゲのハッチ終了と共にライズも無くなり…レギュラーサイズを3本追加し終了… 


まだ陽は高く…蝦夷春蝉の大合唱に後ろ髪を引かれはしたが 15時で納竿することにした…


来月で 55歳…年々感じているが昨年にも増して渓を歩くスピードが遅くなった…オフシーズンのウォーキング程度では筋力維持にはならないのかも知れない… それに老眼も一段と進んだようでいよいよ釣り用にシニアグラスを考えなくては…フックのアイにティペットを通すのが辛くなってきた…次回の訪道までに自分に合ったシニアグラスを購入しなくては…嗚呼…


僕の尊敬しているフライフィッシャーであるメル・クリーガーは言った… フライフィッシングは数あるスポーツの中で唯一、年齢に関係なく生涯上達が見込める素晴らしいスポーツだと… 晩年の彼はおぼつかない足腰にも関わらずキャストした先のループは美しくまた、ダブルハンドでさえも自在に操っていたのだから驚きを隠せなかった…


歳と共に体力も筋力も…視力も衰えていくのは必然とは言え、それでもキャスティングやポイントの見極め方…タイイング等。それらを経験を積むことで補うことが出来る…


僕も自然と同化出来るこの素晴らしいフライフィッシングをいつまでも嗜められたらとつくづく思う…






帰宅したら久しぶりにもう何度も読み直した彼の代表作である「Essence of Flycasting」を読み直したくなった… 


お・わ・り…